SSブログ

「地獄の刺客」 [映画]

jigokunoshikaku.jpg
〔1962年/日本〕


佐渡の金山で、
掘削作業をしていた囚人たち46人が、
暴動を起こした挙句、
脱走するという事件が起こる。


そんな事がお上に知られたら一大事。
老中・田沼は、
江戸の無法者たちを捕らえ、
佐渡に送り込み、
何事もなかったかのように、
装う事を思い立つ。


江戸から、佐渡までの、
70人の荒くれ男たちを率いての
行軍が始まった。


見張り役は、間風伝十郎(藤巻潤)以下、
罪人ばかり。
このミッションを成功させたら、
罪は帳消しにしてやるとの
ご褒美を信じ・・・。





いやはや、
凄い事を考え付いたもんだ(笑)。


囚人たちが逃げ出したことが
大事になるのは分かるけれど、
だからといって、
代わりの者で人数合わせをして、
知らん顔を決め込もうとは(笑)。


とにかく、頭数さえ揃っていれば、
誰でもいいってか?(笑)
そんな理由で、
微罪でとっ捕まった挙句、
金山送りになった男たちが、
私には気の毒でならない。


で、70人の男たちが、
江戸から佐渡までを行くのだけれど、
もちろん、電車・車どころか、
トンネルも、道もなく、
山、また山を歩いて乗り越えて行くしかない。


送られる男たちの中には、
やくざの親分や、
川人足の親方がいて、
それらの者を取り返そうと、
子分たちが襲ってくる。


それはとっても見応えがあって
面白いけれど、
ただ、ちょっと変じゃない?(笑)


子分たちは、
親分さえ取り戻せれば、
他に目的はないのだから、
引き取りに来られた男は、
返してやればいいだけ。


46人必要なところに、
70人もいるのは、
誰かが死んだり、
取り返しに来た場合に備えての、
多目の人数だと、
最初から言っている。
3,4人抜けたって、
どうって事はないのに。


そもそも、
なぜ、子分が大勢で引き取りに来ると
想定されるような男を連れていくのか。
誰でもいいなら、
係累のない人間を選べばいいだけ。


色々変な話だけど、
面白かったからよし(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(134)  コメント(12) 

「離ればなれになっても」 [映画]

hanarebanareninattemo.jpg
〔2020年/イタリア〕


1982年、ローマ。
ひょんなきっかけから友達になった、
パオロ、ジュリオ、リッカルドの
16歳の少年たち。


その後、
パオロは、同い年の少女ジェンマと恋に落ち、
4人はいつも、つるんでは、
青春を謳歌していた。


ところが、ジェンマの母が亡くなり、
彼女は、叔母のいるナポリへ引っ越す事に。


数年後、
偶然、ジェンマと再会したパオロだが、
すっかりやさぐれてしまった彼女に驚く・・・。





1982年から2022年のイタリアを舞台に、
4人の登場人物の人生を描いた、
大河ドラマのような映画。


16歳から56歳って、
どんな人にとっても、
それはもう、
語り尽くせないような、
様々な出来事があるだろうけど、


この4人も、それは同じ。


しかも、やっかいなのは、
彼らの場合、
男3人の中に、
ちょっと魅力的な女が1人混ざる事による、
不協和音というか、
齟齬というか、
争いというか、
そういうものが、生じてしまう事。


いやー、
凄いわ、ジェンマ(笑)。
彼女自身に、
それほどの悪気はないんだろうけど、
これでもかと、
男たちの友情を
掻き回してくださる(笑)。


それでも彼らは、
付かず離れず、
少し疎遠になっても、
また友情を復活させて、
ラストは、とっても素敵。


こういう映画を観ると、
どんな人の人生にも、
他人には想像もできない事があるし、
自分の人生の主人公は自分だけだし、
今、ここにこうして生きている事が、
奇跡のようにも感じる。


16歳の頃の自分は、
今の自分を想像もしていなかったし、
それでも、
未来が霧の中のように、
心許なかった、あの頃の自分に、
「大丈夫、なんとかなってるから」と
言ってあげたいような気持にもなるし。


結局人は、
落ち着くところに落ち着き、
そして、
落ち着いたと思ったら、
また小さな波乱があるという、
その繰り返しなのだろう。
人生は、死ぬまで続くドラマ。
どうせなら、目一杯楽しもう。


評価 ★★★★☆

nice!(127)  コメント(12) 

23区内全駅制覇・中野新橋駅 [23区内全駅制覇]

【23区内全駅制覇・各駅編】


第97回目の掲載は、
 ・東京メトロ丸ノ内線/方南町支線
「中野新橋駅」です。


IMG_5558.jpg
「中野新橋駅」から少し行ったところに、


IMG_5566.jpg
中野区立の、不思議な公園があるとの
噂を聞きつけ、行ってみました。


名前は「ぱんだ公園」。
名前表示板には、
ちゃんとパンダの絵が彫られていますね。


IMG_5569.jpg
でも、ここの公園にいるパンダは、
この一頭だけ(笑)。
お隣のライオンが、なぜかパンダの方を見ています。
「らいおん公園」だったとしても、
誰も不思議に思わないだろうと思います。


IMG_5573.jpg
公園の注意書きのパンダが、
微妙に不気味です(笑)。


このパンダ、何かがおかしい、と思いましたら、
足の黒い部分が、少なすぎて、
靴みたいなのですよね(笑)。


IMG_5575.jpg
「年中無休」でラジオ体操が行われているようです。
一度参加してみたい気もするけど、
6時25分に中野新橋に行くのはちょっと難しい。


IMG_5586.jpg
「ぱんだ公園」を後にして、
なんとなく歩いていましたら、
うわー、やった!
すごい古家に遭遇。


IMG_5583.jpg
これは掘り出し物(?)です。
これはもう、家とは言えないような、
危険な感じです。


IMG_5587.jpg
近隣のかたも不安なのでは。


IMG_5582.jpg
それにしても、
散歩は一期一会ですね。
この道を選んだから、
この古家に出会えた。


IMG_5585.jpg
逆に、選ばなかった道で、
逃したものも沢山あるのでしょうね。


IMG_5565.jpg

マンションの中に、子供用の車が、
鎖で吊り下げられていました。


IMG_5578.jpg
窓の柵いっぱいに飾られている、
マスコット人形。


IMG_5589.jpg
おぉ!
こんな所でシャンシャンに遭遇。
思わぬ出会いに嬉しくなりました。
なぜ、ここでシャンシャンなのか、
理由は分かりません(笑)。


IMG_5601.jpg
こ、これは危険・・・。


IMG_5602.jpg
街をあげて、
探しているようです。


IMG_5592.jpg
カフェ「ジニアス」さんで一休み。


IMG_5594.jpg
イチゴとブルーベリーのケーキと、
コーヒーをいただきました。


IMG_5550.jpg
ブログのお友達のあおたけさんが、
東京メトロ丸ノ内線の方南町支線の、
3両編成の電車がなくなると書かれていたので、
記念写真を撮っておきました。





--------------------

※今まで行った駅のリンク集です。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2010-09-22-13

--------------------

※以下に、このカテゴリーの1回目に書いた文章を
 貼り付けておきます。


2018年の4月から12月まで、
「23区内全駅制覇」というカテゴリーで、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2010-09-22-12
路線ごとに、駅名表示板を並べて、
掲載していたのですが、
次は「2周目」という事で、
今度は各駅の周辺を、もう少しゆっくり歩いてみたいと思います。


条件は特にないのですが、
駅周辺の雰囲気や建物を見たり、
それから、お食事かお茶ができればいいな、
と思っています。

nice!(155)  コメント(32) 

「襲われた手術室」 [映画]

E8A5B2E3828FE3828CE3819F.png
〔1960年/日本〕


質屋を襲い、店主を殺した3人組が、
警察に追われ、
大山外科医院に押し入ってきた。


3人組の1人は、
警察に撃たれ負傷しており、
医師の沼田に拳銃を突き付け、治療を命令する。


そこに、子供を抱えた母親が、
やって来た。
子供が腹痛で苦しんでいる。
診てやってほしいと。


腸捻転と診断した沼田は、
緊急手術をしないと子供の命が危ないと、
3人組を説得。
手術が始まるが・・・。





64分の短い映画ながら、
緊張感いっぱいで、
めちゃめちゃ面白い。


殆どの場面で、
BGMに軽快なジャズが流れ、
それが、
その緊張感に、
妙に合っていて、
大変に上手い作り。


質屋を襲った3人組が、
病院に立てこもるのだけれど、


一口にワルと言っても、
グラデーション、とでもいうのか、
殺しも厭わない冷酷な者と、
情を見せる者とで、
差がある事がよく分かる。


この映画の場合、
主犯格の男には、
多少の情があるけれど、


もう一人の男は、
笑いながら人を殺せるような、
怖ろしい面がある。


そんな彼らだから、
ラストはそうきたか、という感じ。


評価 ★★★☆☆

nice!(129)  コメント(12) 

「トゥモロー・モーニング」 [映画]

tomorrowmorning.jpg
〔2022年/イギリス〕


ロンドンで暮らす、
コピーライターのビル(ラミン・カリムルー)と、
画家のキャサリン(サマンサ・バークス)は、
結婚10年目の夫婦。


しかし、2人は、
上手くいっていない。
口を開くと、
言い争いに発展してしまい、
ついに、ビルは家を出る。


いつまでも、
そんな事を続けてはいられない。
離婚を決意した2人だが、
9歳の一人息子は、
密かに泣いている。


いよいよ、明日、離婚する、
という夜、
2人は、
結婚前夜の事を思い出し・・・。





しょーもない夫婦の、
離婚寸前の物語。
結局は、
「子は鎹」というところか。


それだけなら、
暗い話?と思われそうだけれど、
ミュージカル仕立てなので、
明るい。
絶対、別れないだろうなと、
誰もが思うと思う。


この夫婦が、
離婚に発展する理由が弱い。


浮気、
暴力、
浪費、
ギャンブル、
モラハラ・パワハラ、
舅姑小姑親戚縁者の嫌がらせ、
などが、
何一つなく、
ちょっとした言い争いの場面があるだけ。


離婚は致し方ない。
生きていれば、そういう事もあろう。
ただ、これは映画なので、
観る者に、
「それは別れて当然よね、うんうん」
という場面がないと、
なんだか訳の分からない感じになってしまう。


結局、夫の真の離婚理由は、
「君の成功に嫉妬したから」だと。


それから、似たような場面が多い。
「え!? またそのエピソードに戻るの?」
って感じで。


一番可哀想なのは、
それに振り回される、
9歳の息子。


息子は、母親に付いていくと、
転校をせねばならない。
仲のいい友達と離れたくないし、
何より、彼は、
父親も、母親も、大好きなのだ。


結局、ハッピーエンドだけど、
それじゃあ、胸を痛めた息子の涙は、
一体なんだったんだ。


評価 ★★★☆☆

nice!(146)  コメント(12)