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「プレイモービル マーラとチャーリーの大冒険」 [映画]

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〔2019年/ドイツ・フランス〕


マーラ(アニャ・テイラー=ジョイ)は、
世界を舞台に活躍することを
夢見る少女。


ところが、ある日突然、
両親を交通事故で失ってしまい、
これからは、
幼い弟のチャーリー(ガブリエル・ベイトマン)は
自分が守らねば、との強い思いから、
夢を封印する。


数年後。
小学生になったチャーリーは、マーラの反対を押し切り、
深夜、プレイモービルが展示されている美術館に、
内緒で出かけてしまった。


チャーリーを追いかけて美術館に行ったマーラは、
チャーリーと口論になるが、
なんという事か、
二人は、プレイモービルの世界に吸い込まれてしまい・・・。





試写会で観た。


今回の試写会で、
私の「してみたい事リスト」に載っている一つ、
「ドライブ・イン・シアターで映画を観る」を
叶える事ができました。

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去年からの新コロ騒動で、
一時は映画業界もどうなる事かと、
心配していたのですが、
もしも、映画館に行くことが感染リスクを高めるとするなら、
「そうだ、最近はあまり聞かないけど、
 ドライブ・イン・シアターで映画を観たらどうなんだろう」と
感染増加の初期の頃、思っていました。


(その後、映画館は、
会話はしないし、
皆が同じ方向を向いて座っているだけだし、
換気もいい、という理由から、
感染リスクは低いと分かったのですが)


今回、試写会が行われたのは、
武蔵村山市の「イオンモールむさし村山」の、
臨時駐車場。


誰かを誘って、
万が一、どちらかが感染していたら大変ですので、
一人で出発。
武蔵村山市に行ったことはなく、
ナビで検索したら、
かなり渋滞しているらしく、
思っていたよりずっと、時間がかかりそうなので、
行きは有料道路で。
首都高・初台から入って、八王子で下りました。


なんとか上映30分前に到着し、
スタッフさんに誘導されて、
指定された位置に車を停めます。


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ドライブ・イン・シアターの良さは、
・好きなものを食べながら観られる
・お喋りしながら観られる
・映画館の椅子より、体の自由がきく

といった感じです。


寒さ対策のため、
熱湯を詰めた湯たんぽ2個(厚手のバスタオルでぐるぐる巻きです)を
助手席の足元に置いて、
靴を脱いでそれに足を乗せて、
体にタオルケットをかけて観ていました。


そんな原始的な方法でなく、
もしかしたら、最近はもっといいものがあるのかもですが、
わざわざ買うのも勿体ないし、
持っている物をフル活用です(笑)。


もしかしたら、真夏の暑さ対策の方が大変かも。
その時は、エンジンかけっぱなしで、
エアコンでしょうか。
それとも、それも、
私の知らない文明の利器があるのかもしれませんね(笑)。


音声は、指定されたFMのチャンネルで聞きます。
車のラジオを使ってもいいのですが、
小型ラジオを持っていき、
それで聞いていました。


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※運転席から見ると、こんな感じです。


映画は、両親を亡くした姉弟が、
プレイモービルの世界で冒険するという物語で、
最初と最後だけ実写で、
あとはアニメです。


捕らわれた弟を助けたいという、
姉の愛情と責任感が伝わってくる、
良質な内容でした。
夜の美術館に行くという設定が、
ちょっと「ナイトミュージアム」みたいで楽しめます。


帰る頃には渋滞もおさまり、
一般道で帰ってきました。
久しぶりに車で遠出できたのも、
楽しかったです。


評価 ★★★☆☆

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「馬喰一代」 [映画]

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〔1951年/日本〕


昭和5年。
北海道・北見高原に、
「北海の虎」と呼ばれる、馬喰・片山米太郎(三船敏郎)がいた。
米太郎は、馬を売った金を、
その日のうちに、博打で使い果たしてしまい、
乳飲み子の大平のミルクも買えない有り様だったが、
それでも、彼は彼なりに家族を愛していた。


そんなある日、体が弱かった女房が危篤になり、
「賭博と喧嘩だけはやめて」と言い残して死ぬ。
その言葉を胸に、
米太郎は男手一つで大平を育ててゆく。


そんな米太郎を見守るのが、
小料理屋の酌婦・ゆき(京マチ子)。
彼女は、米太郎に惚れていたが、
そんな事はおくびにも出さず、
彼を励まし続けるのだった。


小学六年生になった大平は成績優秀で、
札幌の中学に行きたいと考えるようになる。
しかし、大平を馬喰にするつもりの米太郎は、
進学に猛反対し・・・。





いい話だ。
全てのエピソードがいい。


登場した時、
博打と喧嘩が大好きだった馬喰・米太郎が、
妻の死によって、
生涯、それらをしないと誓い、守る。
その強い意志に感心する。


この映画には、
二回、大きな勝負のシーンがある。


まず一つは、
幼い息子・大平に三輪車をねだられながらも、
金がなく、
買ってやれない米太郎が、
近所の相撲大会の商品が三輪車だと知り、
出場する場面。


もう一つは、
中学に進学したい大平のために、
何とか学費を捻出するべく、
愛馬フシミを、
競馬に出場させるシーン。


フシミは、レースの直前に病気になり、
出場が危ぶまれていたのが、
なんとか回復する。


相撲も、競馬も、
あぁ、もう駄目か、
もはやこれまで・・・と思わせておいて、勝つ。
そのハラハラドキドキな演出が、
いかにも映画的な醍醐味で面白い。


それから、忘れちゃいけない、京マチ子さん演じるゆき。


ゆきはもう、それはそれは米太郎に惚れている。
けれど、鈍い米太郎は、
そんな事はつゆ知らず、
「嫁を探している。
 大平の勉強を見てやれる女がいいんだが」
などと言う。


なんて残酷な。
ゆきは、昔ながらの女で文字が読めない。
その時の京さんの表情が素晴らしい。
悲しくて、もどかしくて、
あー、米太郎の馬鹿ー!って感じ。


ゆきは、大平の学費のために、
高利貸しの六太郎(志村喬)の妾になる決心までするのだ。
素晴らしいまでの献身。
その六太郎も、
最初は嫌な奴だったけど、
意外といい人間で。
面白い映画だった。


評価 ★★★★☆





この作品で、
京マチ子さんの出演映画、100本中83本を観た事となりました。


(★は観た作品)


★化粧 (1984)
★男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)
 妖婆 (1976)
★金環蝕 (1975)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★華麗なる一族 (1974)
★玄海遊侠伝 破れかぶれ (1970)
★千羽鶴 (1969)
★小さい逃亡者 (1966)
★沈丁花 (1966)
★他人の顔 (1966)
★甘い汗 (1964)
★現代インチキ物語 ど狸 (1964)
★女系家族 (1963)
★女の一生 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★黒蜥蜴 (1962)
★釈迦 (1961)
 小太刀を使う女 (1961)
★女の勲章 (1961)
★濡れ髪牡丹 (1961)
★婚期 (1961)
★お傳地獄 (1960)
★顔 (1960)
★足にさわった女 (1960)
★三人の顔役 (1960)
★ぼんち (1960)
★流転の王妃 (1960)
★女経 (1960)
★浮草 (1959)
★鍵 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★夜の闘魚 (1959)
★女と海賊 (1959)
★細雪 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
★赤線の灯は消えず (1958)
★大阪の女 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★母 (1958)
★悲しみは女だけに (1958)
★有楽町で逢いましょう (1958)
★穴 (1957)
★夜の蝶 (1957)
★地獄花 (1957)
★女の肌 (1957)
★踊子 (1957)
★いとはん物語 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
★八月十五夜の茶屋 (1956)
★月形半平太 (1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新・平家物語 義仲をめぐる三人の女 (1956)
 新女性問答(1955)
★藤十郎の恋 (1955)
★楊貴妃 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
 春の渦巻 (1954)
 馬賊芸者 (1954)
★千姫 (1954)
★浅草の夜 (1954)
★春琴物語 (1954)
★愛染かつら (1954)
★或る女 (1954)
★地獄門 (1953)
★あに・いもうと (1953)
 黒豹 (1953)
★雨月物語 (1953)
★彼女の特ダネ (1952)
★大佛開眼 (1952)
★美女と盗賊 (1952)
★瀧の白糸 (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
★浅草紅団 (1952)
★踊る京マチ子 歌う乙羽信子 (1952)
 恋の阿蘭蛇坂(1951)
 情炎の波止場(1951)
★馬喰一代 (1951)
★源氏物語 (1951)
 牝犬 (1951)
★自由学校 (1951)
★偽れる盛装 (1951)
 美貌の海(1950)
 復活(1950)
★火の鳥(1950)
★羅生門 (1950)
★浅草の肌 (1950)
 遙かなり母の国 (1950)
★続蛇姫道中 (1950)
★蛇姫道中 (1949)
 最後に笑う男(1949)
★痴人の愛 (1949)
 三つの真珠 (1949)
★地下街の弾痕 (1949)
★花くらべ狸御殿 (1949)
 天狗倒し(1944)
 団十郎三代 (1944)

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「約束」 [映画]

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〔1972年/日本〕


中原朗(萩原健一)は、
日本海に沿って北上する列車の中で、
松宮螢子(岸惠子)と出会った。


螢子に強く惹かれた朗は、
彼女につきまとい、
螢子の母親の墓参りを一緒にしたりする。


螢子には、
なぜか中年女性・島本房江(南美江)が、
まるで見張りのように、
くっついている。
螢子は、「自分には自由がない」と言う。


螢子と房江が、
帰りの列車に乗ろうとすると、
朗が駆け込んでくる。
螢子は、朗に、
自分の素性を打ち明ける・・・。





失礼を承知で書くけれど、
この映画の岸惠子さんは、
普段、私が思っているような美しさはない。


そして、岸さんのイメージでもある、
おフランスの匂いもしない。


化粧っけもなく、
髪もロクにセットされておらず、
華麗さもない、
地味な岸さん。


でも、それも当然。
彼女には事情があるのだ。
その事情をここに書くのは簡単だけど、
でも、映画を観ていて、
「あ、そうだったんだ・・・」と驚いた自分の気持ちを
これから観られるかたにも
感じてほしいので、
書かない。


そんな、いつものイメージを捨てて、
この役に臨んだ岸さんは、
やっぱり凄いな。


そんな岸さんと、
たまたま電車のボックスシートで一緒になり、
ずっとつきまとうショーケン。


彼の役は、いつものイメージのまま(笑)。
チンピラ風情で、
女に弱くて。


たった2日間の出来事だったけど、
互いに強いシンパシーを抱いた2人は、
儚い約束を交わす。
「2年後の今日、あの公園で会おう」、と。


あぁ、私ったら、弱いんだな、
そういうシチュエーションに。
「〇年後の今日、どこそこで会おう」と言って、
別れた2人が、
現実に本当に会えたことって、あるのかしら。


一つ、思った事。
いい女ってのは、
たとえ化粧っけがなくとも、
どこへ行っても、
男を捕まえて帰ってくるのね(笑)。
感心しちゃう(笑)。


評価 ★★★★☆

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「秘密への招待状」 [映画]

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〔2020年/アメリカ〕


インドで孤児院を運営するイザベル(ミシェル・ウィリアムズ)は、
多額の寄付を検討しているという
女性実業家・テレサ(ジュリアン・ムーア)から
「直接会ってから話を詰めたい」と言われ、
久し振りに、ニューヨークに赴く。


インドでの仕事が多忙なイザベルは、
早く帰りたかったが、
テレサから、
「短時間に色々決めるのは難しい。
 明日の娘の結婚式に出席してくれないか」と
半ば強引に決められる。


仕方なく、式場に行ったイザベルは、
テレサの夫を見て、驚愕する。
それは、かつて愛し合い、
子供までなした男・オスカーではないか。


イザベルとオスカーは、
20年前、
生まれた娘を育てる自信がなく、
養子に出していたのだ・・・。





この映画の予告を観たとき、
ものすごくサスペンスな作りな感じがして、
これは、
ジュリアン・ムーアが大変な悪女で、
ミシェル・ウィリアムズをアメリカに呼び寄せて、
何かとんでもない悪事を企んでいるに違いない、
と思い、ワクワクしながら映画に臨んだ。


そういう意味ではちょっと肩透かし。
ミシェルをアメリカに、
わざわざ呼んだ理由は、それ?
もちろん、その理由も、
本来なら重大な事なんだけど、
予告のイメージと違っていたことに、
うーん、と。


そもそも、
自分の子供を育てる自信もなかったイザベルが、
インドで、
孤児院を運営してるって、
そのパワーはいつ得たのか。
だって、並大抵の精神力じゃないと、
そんな事、できないんじゃないかしら。
それから、資金はどうしたんだろう。


この映画は、
デンマークの「アフター・ウェディング」という作品を
リメイクしたものだそうで、
メインの3人の性別が
逆なのだそうだ。


うん、その方がまだ理解できる。
恋人の妊娠を知らないまま別れた男が、
娘と会う、というのと、
娘を産んだけど、育てられないからという理由で、
捨てた女が、
娘と再会する、
というのでは、
全然ニュアンスが違う気がする。


母は死んだと聞かされていた娘は、
それはショックだろう。
でも、その後、
娘とイザベルが、
仲良さそうになっていたのが救い。


もしかしたら、
娘が怒って、
実母とは一生会いたくないと
言い出す可能性だって、
ゼロではなかったわけで。


評価 ★★★☆☆

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「女は夜霧に濡れている」 [映画]

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〔1962年/日本〕


本条三奈子(叶順子)は、
建設会社の社長・舟木(安部徹)の囲われ者として
何不自由なく暮らしていたが、
舟木を待つだけの生活が退屈でたまらなくなっていた。


そんな中、
デパートのアルバイト配達員・波川透(藤巻潤)と
会話をした三奈子は、
透の純粋で真面目な生き方を、好ましく感じる。


ある日、舟木と、箱根のホテル建設予定地に行った三奈子は、
建築家の橋本順二(田宮二郎)を紹介されて驚く。
橋本こそ、2年前に自分を捨てた男であり、
それが舟木の愛人になるきっかけにもなったのだ。


透と頻繁に会うようになった三奈子は、
互いに愛し合うようになり、
ついに彼女は、舟木と別れ、
透と付き合うようになる。


透は、念願だったアメリカ留学の候補に内定し、
大喜びするが、
決定権を持つ橋本が、
別の学生を推薦するという話を聞いた三奈子は・・・。





私が現実の生活の中でも、
架空の物語でも、
とても強い喜びを感じるのは、
学生が、
希望する学校に合格する事と、
希望する仕事に就けた事。


知人の学生や、
知人の子供さんの進学や就職の話を聞くと、
心の底から嬉しいと思うし、
映画でそういった場面があると、
ニコニコしながら観てしまう。


だから、この映画の中で、
藤巻潤が、
将来の仕事に大変に役に立つ留学に内定したことは、
とっても嬉しかったし、
でも、田宮二郎の嫌がらせで、
それが駄目になりそうになった時、
叶順子さんが、必死になって
田宮二郎に取り入った気持ちも、
本当によく分かった。


この映画の田宮さん、卑劣な男だ。
一度は捨てた叶順子さんを
再び自分のものにしたいからと、
叶さんの恋人の未来を潰そうとするとは、
最低すぎる。


最初の展開だと、
私はてっきり、安部徹が叶さんを手離そうとしなくて、
困り果てる話なのかと思ってた。


でも、安部さんは、
別れを切り出した叶さんを、
案外簡単に許したので、ホッとする。
捨て台詞に、
「手切れ金は払わんぞ」だと。


結構結構。
それで別れてくれるなら、
むしろ、そんなものは、いらん(笑)。


叶順子さんは、
こういったドロドロした話でも、
そこまで重たくならず、
サラッと見せる不思議な魅力がある。


評価 ★★★☆☆

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