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◆ゴッドファーザー 〈上〉〈下〉◆ [本]


ゴッドファーザー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

ゴッドファーザー〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/11/01
  • メディア: 文庫



ゴッドファーザー〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

ゴッドファーザー〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/11/01
  • メディア: 文庫


先日、
映画「ゴッドファーザー」を、
シリーズ1~3まで、
一気に観たと書いたけれど、

https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-03-08
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-03-09
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-03-10

その内容の、あまりの素晴らしさに、
原作を読んでみた。


面白かった。
理解の難しい場面は、
何度も戻って、
分かるまで読んだ。


原作と映画、どちらがいい、という事ではなく、
映画には映画の良さが、
そして、原作は、
映画では描き切れなかった場面や、
心理描写などが深く掘り下げられている。


マーロン・ブランド演じる、
マフィアのドン、
ヴィトー・コルレオーネは、
映画で観る以上に、
人間的な魅力に溢れている。


ドンは、
確かに、時に、
人を殺すことを躊躇しない人間だけれど、
常に人から信頼され、
ドンなりの正義を持って生きている。


売春と麻薬を嫌い、
そこに、ビジネスの道を見出そうとしない姿勢も、
ドンらしく、
そのストイックさがカッコいい。


売春をビジネスにしなかったという事からも
分かるけれど、
ドンは妻をとても大事にしている。
ニューヨークの5大ファミリーの頂点に立ったからと、
古女房を捨てて、
トロフィーワイフに走るような男とは、
はなから人間性が違うのだ。


この、ドンの妻、
ママ・コルレオーネ(と、みんなから呼ばれている。可愛い♪)は、
ドンがまだ、普通の青年だったころに結婚した、
マフィアのドンの妻然としていない女性で、
三男マイケルの恋人・ケイと久し振りに再会したシーンなど、
気のいいイタリアのおばちゃんといった風情で、
心温まる。


そういえば、マイケルが、
一時、身を隠していた、
シチリア島での出来事が、
私には、ちょっとショックだったけれど、
それも、本を読んで納得。


映画だと、あの出来事は、
なんだか唐突に感じるけれど、
原作では、もう少し時間をかけて描かれているし、
マイケルのケイへの思いも、理解できる。


私が、ドンの描写で、
とっても好きで、可愛い♪と思ったのが、
「ドンは、温室で栽培される、
 季節外れの大きな黄色い桃やオレンジが大好きだった。」
という部分。


泣く子も黙るマフィアのドンが、
フルーツが大好きで、
しかも、それを、
家族や舎弟に買いに行かせるのでなく、
自ら果物店に寄る事を習慣としていたという、
そのミスマッチな感じが、何とも愛おしい。
店の主人は、ドンがお得意様な事を
さぞ誇りに思っていた事だろう。


といっても、
その習慣が仇となり、
ドンは店の前で襲撃されるわけだけど・・・。


こんな本なのだから、
もっとマフィア同士の抗争などの場面に注目すればいいのに、
つい、
家族や日常の、チマチマした場面に関心が行ってしまう、
私は小さい人間だ(笑)。


今度は、この原作を念頭に、
また映画を観直すつもり。

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コメント 20

甘党大王

イイですね~~~( *´艸`)♡
そういう楽しみ方、好きです。
同じ作品を色々な方角から想像を巡らせて・・・。
ステキな作品ならなおさら奥深い背景があるはず。
何度でも見たり、読んだり・・・
特に今は(^^;)そういう時間には恵まれていますからね。
コロナ禍。。。
by 甘党大王 (2021-04-22 15:09) 

tommy88

青山さんは鑑ですね、素敵です。
見て読んで、また見る。
えらい、鑑です。
私の場合、東野圭吾で、見てガッカリ。
そして読み直して、もう見ない。

by tommy88 (2021-04-22 20:06) 

ぼの

僕もコルレオーネファミリーの物語は好きで、何度も観直しています。

「ドンは、温室で栽培される、
 季節外れの大きな黄色い桃やオレンジが大好きだった。」のところ、
映画でもその描写のシーンはほっこりしますよね。
孫にオレンジの皮を口に入れて孫を驚かせるシーン…。好きです。
しかしそのあと、ドンは倒れてしまうんですよね。
by ぼの (2021-04-23 00:02) 

kousaku

映画を見て原作を読むとは余程感銘したようですね、私も観ましたがただボケ~~と観ておりました。
by kousaku (2021-04-23 07:14) 

beny

 マリオプーゾオの本を初めて見た時、出だしから引き込まれ一気に読んでしまいました。映画化された時は、映画館へかけつけ観ました。それぞれⅠ~Ⅲまで。クールで残虐なシーンでもエンリオモリコーネの美しい旋律が引き立ちました。コルレオーネファミリーの愛、若き頃のドンコルレオーネ、近代化されたマフィアなど。昔から大好きなマーロンブランド(当初はジャックニコルソンが候補の一人だったらしい)、デニーロ、パチーノ、Jカーン、ロバートデュバルらにゴージャスな脇役たち。とくにパートⅠの1960年代のアメリカンテイストは心躍ります。この映画は私にとってベスト1です。すべて録画してありまして年末になるとまた見たくなります。
by beny (2021-04-23 09:25) 

旅爺さん

ゴッドファーザーは大人気映画で多くの人を魅了しましたね。
確かに本を読んでから、あるいは映画を見てから原作を読むのは
内容を詳しく知ることが出来ますね。
by 旅爺さん (2021-04-23 10:18) 

英ちゃん

RSSに関して
読者になるボタンがバグってるのかもね?
明日のブログにRSSに関する記事を書いたので読んでみて下さい。
by 英ちゃん (2021-04-23 14:11) 

向日葵

良いですねぇぇ。。
原作も改めて読んでみたいです。
映画もまた機会があったら観てみたいなぁぁ。。
by 向日葵 (2021-04-23 16:22) 

beny

すみません。作曲は太陽がいっぱいと同じニーノロータでした。
by beny (2021-04-23 21:03) 

青山実花

甘党大王さん
コメントありがとうございます。

観てから読むか、
読んでから観るか、
それは決められることではなく、
たまたまな事が多いのですが、
一つの作品を色々な角度から見るのは楽しいですよね^^

新コロ騒動の今、
新しい映画は中々観られないし、
古い映画を楽しむチャンスかもしれませんね^^

by 青山実花 (2021-05-08 19:25) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

東野圭吾さんの小説は、
とても面白いので、
映像化するのは
難しいのかもしれませんね。

by 青山実花 (2021-05-08 19:25) 

青山実花

ぼのさん
コメントありがとうございます。

ゴッドファーザー、お好きでしたか^^

マフィアのドンがフルーツが好き、
というギャップにも惹かれますね。

あのシーン・・・
多くの方が羨む最期ではないかと思います。

by 青山実花 (2021-05-08 19:25) 

青山実花

kousakuさん
コメントありがとうございます。

理由は分かりませんが、
ゴッドファーザーの世界に入り込んでしましました^^


by 青山実花 (2021-05-08 19:25) 

青山実花

benyさん
コメントありがとうございます。

映画より先に原作を読まれているなんて
凄いです。
映画の公開が楽しみだったでしょうね。

俳優さん、音楽、どれをとっても最高ですね^^

by 青山実花 (2021-05-08 19:26) 

青山実花

旅爺さんさん
コメントありがとうございます。

映画と本、
どちらも鑑賞する事で、
理解がより深まりますね^^

by 青山実花 (2021-05-08 19:26) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

お返事が遅くなり申し訳ありません。
RSS、紆余曲折あったようですが、
元に戻って良かったですね^^



by 青山実花 (2021-05-08 19:26) 

青山実花

向日葵さん
コメントありがとうございます。

本、映画、
どちらも素晴らしいですね。
どうぞ、
もう一度、鑑賞なさってくださいね。

by 青山実花 (2021-05-08 19:26) 

青山実花

benyさん
コメントありがとうございます。

ニーノ・ロータやジョン・ウィリアムズなど、
映画音楽の巨匠は天才ですね。


by 青山実花 (2021-05-08 19:27) 

裏・市長

見てから読むか、読んでから見るか・・・。

卵が先か、ニワトリが先かと同じく、
人類にとって永遠の課題かと思われます。

ただ、相乗効果というのがあって、
どちらも素晴らしい出来でないと、
片方だけが名作でも困るのです。

その上で、映像と書籍とで、少し差異があると、
とてもよろしい。原作通りに一言一句違わず、
物語が進む…ほど退屈なことはない。

え、こう来たか!。
え、映画ではこんなアレンジを加えてたか!。
こういった発見がまた楽しい。
これでこそ貴重な時間を使ってまで、
両方に挑んだかいがあるというもの。

蛇足ながら、今まで私が見た、読んだ中で、
一番「なんじゃこりゃ!!」となったのが、
松本零士先生の「惑星ロボ ダンガードA」ですね。

コレもロボットアニメのブームの渦中にありながら、
主役ロボットを第12話まで出さない!といった
暴挙に出たアニメなんです。

さらにスゴイのは、松本零士先生が、
この作品にロボットは出したくないと言い出し、
まったく出さない。

焦ったのは東映。
困ります、先生~、ロボット出してくれないと、
おもちゃが売れません~、契約違反です~。

「わかった、わかった、必ず出します」。
松本先生は約束を守りました。

最終回の最後の1コマに出しました(完)。
by 裏・市長 (2021-05-14 01:33) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

読んでから見るか、
見てから読むか・・・、

もう、いっそのこと、
どちらもしない、というのはいかがでしょう。

いつも思うんですよ。
あ、あの映画観なくちゃ、
まだ観てない。
みんな、ブログに感想を書いている。
観てないの私だけじゃん、って。

本も同じです。

でも、最初から、
観ることも、読むことも放棄していたら、
焦る事はありません。

日々をゆったり。と過ごし、
誰とも比べない。
そんなに幸せな事はありません。

「惑星ロボ ダンガードA」にしてもそうです。

このアニメが、国民的と言われて、
早62年が経ちました。

日本人のほぼ全員が、
見ているとも言われています。

でも、私は見ていないんです。
私は、毎日、職場のみんなが、
「惑星ロボ ダンガードA」の話題をしているのに、
一人だけ参加できないんです。
辛いんです。

でも明日から開き直ります。
そんなもん、
知らなくたって生きていけると。

by 青山実花 (2022-09-06 20:46) 

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