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「女は夜霧に濡れている」 [映画]

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〔1962年/日本〕


本条三奈子(叶順子)は、
建設会社の社長・舟木(安部徹)の囲われ者として
何不自由なく暮らしていたが、
舟木を待つだけの生活が退屈でたまらなくなっていた。


そんな中、
デパートのアルバイト配達員・波川透(藤巻潤)と
会話をした三奈子は、
透の純粋で真面目な生き方を、好ましく感じる。


ある日、舟木と、箱根のホテル建設予定地に行った三奈子は、
建築家の橋本順二(田宮二郎)を紹介されて驚く。
橋本こそ、2年前に自分を捨てた男であり、
それが舟木の愛人になるきっかけにもなったのだ。


透と頻繁に会うようになった三奈子は、
互いに愛し合うようになり、
ついに彼女は、舟木と別れ、
透と付き合うようになる。


透は、念願だったアメリカ留学の候補に内定し、
大喜びするが、
決定権を持つ橋本が、
別の学生を推薦するという話を聞いた三奈子は・・・。





私が現実の生活の中でも、
架空の物語でも、
とても強い喜びを感じるのは、
学生が、
希望する学校に合格する事と、
希望する仕事に就けた事。


知人の学生や、
知人の子供さんの進学や就職の話を聞くと、
心の底から嬉しいと思うし、
映画でそういった場面があると、
ニコニコしながら観てしまう。


だから、この映画の中で、
藤巻潤が、
将来の仕事に大変に役に立つ留学に内定したことは、
とっても嬉しかったし、
でも、田宮二郎の嫌がらせで、
それが駄目になりそうになった時、
叶順子さんが、必死になって
田宮二郎に取り入った気持ちも、
本当によく分かった。


この映画の田宮さん、卑劣な男だ。
一度は捨てた叶順子さんを
再び自分のものにしたいからと、
叶さんの恋人の未来を潰そうとするとは、
最低すぎる。


最初の展開だと、
私はてっきり、安部徹が叶さんを手離そうとしなくて、
困り果てる話なのかと思ってた。


でも、安部さんは、
別れを切り出した叶さんを、
案外簡単に許したので、ホッとする。
捨て台詞に、
「手切れ金は払わんぞ」だと。


結構結構。
それで別れてくれるなら、
むしろ、そんなものは、いらん(笑)。


叶順子さんは、
こういったドロドロした話でも、
そこまで重たくならず、
サラッと見せる不思議な魅力がある。


評価 ★★★☆☆

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