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「世界の果てまでヒャッハー!」 [映画]

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〔2015年/フランス〕


ついに漫画家デビューを果たした
フランク(フィリップ・ラショー)は、
彼の恋人ソニア、
そして、数人の友人たちと、
ソニアの父が経営する、
ブラジルの高級ホテルに、
バケーションへ。


フランクは、この地でソニアにプロポーズし、
ソニアの父にも結婚を認めてもらおうと
決心していたが、
ソニアが彼を頼りなく思っている事を知り、
意気消沈。


そんな中、
フランクたちは男だけで、
ジャングル秘境ツアーに出掛けようとする。
ところが、
83歳のソニアの祖母が付いてくるという。


さらに、友人が、
知り合ったばかりのグラマーな若い女を2人、
連れてくる。


飛行機でジャングル奥地に入った一行だが、
そこで、
とんでもないハプニングが次から次へと起こり・・・。





昨日書いた、
「真夜中のパリでヒャッハー!」の続編だけれど、
なんと、
日本で公開されたのは、
この「世界の果てまでヒャッハー!」が先らしい。


なんでそんな事態に?
もちろん、これ1本でも、
十分に楽しめるようにはなっているけど、
やっぱり順番は守ってほしいと思うなぁ。


めっちゃ気に入った、
「ボン・ボヤージュ」の監督作だからと
無闇に褒めるわけじゃないけど、
これも、本当に面白い。


馬鹿馬鹿しいんだけど、
ギリギリ下品にならない所が凄い。
主人公のフランクにも、
感情移入しやすい。


この、ギリギリで下品と、そうでないのとでは、
どこがどう違うのだろう。
自分の中で、どこで線引きされるのだろう。
考えてみたけど、
よく分からない。
似たような映画で、
大嫌いな作品もあるというのに。


今回の陰の主役は、
ソニアの婆ちゃん。
80代という設定だけど、
その身体能力の高さにビックリ!


この女優さん、
まさか本当に80代じゃないよね?(笑)
本当にそうだとしたら、
私の80代のイメージは、
大きく書き換えられるわ(笑)。


それから、この映画の凄いところは、
伏線が全て回収されているところ。
なるほど、そうくるわけね、とか、
やっぱりそうきたか、という場面の連続。


そして、今回も書いちゃうけど、
シャルロット・ガブリ嬢、出てました(笑)。


フランクと一緒にブラジルに行った仲間の一人で、
「真夜中~」よりは、
出番もセリフも多くて、良かった。


っていうか、
二コラ・ブナム監督の映画を3本観て、
3本ともに彼女が出てるって、
よほど気に入られているのか、
個人的な何かがあるのか(笑)。


ブナム監督の映画と、
そして、ガブリ嬢の映画を、
もっと観たい。
この2人、
おフランスではどんな存在なんだろう。


評価 ★★★★☆

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「真夜中のパリでヒャッハー!」 [映画]

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〔2014年/フランス〕


出版社の受付をするフランク(フィリップ・ラショー)は、
いつかは漫画家になりたいと夢見ている青年。


ある日、フランクは、
社長から、
「一晩、息子のレミのシッターをしてほしい」と
頼まれる。
「何で俺が?」と思ったが、
漫画家デビューを仄めかされ、
引き受ける。


その日は、フランクの誕生日。
友人たちが彼のためにパーティを開いてくれる予定だったが、
キャンセルして社長宅へ。


社長の息子・レミは、
10歳くらいの、
生意気なクソガキだ。
でも、漫画家になれるチャンスなのだ。
我慢我慢。


ところが、友人たちが、
社長宅でパーティをしようと押しかけてきた。
家は荒らされ、
大混乱。
しかも、真夜中なのに、
レミが外に出て行ったらしい・・・。





先日、このブログで、
「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」を観て、
笑い転げたと書いたけれど、

http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04


あんな面白い映画を撮った、
二コラ・ブナム監督って、一体どんな人なのかと思い、
調べてみた。


けれど、
ブナム監督、
まだ日本ではあまり知られていないようで、
よく分からない。


ただ、ブナム監督の作品で、
日本でレンタルできるDVDが2本ある事が分かった。
しかも、その2本ともに、
「ボン・ボヤージュ」で、
私がめっちゃ気に入った女優、
シャルロット・ガブリ嬢が出ているではないか。


ますます、観たい!ってんで、
早速借りたのが、これ。


「ボン・ボヤージュ」と同じように、
最初は、ちょっとイラっとするんだな。
主人公のフランクがベビーシッターしている家に
友人たちが押し掛けてきて、
家をグチャグチャにされるなんて、
最悪、って。


でも、どんどん面白くなっていくのも、
「ボン・ボヤージュ」と同じ。


しかも、描き方が上手い。
フランクの友人の一人が
常にカメラを回していて、
その夜の出来事も、
全て録画されている。


つまり、フランクには何の非も無い事が、
証明される証拠があるわけで、
「フランクに、全責任を押し付けられたら嫌だな」という、
心配もなく、
安心して観ていられる。


クソガキだと思っていたレミも、
思っていたほどではなく、
意外としおらしい、
可愛い子なのだと分かって、
好感が持てる。


最高なのは、
マリオカートの実写版ともいえるような場面がある事。
日本の「任天堂」は、
世界の「ニンテンドー」だと、
誇らしい気持ちになる。
おフランスの皆様にまで、
これほど愛されているなんて、
本当に嬉しい。


で、一番の目的、
シャルロット・ガブリ嬢は、
フランクの同僚で、
受付嬢の役で出ておった。
お姿を見た時は、
「出たーーーーー!」って感じで、
映像を戻して何度も観る(笑)。


その後のパーティの場面にも、
ほんの少し登場する。


この映画の続編、
「世界の果てまでヒャッハー!」にも出ているらしいので、
続けて観るつもり。


評価 ★★★★☆

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「ロスト・バケーション」 [映画]

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〔2016年/アメリカ〕


医学生のナンシー(ブレイク・ライブリー)は、
メキシコの秘境ともいえる、
美しい海岸にやって来た。


サーフィンの準備を整え、
海に入ると、
現地の若い男性2人が、
同じくサーフィンに興じている。


ナンシーが夢中になって波に乗っていると、
男性たちは帰っていった。
ナンシーも、あと一回乗ったら帰ろうと思っていたが、
突然、足に激痛が走った。


必死で、岩場に上がり、
確認すると、太ももに大きな歯型が付いている。
鮫だ、鮫に噛まれたのだ。


満潮になれば、
この岩は海水に沈む。
ナンシーはどうなるのか・・・。





登場人物10人ほどの、
シチュエーションムービー。


狭い岩場に立ち、
岸はすぐそこに見える。
でも、鮫がいる。
グルグル回って、自分を狙ってる。


何とか泳いでいけないものか。
トライはしてみるものの、
やはり無理で、
岩に戻るしかない。


たったこれだけの状況だけれど、
途中でちょっとしたエピソードがあり、
最後まで飽きる事はない。


アル中のような男が海岸にいたので、
大声で助けを求めるも、
男は、ナンシーの財布やらケータイやらを盗んだり、
最初に会った、2人のサーファーが戻ってきたり。


トム・ハンクスの映画、「キャスト・アウェイ」で、
無人島に不時着したトムが、
そこにあったバレーボールに顔を描き、
「ウィルソン」と名付け、
人間に見立てて、話しかけるという
名シーンがあったけれど、


この映画で、
「ウィルソン」の役目を果たすのが、
怪我をして飛べない1羽のカモメ。


ナンシーは、カモメに、
友人に接するように話しかけ、
心を慰め、
恐怖を紛らわせる。


ちょっと分かる気がするな。
ここまで究極の場面でなくても、
何か不安な時、
困っている時、
もう、バレーボールでもカモメでもいいから、
話しかけて、
気持ちを落ち着かせたいって思い。
そこに何もなかったら、
独り言でもいいから、
何か言葉を発していそうだ。


ブレイク・ライブリーが、
化粧が落ちた顔で頑張っている。
時間が経つにつれ、
唇が変色してくるのがリアル。


そして、スタイルがめっちゃいい。
羨ましい(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「きみの声をとどけたい」 [映画]

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〔2017年/日本〕


湘南で暮らす、
行合なぎさは、高校2年生。
小学校の頃は、幼馴染の、
龍ノ口かえで、
土橋雫、
浜須賀夕の4人で、
とても仲良しだったけれど、
かえでが夕をライバル視し始めた事から、
ギクシャクしたまま現在に至っている。


ある日、
今は経営していない喫茶店・アクアマリンに、
偶然迷い込んだなぎさは、
店の隅にマイクがある事に気付き、
DJの真似事をしてみた。


すると、それを聞いた矢沢紫音というJKからメールが届く。
そこは、ミニFMスタジオで、
なぎさの声は、
本当に流れていたのだ。


紫音の母親は、
アクアマリンの経営者で、DJもやっていた。
しかし12年前の交通事故が元で、
現在も、意識不明の状態が続いている。


なぎさは、かえでたちを巻き込み、
ひと夏、ラジオから、
紫音の母にメッセージを送ろうと決める。
自分たちの声が届けば、
必ず意識が回復すると信じて・・・。





試写会で観た。


私の大好きな湘南を舞台に、
JKたちが、
ひと夏、「DJごっこ」をする、
ハートウォーミングなアニメ。


湘南なので、
ほぼ全編、海沿いで物語が進む。
江の島が、
藤沢側と、鎌倉側のどちら側からも描かれ、
街並みも、
「あ、あの辺だ」となんとなく分かるようになっている。
なぎさたちが通うのも、
「これは、おそらく〇〇高校が舞台だ」と、分かる。
なんだかウキウキする。


なぎさは、幼い頃、
祖母から、
「言葉には言霊というものが宿っている」
と教わっている。


うんうん、
私も普段から、
言霊の不思議を感じているので、
肯いてしまう。
迷信などは、あまり信じないけど、
言葉はとても大切だと思う。
何か強く願っている事があったら、
絶対、言葉に出した方がいいと思っているし、
逆に、
「こうなったら嫌だな」と思う事は、
口にすると現実になりそうなので、
極力、言わないようにしているし。


で、なぎさと彼女の友人たちは、
最近知り合った友達・紫音の
意識不明の母親のために、
ラジオから呼びかけて、
どうにか回復させたいって流れで、


まぁ、オチは想像がつくけど、


それでも、やっぱりラストは、
ああ良かったなぁ、と思えるし、
こんな可愛い絵で、
想定通りのラストでなかったら、
それはそれで、変だし(笑)。


ラストの歌の場面、
ちょっと泣ける。
号泣したという方も、多いようだ。


評価 ★★★☆☆

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「フェリシーと夢のトウシューズ」 [映画]

Feliciestoyumenotoeshoes.jpg
〔2016年/フランス〕


施設で暮らすフェリシーは、
明るく活発な女の子。
バレリーナを夢見る彼女は、
大親友の少年・ヴィクターと、
施設から逃げ出す事に成功する。


パリに着いた2人だが、
ヴィクターとはぐれてしまったフェリシーは、
一人、オペラ座に忍び込み、
本物のバレエを見て、
胸が高鳴る。


フェリシーは、掃除婦をしているオデットと知り合う。
オデットは、元バレリーナだが、
怪我で引退し、
もう踊れない体になっている。


オデットの雇い主・ルオー夫人と、
娘のカミーユは、
とても意地悪。
2人はフェリシーに対しても、
辛く当たる。


ある日、カミーユに届いた、
オペラ座の合格通知を盗んだフェリシーは、
カミーユになりすまし、
入団する・・・。





試写会で観た。


アニメの試写会だけあって、
いつもと違い、
会場には、幼い子供の姿が多数見られる。


しっかし、この映画、
子供に見せていいんだろうか。


いや、別に、エロシーンがあるわけでも、
暴力シーンがあるわけでもない。
元気な女の子・フェリシーが、
夢の成就のために努力する、
可愛い映画だとは思う。


ただ、全編を通して気になってしまう。


・パリで最初に知り合ったのが、才能ある元バレリーナで、
 彼女からレッスンを受ける事になる。
・他人に来た入学通知を盗んで、他人になりすましてオペラ座に入団する。
・遅刻は問題外の最終オーディションに遅刻するも、
 許される。
・一度でも転んだら失格の最終オーディションで、
 転んだのに、許される。


などなど、様々なエピソードが。


こんなものを子供が観たら、
「困っていると、必ず都合のいい人が目の前に現れる」とか、
「自分がしたい事のためなら、手段は選ばなくていい」とか、
「上の者に気に入られさえしていれば、遅刻も失敗も許される」、
なーんて、様々な事が自然に刷り込まれそうだ。


実際、とても驚いたのが、
私が、半月ほどまえ、
「自分の甘さを痛感した」と書いた、
「ブランカとギター弾き」のレビューでの、

http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2017-07-28
「普段、意地悪な人間も、いざとなれば助けてくれる」
の部分が、
そのまま再現された場面があった事。


フェリシーは、今まで意地悪だったある人物から、
途中、有り得ないような親切を受ける。
超意地悪だった人が、手のひらを返したような
いい人になる。
「ウソでしょ?」と言いたくなるような。


「ブランカ~」で書いたように、
私を含めた、多くの方は、
このような物語を見て育ち、
刷り込まれ、大人になってゆくのだろう。
そして、挫折した時、
「聞いてないよー」となるのだろう。


東日本大震災が起こった時、
ヒーローが現れない事に愕然としたと、
前に書いた事があったけど、
それも刷り込み、全てが刷り込み(笑)。


・・・って、こんな感想、駄目なんでしょうね。
子供が子供である間くらい、
夢見させてやれよって(笑)。


評価 ★★★☆☆

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