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「磯川兵助功名噺」 [映画]

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〔1942年/日本〕


仙台伊達藩の若侍・磯川兵助(榎本健一)は、
真面目で堅物な若侍。


そんな兵助が、
子供を連れ、自殺しようとしている若い女・おそでを助ける。
なんでも、父親のいない子を産んだせいで、
両親から勘当されたという。


兵助は、子供の父親だと嘘を吐き、
おそでの両親と会う。
両親は、侍と縁組できると大喜び。


その後、参勤交代で、
江戸で暮らす事になった兵助の所へ、
殿の娘・津絵がやってくる。
父に言われ、
兵助の妻になると言う・・・。





昨日書いた、
「ほんだら剣法」は、実はリメイクで、
この、「磯川兵助功名噺」がオリジナルなのだそうだ。


そうと知っては、もう観ずにはいられなくなる。
何とかソフトを探して、観る。


昭和17年に作られた映画だそうだ。
75年も前というと、
ずいぶん遠い昔のようだけれど、
すでにこんな頃から、
ちゃんとした映画の形が出来上がっている。


小ネタがしつこい(笑)。
いい意味で。


兵助が、濡れた着物を、
河原で乾かしていると、
雨が
まるで、兵助だけを狙っているかのように
降ったり、


津絵が兵助に喜んでもらおうと、
準備した座布団や茶箪笥に、
彼が全く気付かず、
乳母と一悶着あったり。


圧巻は、
ある秘密が書かれた扇子を、
兵助と大勢の武士たちが奪い合うシーン。


一体いつまでやってるんだ、と言いたくなるくらい、
その奪い合いが続く。
昔の人は、このシーンで大笑いしたんだろうなぁと、
75年前に思いを馳せたりして。


個人的に好きなのは、


兵助が家に帰ると、
津絵と乳母が、
かなり怒った様子で、
彼を出迎える場面。


なんと、奥の間に、
訪ねてきたおそでが待っているのだ。


結婚したばかりだというのに、
女が家にやって来ては、
津絵がおもしろくないもの分かるけど、
乳母までがプンプンしていて、
兵助の座った座布団を、
尻の下から引き抜いたりする。


嫉妬というのは苦しい感情だけど、
それを、
シンプルに、
分かりやすく描いた場面。
興味深かった。


評価 ★★★☆☆

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