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「屋根裏の女たち」 [映画]

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〔1956年/日本〕


ある港町で、
小さなうどん屋を営むおきん(望月優子)。
一人娘のおこう(川上康子)は、
もうすぐ高校を卒業する。


町では、ストリップの劇団がやって来ていたが、
客が不入りのため、
ストリッパーのはるみが、
おきんのうどん屋で働くようになる。


尻の軽いはるみが、
うどん屋の二階で客を取ったと知り、
おきんは怒るが、
結局、金のため、
女たちを集めて、
売春をさせるようになる。


一方、おこうは、
自動車運転手の川井(船越英二)に、
強引に貞操を奪われてしまうが、
それがきっかけで、
頻繁に逢引するようになる。


おきんは、
おこうを、いい家に嫁にやりたいと、
縁談に躍起になるが、
おこうは川井の子を妊娠してしまい・・・。





これは、酷い。
酷すぎる船越英二。


強引に女子高生のおこうの貞操を奪っておきながら、
おこうが妊娠したと分かると、
「売春宿の娘の子なんか、父親が誰だかなんて分かるものか」と、
おこうをポイ捨て。
そして、逃げてしまう。


悔しすぎる。
貞操を奪われたあと、
おこうは、船越に夢中になり、
何度も逢瀬を重ねるんだけど、


それだって、こんな古い時代の事、
女の貞操は、
大切な花嫁道具だったはずで、
それを奪った男を、
好きだとでも思わなければやっていけなかった、
当時の女の悲しさがあるのではないかと、想像する。


生活が苦しかったおこうの母・おきんは、
なんとか、おこうに人並み以上の生活を
させてやりたくて、
うどん屋が、
気が付くと、売春宿になってしまうんだけど、


やっぱり、
手っ取り早く金を稼ぐのは、
必ず無理が来る、という事なのかもしれない。


職業に貴賤はない、とはいえ、
売春宿を生業にしていると聞いて、
まるで何も感じない人間なんているんだろうか。
貧しくても、
うどん屋をしていた方が、
良かったような気がするなぁ。


「屋根裏の女たち」は、
誰一人幸せにならずに、映画は終わる。


評価 ★★★☆☆

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