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「幸福路のチー」 [映画]

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〔2017年/台湾〕


アメリカで暮らす、
台湾人のチーは、
祖母が亡くなったとの連絡を受け、
久し振りに故郷の「幸福路」に帰ってくる。


チーが幼い頃の幸福路は、
運河は汚れ、小さな家ばかりだったけれど、
今は、すっかり整備され、
そして、同級生たちは、
チーと会っても、すぐには思い出してくれない。


チーは、幼かった頃の自分の思い出を辿り始める。


小学校に入って、
すぐに友達になった、
ハーフの少女・チャン・ベティ。


親から医者になれと言われて、
言いなりになっていたけど、
自分の進むべき道は他にあると、
気付いた、あの時。


従兄を頼ってアメリカに渡り、
そこで知り合った夫の事などを・・・。





「東京アニメアワードフェスティバル2018」で
グランプリを受賞した、
台湾のアニメ。


日本と台湾。
国は違っても、
同じアジアだからなのか、
ノスタルジックな気持ちになる。


主人公・チーの幼い頃の場面は、
「ちびまる子ちゃん」を見ているのと、
そうは変わらない。


小学校に入って、
初めてできた友達。
自分をからかったり、
喧嘩をふっかけてくる男の子。
あぁ、子供のする事は、どこの国も同じだと、
とても懐かしいような気持ち。


この映画が、
子供の頃の思い出を振り返るだけで
終わっていたなら、
「ちびまる子ちゃん」と大差ない、と思うだけなんだろうけど、


その後がある。


チーの人生は、
決して順風満帆というわけではなく、
悩み、葛藤し、
迷いながら生きている。
幸せな時もあれば、苦しむ事もある。
まさしく、
「禍福はあざなえる縄の如し」だ。


日本にはない部分もあって、
面白い。


小学校に入る前は、
台湾語で話していた子供たちが、
「北京語以外禁止」と言われるところに、
台湾という国の微妙な立ち位置が垣間見られるし、


それから、決定的に違うのは、
「蒋介石」など、
実在の政治家の名前が、普通に出てくるところ。
「ちびまる子ちゃん」や「サザエさん」で、
それは有り得ない事だものね。


チーという女性の人生と、
自分の人生を考えながら、
日本のアニメと、台湾のアニメの、
共通点や相違点を考えながら観るのが楽しい。


評価 ★★★☆☆

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