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「じゃりン子チエ」 [映画]

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〔1981年/日本〕


大阪で暮らす、小学5年生の少女・チエ(声・中山千夏)は、
父親・テツ(声・西川のりお)がどーしようもない男なので、
子供ながら、たった一人で、
ホルモン焼き屋を切り盛りしている。


テツは、
博打と喧嘩に明け暮れる毎日で、
生活は、チエのホルモン焼き屋の
売り上げに頼っている。


チエの母・ヨシエは、
テツに「出て行け!」と言われたことを真に受け、
現在は、別居中。
しかし、テツに内緒で、
チエと時々会っている。
チエはヨシエが大好きだ。


ある日、テツと敵対している、
ヤクザの親分の飼い猫・アントニオが、
チエの飼い猫・小鉄と喧嘩し、
数日後、アントニオが死んでしまう・・・。





漫画、「じゃりン子チエ」は、
コミックスを全巻持っているくらい好きだけど、
映画も、テレビアニメも観たことがなかった。
今回、劇場にかかったので、
やっと観る事ができて、嬉しい。


にしても、
考えてみると、この漫画、
絶妙なバランスの上に成り立っている話なんだなぁと、
つくづく思う。


というのも、チエを取り巻く人々は、
本当に、真っ当な人ばかり。
たった一人、
父親のテツだけが、
いつも平和をぶち壊してくれる。


チエの母のヨシエは、
よくテツのような男と結婚したな、と思うような、
優しく、美しく、
最高の母親だし、


テツの両親は、
どーしようもない息子に
厳しくあたる。
いつもチエの心配をしてくれて、
実の息子より、
嫁のヨシエのほうが、よほど仲が良い。


他にも、学校の先生にしろ、
近所の人にしろ、みんないい人ばかりだ。


つまり、真っ当な人が1,000人束になっても、
テツが一人いるおかげで、
全てがおかしな事になってしまうという(笑)。


私から見ると、
テツはヤクザそのものなのだが、
テツ自身は、ヤクザが大嫌い、というのも、
よく分からない(笑)。
組に属していないだけ、な気がする。


そんなテツと、ヨシエの距離感が、
本当に微妙で、
これが夫婦なのか、と思うような感じが
可笑しい。
テツは、別居してるヨシエとたまに会うと、
照れるのか、あがってしまうのか、
必要以上に、冷たかったり、素っ気なくなる。
特に、漫画だと、
その辺の感じが絶妙。
テツはロクデナシだけど、
女性関係は綺麗なようだ。


この映画、
西川きよし、横山やすし、
島田紳助、松本竜介、
京唄子、鳳啓助、
オール巨人、オール阪神、
芦屋雁之助、桂三枝、
笑福亭仁鶴などなど、
関西の大物芸人さんたちが声優を務めていて、
大変に豪華。


久し振りに、
あの漫画特有の世界観を味わった。


評価 ★★★☆☆

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