「カイジ 人生逆転ゲーム」

〔2009年/日本〕


人生のレールから逸脱したような生活を送る、
フリーターの藤原竜也は、
友人の借金の保証人になっていたおかげで、
蒸発した友人の代わりに借金を背負うはめになってしまう。


金融会社の社長、天海祐希から、
「借金返済の代わりに、ある船で行われるゲームに参加しろ。
　ゲームに勝ったら、借金がチャラになるどころか、
　大金も夢じゃない」と言われ、
乗船、参加を決める。


船には藤原と同じような境遇の、
冴えない男たちが多数乗り込んでおり、
皆、ゲームに勝っての一攫千金を夢見ていた。


そこで行われた最初のゲームは単純で、
運だけが頼りの他愛無いものだったが、
それでも、どんな場所でも、
悪知恵を働かせて、イカサマしようとする奴はいるもので、
藤原は苦戦する。


その後も、様々な事が彼の身に起こるのだが、
最終的に、幹部の香川照之と対戦する事になる。





荒唐無稽な話とはいえ、
この不安定な現代日本だからこそ作りえた物語とも言える。


場面は大まかに分けて四つあり、
その一つ一つにかなりの時間を割き、
ギャンブルする者の心の動きを実に丁寧に描いている。


特に香川照之はいい。
自分を頭の良い男だと自負する彼は、
人生の落伍者のような藤原をナメきっており、
勝負にも絶対的な自信を持っている。
そんな物凄く「嫌な奴」を
大げさとも言える演技で表現していた。


「デスノート」で敵味方として対峙いていた、
藤原竜也と松山ケンイチが助け合っていたのが、
なんだか可笑しくて、
また、嬉しかった。


評価　★★★☆☆