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「トリガール!」 [映画]

torigirl.jpg
〔2017年/日本〕


一浪して工業大学に入った、
鳥山ゆきな(土屋太鳳)は、
冴えない男子学生ばかりのキャンパスに、ガッカリ。


クラスに、自分以外のたった1人の女子・島村和美(池田エライザ)に
誘われ、
「人力飛行機サークル」の見学をしたゆきなは、
先輩の高橋圭(高杉真宙)に一目惚れし、
入部を決める。


ゆきなは、圭と一緒に、
大空を飛ぶことを夢見るが、
圭の友人で、
いけ好かない坂場大志(間宮祥太朗)と組むことに。


仕方なく2人でトレーニングするも、
揉めてばかり。
そんな事で、
琵琶湖の空を飛べるのか・・・。





試写会で観た。


とにかくテンションが高く、
小ネタ満載の、
いまどきの映画という印象。


ヒロインの土屋太鳳さんというかたは、
最近、人気のようで、
よく名前を見かける。


私の記憶にあるのは、
「るろうに剣心」くらい。
それより、覚えているのは、
去年の紅白歌合戦で、
郷ひろみのバックで、
ダンスパフォーマンスをした時のお姿。


その時、彼女が、
体育大学出身だと知ったので、
今回のこの映画の役は、
合っているのでは、と思った。


何せ、「人力飛行機」を飛ばすための、
トレーニングが半端ない。
自転車で山道を何周も走る。
観ている私の方が、疲労がたまるけど、
「大丈夫、この子は運動神経抜群なんだ、大丈夫」と
自分に言い聞かせながら観る。


琵琶湖が、あれほど広いという事にビックリ。
まるで海みたい。
日本で一番大きい湖というのも納得。
琵琶湖の上を人力飛行機で飛ぶという、
その行為が、
景色も素晴らしく、
とても気持ち良さそうだった。


コンテストの最中、
坂場がゆきなに恋心を告白する場面が可笑しい。


狭い人力飛行機内での
突然の告白。
しかも、中の会話は、
マイクでテレビに流れるようになっている。
ゆきなより、
部員がビックリしている。


ところで、
人力飛行機って、自転車を漕ぐだけで、
なぜあんなに飛べるんだろう。


まぁ、私のこんな頭では、
理解もできないような力学があるんだろうけど、
すごいな、と思う。
ただ、やってみたい、とまではいかない(笑)。
だって、ものすごく体力が要りそうだ。
私はきっと、トレーニング30分で脱落する。


評価 ★★★☆☆

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「ハイドリヒを撃て! 『ナチの野獣』暗殺計画」 [映画]

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〔2016年/チェコ〕


1941年。
ヨーロッパの、ほぼ全域が、
ナチスドイツに占拠されている時代。


ヒトラーの後継者と呼ばれ、
ナチスナンバー3の実力者である、
ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画が、
イギリス政府と、チェコスロバキア政府の中で
企てられる。


ヨゼフ(キリアン・マーフィー)、
ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら、
7人の兵士が、
パラシュートで、チェコに送り込まれる。


彼らは、着々と暗殺計画を進め、
それを実行するまでに至る。
ところが、
ハイドリヒ殺害に怒ったナチスが
壮絶な復讐を・・・。





試写会で観た。


映画の前に、
ゲストの海老名香葉子さんが登壇され、
ご自身の戦争体験を語られた。

Heydrichwoute2.JPG

東京大空襲で、
家族全員を失われた海老名さんはしかし、
家族のご遺体が見つからないという理由で、
戦災孤児認定が受けられず、
国から配給される食べ物も貰えなかったそうだ。


国にしてみたら、
親がいるのに、食べ物をもらいに来る子供がいる事を
懸念しての事なのだろうが、
そこに、法律の限界を感じる。
そういった事って、現在の社会でも、
無数にある。


ところで、そんな戦争体験のお話を聞く中、
もう、めちゃくちゃ不謹慎すぎる事なのですが、
海老名さんというと、
今、発売されている週刊誌の事が、
私の頭の中をよぎってしまう。


海老名さんの次女さんが、
何か大変な話題になりそうなお写真をご披露されたとか。


私ったら、すごいタイミングだわ、と、
ミーハーな事になると、
割と運のいい(?)自分が可笑しい・・・
・・・って、すみません、書かなくてもいい事を。
ブログという性質上、
時事問題(なのか?(笑))にも触れておいた方がいいかな、と。


で、映画。


この、ラインハルト・ハイドリヒ暗殺事件は、
実際にあった歴史上の事件で、
「エンスラポイド作戦」というコードネームだったそうだ。


物語は、
ハイドリヒ自身の存在に重きは置かれず、
それを実行した、
ヨゼフとヤンの私生活が描かれる。


2人は、暗殺計画を練るうちに、
それぞれ、
女性と知り合い、恋に落ちる。


そんな切羽詰まった時に、と思うけれど、
切羽詰まっているからこそ、
そのような気持ちになったのかもしれないし、
恋をするのに、
時も場所もない、という事なのかもしれないし。


ハイドリヒの暗殺場面もハラハラするけれど、
その後のラスト30分が壮絶。
ナチスの冷酷さ、
戦争の悲惨さに、
呆れたり、悲しくなるばかり。


ただ、以前観た、トム・クルーズの、
「ワルキューレ」よりは納得がいった。


「ワルキューレ」の、
ヒトラー暗殺計画は、
失敗すると最初から知っているだけに、
観ていて、空しいだけだったから。


この事件を扱った映画は、
今まで2本、
「死刑執行人もまた死す」と、
「暁の七人」がある。
どちらもタイトルだけは知っていたけど、未見。
そのうち、観てみようと思う。


評価 ★★★☆☆

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「幼な子われらに生まれ」 [映画]

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〔2017年/日本〕


信(浅野忠信)と奈苗(田中麗奈)は、
再婚同士の夫婦。
奈苗の連れ子の女児2人との
4人暮らし。


信は、元嫁(寺島しのぶ)が育てている実子と、
年に4回の面会が許されている。
信はその日を楽しみにしている。
しかし、奈苗はその事を、
快くは思っていない。


奈苗は、元夫(宮藤官九郎)から、
DVを受けた挙句、離婚した。
元夫の事など、
これっぽちも思い出さないし、
興味もない。


ところが、
奈苗が妊娠し、それを娘たちに告げたところ、
小6の長女が、
突然反抗的になり、
「本当の父親に会いたい」と言い出す・・・。





試写会で観た。


上映前に、
三島有紀子監督、浅野忠信さん、
田中麗奈さん、宮藤官九郎さん、
そして、子役の女の子たちの舞台挨拶。

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浅野さんは、とてもシャイで、
「俺はスターだぜ」みたいな驕った様子がまるで感じられない、
素敵なかただった。


田中麗奈さんは、映像で観るよりずっと綺麗。
黒いドレスがめっちゃ似合ってる。


宮藤官九郎さんは、いつも通り(笑)。
ビーサンのようなものを履いているのが可笑しい。
「クズ男の役ですけど、嫌いにならないでね」、と仰り、
笑いを誘う。


皆さんのお話によると、
リアルで自然な感じを出すために、
必ずしも脚本通りにセリフを言わなくてもいいし、
脚本にない動きをしてもいいという事で、
撮影が進められたそうだ。


で、感想。


「どうすりゃいいんだ」という言葉が何度も頭の中を去来する。
再婚同士の夫婦に子供ができた途端、
水面に石を投げたように、
広がる波紋。
特に、思春期に差し掛かった長女のショックは大きく、
その反抗っぷりには、
観ているこちらも戸惑い、
どう手を付けていいのか分からない。


長女にしてみたら、
母と、義父の間に子供が生まれてしまったら、
義父と血の繋がらない自分の存在はどうなるのか、
不安でいっぱいな気持ちなのだろう。
それも分からなくはない。


でも、反抗される義父にしたら、
たまったものではない。
「こんな家、嫌だ」
「あんたは私のお父さんじゃない」
「あんただって、実子と会ってるじゃん」
「部屋に鍵を付けて」などなど、
毎日、そんな言葉を浴びせられたら、
子供の言う事とはいえ、
次第に神経が擦り減っていっても仕方がない。


ところで、浅野忠信演じる、
この夫は、
妻が妊娠した事に戸惑い、
「堕胎」も選択肢の一つだと考えている。


なんだかなぁ。
なんか、勝手。
再婚同士の夫婦が、
子供について話し合う事はなかったのだろうか。
長女の反抗は想定外としても、
将来のビジョンも何も無いまま、
ただ情熱に任せて、だったのだろうか。
若いカップルじゃあるまいし。


それから、どうしても説得力に欠けるのが、
宮藤官九郎のキャラクター。


彼は自分のDVのせいで、
田中麗奈と離婚した過去があるわけだけど、


この手の話しで
一番怖いのは、
そういう男が、
ストーカー化する事じゃない?


でも彼は、
「自分は結婚はもう真っ平。
 婚姻中は、田中麗奈の存在が鬱陶しくてたまらなかった。
 だから彼女に嫌われる事なら何でもした」
と言う。


そんなキャラ設定だから、
彼の存在は脅威になるわけでもなく、
なんか拍子抜け。
結構いい人じゃん、と思える場面すらある。
現実の事は分からないけど、
これは映画なのだから、
もう少し、捻りがほしい所だ。


「田中麗奈が重い」という事だけど、
私から見たら、
普通の専業主婦。
特別、夫に依存しているようにも見えない。
鬱陶しいと言われるほどの事はしていない。


あと一歩、惜しい感じ・・・って、エラソーね(笑)。
おそらく、世間の評価は
高いんだろうなぁとは思う。
いい映画「っぽい」雰囲気。


もちろん、悪くはないです。
色々、考えさせられます。


評価 ★★★☆☆

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Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25 [音楽]

Mr.childrenlive.jpg


8月5日。
日産スタジアムで行われた、
Mr.Childrenの、
25周年記念ライブに行ってきました。


友人が、ダメ元でチケットを申し込んだら、
当選したそうで、
誘ってくれた事、とても嬉しかったです。


ミスチルの桜井和寿、といえば、
私の中で、
不思議な色気のある人、
そして、愛の人。


彼の、
時に、中二病みたいな(褒めてます)歌詞に、
勇気づけられた事が何度もあり、
特に、「終わりなき旅」は、
私の人生の中で、
ある目標に向かって最大限に頑張っていた時期、
イメージトレーニングとして、
家でも、車の中でも、
エンドレスで聞き、
気持ちを奮い立たせていた、
忘れられない曲です。





夕方5時に始まったライブ。
大きなスタジアムは、満員。
ステージに現れたメンバーに、
大歓声の中、
「CENTER OF UNIVERSE」で、
スタート。


25周年ライブという事で、
シングルヒット中心の構成。
なんてなんて、名曲揃いなんだろう。


桜井さんのトークの中で、
「10周年の頃は、まだとても若く、
 感謝の気持ちを上手く表せなかった。
 でも今は違います」
みたいな事を話され、
あぁ、分かるなぁ、と。


ライブが始まった頃は、
暑かった日差しも、
少しずつ夕暮れとなり、
気持ちのいい夜へ。


アンコールの最後の曲は、
「終わりなき旅」。
私の中で思い出の曲は、
やはり、他の多くの方にとっても、
思い出の曲なのでしょう。
それだけの力が、この歌にあるから、
記念ライブの最後を飾ったのだと思います。


高ければ高い壁のほうが 登ったとき気持ちいいもんな 
 まだ限界だなんて認めちゃいないさ


本当に行って良かった。





セットリストを記しておきます。


1.CENTER OF UNIVERSE
2.シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~
3.名もなき詩
4.GIFT
5.Sign
6.ヒカリノアトリエ
7.CROSS ROAD
8.innocent world
9.Tomorrow never knows
10.Simple
11.思春期の夏~君との恋が今も牧場に~
12.365日
13.HANABI
14.1999年、夏、沖縄
15.足音 ~Be Strong
16.ランニングハイ
17.ニシエヒガシエ
18.himawari
19.掌
20.Printing
21.Dance Dance Dance
22.fanfare
23.エソラ

-----アンコール
24.overture
25.蘇生
26.ポケットカスタネット
27.終わりなき旅

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「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」 [映画]

BonVoyagekazokuryokohadaibousou.jpg
〔2016年/フランス〕


パリ在住のコックス家は、
整形外科医の主・トム、
妊娠している妻・ジュリア、
9歳の娘・リゾン、
そして7歳の息子・ノエの4人家族。
今日から、夏のバカンスに出掛ける。
最新システムを搭載した新車の運転を
トムは楽しみにしている。


ところが、出掛けに、
トムの父・ベンがやってくる。
恋人に振られたばかりのベンを
不憫に思ったトムが、
ジュリアに相談も無しに誘ったのだ。


ジュリアは不機嫌になるが、
とりあえず出発。
すると、ベンは、途中のサービスエリアで、
変な女・メロディを拾い、
トムたちに内緒で後部座席に乗せ、
横になって隠れているように言う。


車は順調に走り出すが、
トムがなぜか焦りだす。
車のブレーキが利かない!
130キロからスピードが落ちない。
さらに事態は悪化する。
160キロものスピードが出てしまったのだ。


そんな中、メロディが起き上がり、
トムたちは仰天する。
さらに、そんな車内で、
家族の隠し事が露呈され大混乱・・・。





始まって10分間くらいまでは、
「失敗だったかなー」と思いながら観ていた。
「予告では面白そうだったけど、ちょっと違ったかなー」と。


ところが、ところが。


後部座席に隠れていたメロディが
姿を現したあたりから、
もうダメ、
笑いが止まらない。


笑って笑って笑いまくる。
面白い、
面白過ぎる。
何なんだ、この映画。


複雑な事は何もない。
ブレーキの壊れた車が、
160キロのスピードで、
高速道路を走り、
乗っている6人の人間が、
その中で、
すったもんだしている。


ただそれだけで、
あんなに笑えるなんて、
凄いよ、この映画。


特に可笑しいのが、
家族とは何の関係もない、
赤の他人のメロディ。
爺ちゃんが拾った、
若いんだか、意外と年食ってんだか分からない、
この女を演じているのは誰なんだ?


そう思い、調べてみると、
シャルロット・ガブリという女優で、
30歳らしい。
あまりお利口そうでない女の演技が素晴らしく、
「この人の過去の映画も、未来の映画も全て観たい」と
思わせられる。


いつもはあまりしない事だけど、
今回のレビューでは特別に、
このガブリさんの写真を載せちゃう(笑)。


BonVoyagekazokuryokohadaibousou2.jpg

こんな彼女が、


こんな事に。

BonVoyagekazokuryokohadaibousou3.jpg


なんと彼女はこのシーンを、
スタントなしで、
自分でこなしたのだそうだ。


なるほど。
そんな本気度が、
観ている私に伝わったのかもと、
なんだか納得。


観終わった後は、
心も体もめっちゃ軽く、
スキップしながら帰りたくなったくらい楽しめた、
1時間半だった。


映画って、やっぱりいい!!


評価 ★★★★★

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