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「パッドマン 5億人の女性を救った男」 [映画]

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〔2018年/インド〕


2001年。北インド。
新婚のラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、
心から愛してやまない妻・ガヤトリ(ラーディカー・アープテー)が、
月経の時、
雑巾にもしないような汚い布で
処置をしている事に驚く。


市販のものを買ってやるが、
それはとても高価で、
逆にガヤトリに叱られてしまう。


それなら、と、
ラクシュミは、生理用品を手作りし、
その使い心地を知るため、
女子大の前で配ろうとしたり、
知り合いの少女に渡そうとするが、
変質者扱いされ、
ガヤトリは、実家に帰ってしまい、
母親からは勘当される・・・。





試写会で観た。


扱っているテーマから、
何か茶化すような内容だったら嫌だな、
と思っていたのだけれど、
めっちゃ力強い物語で、感動。
良い映画だった。


まず、主人公のラクシュミが素晴らしい。
こんな優しい男性、
滅多にいない、というくらい優しく、
何をするにも、妻ファースト。


そんな妻が、月経の時、
不潔な布を使っているのを見た彼は、
もう、いても立ってもいられず、
医者にも相談する。
すると、インドでは、
そのせいで、
不妊になったり、
最悪、死に至るケースもある事を知る。


で、彼は手始めに生理用品を手作りするんだけど、
でも、だからと言って、
それをむやみに配っても、駄目よね(笑)。


インドよりは、多少オープンな日本だって、
知らない男性からもらった、
そんな物を使うのは、
絶対に嫌だ(笑)。
っていうか、通報レベル。


妻のためを思ってした事が仇になり、
村は大騒ぎ。
ラクシュミが村を去るまでが前半。
そして、後半の、
彼の活躍が素晴らしい。


彼は、試行錯誤の末、
安くて清潔な生理用品を開発する。
運の良さもあって、
工場はインド全土にどんどん拡大。
さらに、その工場では女性を多数採用するという
好循環。


インドの女性を救ったという事で、
ついに、彼は国連に招待されるまでになるのだけれど、
その演説が圧巻。


インドでは、月経の間の5日間ほどは、
不浄のものとして、
女は家には入れず、
バルコニーのようなところで、
ひたすら無為に過ごすという。


年間でトータルすると、60日という日数を、
仕事も出来ず、学校にも行けず、
つまり、男が1年の12ヶ月をフルに活動できるのに、
女には、1年が10ヶ月しかない事になる。


これが100年も前の話というなら、
まだ納得だけど、
現代の話というのだから、驚きだし、
きっとまだまだ世界には、
似たような国や地域があるだろう。
色々考えさせられる映画だった。


評価 ★★★★☆

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