「トゥモロー・モーニング」 [映画]
〔2022年/イギリス〕
ロンドンで暮らす、
コピーライターのビル(ラミン・カリムルー)と、
画家のキャサリン(サマンサ・バークス)は、
結婚10年目の夫婦。
しかし、2人は、
上手くいっていない。
口を開くと、
言い争いに発展してしまい、
ついに、ビルは家を出る。
いつまでも、
そんな事を続けてはいられない。
離婚を決意した2人だが、
9歳の一人息子は、
密かに泣いている。
いよいよ、明日、離婚する、
という夜、
2人は、
結婚前夜の事を思い出し・・・。
しょーもない夫婦の、
離婚寸前の物語。
結局は、
「子は鎹」というところか。
それだけなら、
暗い話?と思われそうだけれど、
ミュージカル仕立てなので、
明るい。
絶対、別れないだろうなと、
誰もが思うと思う。
この夫婦が、
離婚に発展する理由が弱い。
浮気、
暴力、
浪費、
ギャンブル、
モラハラ・パワハラ、
舅姑小姑親戚縁者の嫌がらせ、
などが、
何一つなく、
ちょっとした言い争いの場面があるだけ。
離婚は致し方ない。
生きていれば、そういう事もあろう。
ただ、これは映画なので、
観る者に、
「それは別れて当然よね、うんうん」
という場面がないと、
なんだか訳の分からない感じになってしまう。
結局、夫の真の離婚理由は、
「君の成功に嫉妬したから」だと。
それから、似たような場面が多い。
「え!? またそのエピソードに戻るの?」
って感じで。
一番可哀想なのは、
それに振り回される、
9歳の息子。
息子は、母親に付いていくと、
転校をせねばならない。
仲のいい友達と離れたくないし、
何より、彼は、
父親も、母親も、大好きなのだ。
結局、ハッピーエンドだけど、
それじゃあ、胸を痛めた息子の涙は、
一体なんだったんだ。
評価 ★★★☆☆