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「九十九本目の生娘」 [映画]

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〔1959年/日本〕


岩手県の北上川流域に、
キャンプに来ていた男2人女2人のグループ。
ところが、女2人が忽然と消えてしまう。
男たちは警察にそれを訴えるが、
本気で向き合ってくれない。


その土地では、
「麓の村人」と「山の住人」の、2つの集落が、
互いに殆ど関わり合う事なく、生活していた。


実は、もうすぐ「山の住人」による、
「火づくり祭り」が始まるのだが、
祭りで刀を鍛える際、処女の生き血が必要で、
キャンプに来ていた女たちは、
そのせいで、連れ去られたのだ。


女たちの遺体が発見され、
警察が捜査に乗り出す。
すると、神社から、
98本の刀が見つかり、
それらはどれも、血で曇っていた。
さらに、山頂では、
人間の白骨が無数に発見される・・・。





アマゾンの奥地などには、
現代文明に一度も触れる事なく、
原始生活を営んでいる部族が
まだ存在すると、
何かで読んだことがあるけれど、


そのような人々が、もし日本にもいるとしたら、と、
この映画を観ながら想像していたら、
めちゃくちゃワクワクするような気持ちになった。
(サンカの伝説なども、あるにはあるが)


そう、この映画は、
山の奥に、一般社会とは隔離されたように暮らす集落での、
出来事が描かれる。


タイトルから想像して、
「トンデモ映画なんだろう」と
勝手に想像していたけれど、
ツッコミどころはあるものの、
ストーリーの辻褄がそれなりに合っている、
面白い映画だった。


先ほど書いた、
アマゾンの原住民ほどには、
「山の住人」は「麓の村人」と接触がないわけではないが、
「山の住人」が暮らす場所は、
警察さえも把握しておらず、
死体が発見されてから、
捜査して初めて、
「どうやら、滝の向こう側に集落があるらしい」と
知ったくらい、
それまで、何の情報もなかったようだ。


ただ、そのような集落が存在するのは、
夢があると思うけど、
治外法権なのは、いただけない。
「山の住人」は、
それはもう、簡単に人を殺す。


警察が山に入ってくると、
「山の住人」一丸となって、
弓を射ったり、上から岩を転がしたり。
怖いもの無しの人々の怖さを見た思いがした。


ところで、
キャンプに来ていた女たちの生き血に、
出来上がったばかりの刀をつけた時、
「だめだー、あの女たちは穢れていたー」
と言ったのには笑った。


刀だけで、そんな事が分かるって、
どういう仕組み?(笑)。


評価 ★★★★☆

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