◆ゴッドファーザー 〈上〉〈下〉◆ [本]
先日、
映画「ゴッドファーザー」を、
シリーズ1~3まで、
一気に観たと書いたけれど、
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-03-08
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-03-09
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-03-10
その内容の、あまりの素晴らしさに、
原作を読んでみた。
面白かった。
理解の難しい場面は、
何度も戻って、
分かるまで読んだ。
原作と映画、どちらがいい、という事ではなく、
映画には映画の良さが、
そして、原作は、
映画では描き切れなかった場面や、
心理描写などが深く掘り下げられている。
マーロン・ブランド演じる、
マフィアのドン、
ヴィトー・コルレオーネは、
映画で観る以上に、
人間的な魅力に溢れている。
ドンは、
確かに、時に、
人を殺すことを躊躇しない人間だけれど、
常に人から信頼され、
ドンなりの正義を持って生きている。
売春と麻薬を嫌い、
そこに、ビジネスの道を見出そうとしない姿勢も、
ドンらしく、
そのストイックさがカッコいい。
売春をビジネスにしなかったという事からも
分かるけれど、
ドンは妻をとても大事にしている。
ニューヨークの5大ファミリーの頂点に立ったからと、
古女房を捨てて、
トロフィーワイフに走るような男とは、
はなから人間性が違うのだ。
この、ドンの妻、
ママ・コルレオーネ(と、みんなから呼ばれている。可愛い♪)は、
ドンがまだ、普通の青年だったころに結婚した、
マフィアのドンの妻然としていない女性で、
三男マイケルの恋人・ケイと久し振りに再会したシーンなど、
気のいいイタリアのおばちゃんといった風情で、
心温まる。
そういえば、マイケルが、
一時、身を隠していた、
シチリア島での出来事が、
私には、ちょっとショックだったけれど、
それも、本を読んで納得。
映画だと、あの出来事は、
なんだか唐突に感じるけれど、
原作では、もう少し時間をかけて描かれているし、
マイケルのケイへの思いも、理解できる。
私が、ドンの描写で、
とっても好きで、可愛い♪と思ったのが、
「ドンは、温室で栽培される、
季節外れの大きな黄色い桃やオレンジが大好きだった。」
という部分。
泣く子も黙るマフィアのドンが、
フルーツが大好きで、
しかも、それを、
家族や舎弟に買いに行かせるのでなく、
自ら果物店に寄る事を習慣としていたという、
そのミスマッチな感じが、何とも愛おしい。
店の主人は、ドンがお得意様な事を
さぞ誇りに思っていた事だろう。
といっても、
その習慣が仇となり、
ドンは店の前で襲撃されるわけだけど・・・。
こんな本なのだから、
もっとマフィア同士の抗争などの場面に注目すればいいのに、
つい、
家族や日常の、チマチマした場面に関心が行ってしまう、
私は小さい人間だ(笑)。
今度は、この原作を念頭に、
また映画を観直すつもり。