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「ビバリウム」 [映画]

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〔2019年/アイルランド・デンマーク・ベルギー〕


庭師のトム(ジェシー・アイゼンバーグ)と、
小学校教師のジェマ(イモージェン・プーツ)の
カップルは、
2人で暮らせる戸建てを探していた。


街の不動産屋を訪ねた2人は、
店主のマーティンから、
最近開発された住宅地「ヨンダー」の
物件を勧められる。


案内された「ヨンダー」には、
全く同じ形の家が何千軒も建ち並び、
その中の「9」の内覧をしていると、
いつの間にか、マーティンは帰ってしまったようだ。


2人もとっとと帰ろうと、
車に乗り込むが、
どこをどう回っても、
「9」の家の前に戻ってしまう。
翌日から、あらゆる手段を使って、
脱出を試みるも、全て失敗。


怒ったトムは、
「9」に火を放つが、翌日には元通り。
そして、家の前に段ボールが置かれ、
中を見ると、
生まれたばかりの赤ちゃんが・・・。





ものすごい閉塞感。
落ち込んでいる方、
今、人生が八方塞の方、
袋小路に入り込んで悩んでいる方などは、
観ない方がいいかも(笑)。


なにせ、主人公のトムとジェマが連れていかれた
住宅地「ヨンダー」を見ただけで、
ゾッとするような思いがする。


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寸分違わぬ家が建ち並ぶ様子が、
あれほど不気味とは。
散歩をしていると、
建売された家が並んでいるのを見る事があるけど、
家同士の外観が、
似て見えても、
少しずつ作りを変えてあるのは、
そういった人間の心理を考えての事なのね、と納得する。


さらに、この「ヨンダー」、
あれだけ広大な住宅街だというのに、
人っ子一人いない。
通りを歩く人もいなければ、
走る車もない。
とにかく、この世から隔絶された場所、
そう表現する以外にない。


そんな場所で暮らすしかなくなった、
トムとジェマだけど、
せめて、
本とか、テレビとか、ラジオとか、CDとか、PCとか、
そういった類いのものでもあれば、
少しは気が紛れるだろうなぁと思いながら観るけど、
それも無し。
いや、テレビはあるにはあるけど・・・。


さらに、段ボールに入っていた赤ちゃんは、
90日ほどで、
7~8歳(?)になるのだけれど、
この子がまた不気味で(笑)。


これを書くにあたって映画サイトを見てみたら、
この映画、
ベルギー・デンマーク・アイルランドの
作品なのだと知った。
いかにもなアメリカ人・ジェシー・アイゼンバーグが主演だし、
英語だったから、
てっきりアメリカの映画だと思い込んでいたけど、
ちょっと納得。
よく観るアメリカやイギリスの映画とは、
どこか違う(ような気がするだけか?(笑))。


好き嫌いが分かれると思うけど、
私は好き。


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評価 ★★★★☆

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