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「立ち去った女」 [映画]

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〔2016年/フィリピン〕


ホラシアは、
犯してもいない殺人の罪で、
服役している女。


30年後、
やっと真犯人が分かり、
釈放される。


彼女を陥れたのは、
結婚前に付き合っていた恋人・ロドリゴ。
ロドリゴの行方を捜したホラシアは、
彼が現在、金持ちになり、
ある街の名士になっている事を知る。


ロドリゴに復讐するため、
ホラシアは、彼の家の近くに住む。


そこで、
卵売りの男、物乞いの女、ゲイの男などと交流しながら、
復讐の機会を狙うが・・・。





試写会で観た。


2016年、ベネチア国際映画祭で、
金獅子賞を受賞した作品だそうだ。


長い(笑)。
死ぬほど長い。
3時間48分もある。


観る前、
「寝ちゃったらどうしよう」と不安だった。
寝る事はなかったけど、
家に帰ったのが23時。
こんな試写会、初めて(笑)。


自分を陥れ、
30年もムショ暮らしをさせた男に
復讐を誓う女。


ホラシオは逮捕当時、
9歳の息子と、
7歳の娘がいた。
子供たちにとっても、
人生の重要な時期に、
母親がムショ暮らしとは、
どれほど辛かったかと想像する。


出所後、ホラシオは娘と再会し、
抱き合って号泣するが、
息子は行方知れず。
自分さえちゃんとしていたら・・・。
彼女が、ロドリゴを憎むのも無理はない。


ただ、これは、
復讐がテーマの物語ではなく、
出所後のホラシオが、
どんな風に生きているかに重きが置かれている。


彼女は優しい。
近所に住む、社会的弱者に、
それはそれは、親切に世話をする。
まるで聖母のように。


そんな彼女の優しさが、
オチに繋がる。
なるほど、と。


つまらなくはなかったけど、
ただ、何度も書くけど、
やっぱり、長過ぎる。


映画のノウハウを知らない私が、
こんな事を言うのもなんだけど、
「ここ、要らないんじゃ?」とか、
「ここは、もう少し短くできるんじゃ?」とかいう
場面多数。


もしかして、編集途中の映画って、
こんな感じなのかもと思う。


撮り終わった、長いフィルムの各々の場面を
監督が取捨選択して、
2時間前後の映画にまとめ上げる。
その、まとめ上げる前の作品を観ているような。


いや、
元々、この映画を撮ったラヴ・ディアス監督は、
作品が長い事で有名なのだそうだ。
それに、先ほど書いたように、
そんな凄い賞を獲った映画なのだから、
長さも込みで、評価されたのだろう。
私が分からないだけで(笑)。


上映前に、
映画監督の中田秀夫さんと、
東京国際映画祭プログラミングディレクターの石坂健治さんの
トークショーがあった。

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中田監督が、
「実は、この映画、ちゃんと観てなくて」と
言われたので笑った。
いや、正直でいいと思います。
観てもいないのに、
観たという体で話された方が困るので(笑)。


評価 ★★★☆☆

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