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「モリーズ・ゲーム」 [映画]

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〔2017年/アメリカ〕

幼い頃から、
父親からモーグルの特訓を受けていた
モリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は
ソルトレイクシティオリンピックの
代表選考会で、大怪我をしてしまい、
選手生命を絶たれる。


ロスに行き、
クラブで働き始めたモリーは、
そこで知り合った不動産会社を営むのディーンから
ポーカーゲームのアシスタントを
頼まれる。


ポーカーはど素人のモリーだったが、
そのコツを掴み、
あっと言う間に、テクニックを磨いてゆく。


それを快く思わないディーンは、
モリーを解雇するが、
モリーは自らが、
ポーカーゲームの経営に乗り出し、
大成功する。


しかし、FBIに目を付けられた彼女は・・・。





試写会で観た。


モリー・ブルームといえば、
アメリカでは、知らない人がいないらしい。


凄いなぁ、
こういう人っているんだなぁ、
というのが、
最初の感想。


だって、彼女は、
大学は主席で卒業、
オリンピック級のスキーヤーでもあり、
ポーカーを覚えれば、
大変な凄腕、
経営者としても大成功って、
なにもかもがパーフェクトじゃないか。


それに、
おそらく人間としても、
大変に魅力的なのだろう。
そうでなければ、
彼女のサロンに、
それだけの人が集まるわけがない。


それにしても、
やっぱり、
「秘密クラブ」ってあるのね(笑)。


モリーの経営するポーカーサロンは、
賭け金最低でも1万ドル、
顧客はセレブばかり。
プリオや、ベン・アフレックや、トビー・マグワイアも
名を連ねていたらしい。


いいなぁ、
一度だけでいいから、
そのような場に行ってみたいけど、
モリーの招待状がなければ、
覗くこともできなかったそうだ。


そりゃあ当然か。
私みたいなミーハーが
そんな所で、
キャーキャー騒いだりしたら、
「秘密」でもなんでもない、
ただのゲームセンターになってしまう。


モリーは、
そんな派手な世界にいたけれど、
実際の彼女は、
真面目で堅実な人のように思える。


ポーカーのアシスタントになったのも、
最初は頼まれただけで、
特別野心があったわけでもないし。


つまり、最初からギラギラして、
狙っていかなくたって、
出来る人は、
何をしても出来るって事だわね。


評価 ★★★☆☆

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「ロンドン、人生はじめます」 [映画]

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〔2017年/イギリス〕


ロンドン郊外の高級マンションで暮らす
70代のエミリー(ダイアン・キートン)は、
1年前に夫を亡くしたばかり。


老後のお金の心配や、
老朽化したマンション、
面倒くさい近所づきあいなどで、
問題山積。


そんなある日、エミリーは、
双眼鏡の中に、
森で暮らす巨漢の男・ドナルド(ブレンダン・グリーソン)を見つける。


彼は、手作りの小屋で、
17年間もここで暮らしていたが、
不動産開発業者から、
立ち退きを迫られていた。


会話をするようになった2人は、
次第に接近し、
恋愛関係になるのだが・・・。





試写会で観た。


上映前に、
漫画「テルマエ・ロマエ」などの原作で知られる、
ヤマザキマリさんのトークショーがあった。

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とてもハキハキとされていて、
お話しも、とても面白い。
女性は、若さだけが全てではない。
年を重ねたからこそ、出てくる魅力もあると仰られ、
そうだそうだー、と肯いてしまう(笑)。


ヤマザキさんのお母さまは、
「何とかなる」が口癖だったそうで、
そんな教育のおかげか、
何事にも物怖じしない人生を送ってこられたとか。
臆病な私には、羨ましいお話でした。


映画は、様々なしがらみの中で生きているダイアン・キートンが、
全くしがらみのない、
同世代のブレンダン・グリーソンと出会い、
人生を振り返り、
最も居心地のいい場所を探す、という物語。


年齢を重ねれば、
できない事も増えてくるけど、
でも、できる範囲の事を精一杯、
そして、残り少ない人生、
上っ面な人間関係はできれば断ち切って、
自分がいかに快適に過ごせるか、だけを
考えて生きていくのが理想なんだなぁ、と思わされる。


ダイアン・キートンは、相変わらず素敵。
72歳かぁ。
私も年を重ねたら、
あんな風になりたいものだ。


この映画の邦題って、
3年前の映画、
「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」の
 ↓
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2016-02-18
ダイアン・キートン繋がりで、
日本の映画会社が付けたんだろうか。


「都市名」 + 「〇〇します」なら、
いつか、
ダイアン・キートン主演、
「トーキョー 下町散歩します」とかのタイトルで、
映画を作ってくれたら面白いのだけれど。


評価 ★★★☆☆

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「レッド・スパロー」 [映画]

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〔2018年/アメリカ〕


世界的バレリーナ・ドミニカ(ジェニファー・ローレンス)は、
舞台での事故が原因で、
再起不能となってしまう。


生きるため、
そして病気の母のために、
彼女はロシア政府の諜報員になる事を決意する。


スパイの養成所に送られたドミニカは、
そこで、
過酷な訓練を受ける。


優秀な成績を残した彼女は、
その能力を買われ、
ロシア情報庁の内部にいると思われる、
アメリカの二重スパイを探し出す任務に就くが・・・。





3月29日にオープンした、
東京ミッドタウン日比谷。

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ここの4階と地下にTOHOシネマズ日比谷が入るのは、
以前から話題になっており、
とても楽しみにしていたので、
先日、早速行ってみました。

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TOHOシネマズさんたら、
この間は、上野にオープンしたばかりなのに、
 ↓
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2017-11-10
今度は日比谷。
さらに2020年には池袋でもオープンする予定だとか。
めっちゃ頑張ってますね。


劇場の選択肢が増えるのはとても嬉しい。
一つ、欲を言うなら、
「午前十時の映画祭」のような企画で、
未ソフト化の映画(例えば、「泥棒貴族」のような)
を上映してくださったら、
さらに嬉しいのですが。
(※たった今、念のため調べましたら、
  「泥棒貴族」は今年の2月19日に、
  「復刻シネマライブラリー」という販売元さんから、
   DVDとブルーレイが発売されたようです。
   ぜひ観たいです)


で、この、「レッド・スパロー」。


なんだか最近、
私の中で、なぜか、
ジェニファー・ローレンス指数が高く、
本作、
「マザー!」、
「セリーナ」と、
立て続けに観ている。


そんなジェニファーが、
バレリーナから、いきなりスパイに転職するのも
面白いけど、
訓練を受ける学校というのが、
もっと面白い。


なんと、その学校で教わるのは、
色仕掛けで異性を騙して、
情報を得る、というもの。


いつも思うんだけど、
女がいくらハニートラップを仕掛けても、
男が乗ってこなかったら、
一体どうなるの?(笑)。
もし私がスパイになったら、
釣れない率100%じゃん。
勉強が無駄じゃん(笑)。


それから、拷問の場面多数で、
軽く目をつむってしまう。


一番強烈だったのは、
ピーラー型の医療器具で、
人間の皮をむくって拷問。


電動のこの器具は、
火傷をした患者さんなどに使うらしいんだけど、
正しい使い方をすれば、
素晴らしい医療器具なんでしょうけど、
麻酔もなしで、
拷問に使われたら・・・
想像するだけで怖ろしい。


まぁ、私は、
絶対スパイにはなれないってのが、
最大の感想(笑)。

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映画を観て外に出ると、もう日が暮れていました。
夜はまた、雰囲気も変わります。


評価 ★★★☆☆

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「アンロック 陰謀のコード」 [映画]

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〔2017年/イギリス〕


ロンドンで、ケースワーカーとして働く
アリス(ノオミ・ラパス)には、
CIAの尋問スペシャリストだった過去がある。


しかし、ある受刑者の尋問で、
「完落ち」に失敗したせいで、
テロを防ぐことができず、
それがトラウマとなり、
今は第一線を退いている。


そんなある日、
CIAはバイオテロの情報を入手。
容疑者の尋問に、
アリスが指名され、
今回は上手くいったと思われた。


しかし、それがCIAを装った捜査官の罠だったと
気付いたアリスは、
真実を突き止めるべく、戦いに挑む・・・。





試写会で観た。


え!?そうだったの?という場面が多く、
楽しめる。


ノオミ・ラパス演じるアリスは、
ベテランの尋問スペシャリストだけど、
あんな風な状況を作られたら、
騙されても仕方ないよなー、と思ったり。


彼女は相変わらず、
カッコいいわ。
窮地に陥った時の
アクションシーンには、
惚れ惚れしてしまう。


最初、コソ泥として登場したオーランド・ブルームに、
「まさか、スターの彼がコソ泥で終わるわけないよね」と
思っていたら、
やっぱり裏があった。
まぁ、当然よね(笑)。


それにしても、
バイオテロが、
映画の中の架空のお話だと思えないのが怖い。


あんなものを上空で散布されたら、
人間もそうだし、
ありとあらゆる生き物は
ひとたまりもないじゃないか。


そんなもの、使う使わない以前に、
研究する事すら、やめてほしいけど、
世界はどうして、
争いの方向へ進んでしまうんだろう。


評価 ★★★☆☆

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「君の名前で僕を呼んで」 [映画]

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〔2017年/イタリア〕


1983年。北イタリア。
17歳の少年・エリオ(ティモシー・シャラメ)は、
両親と共に、
毎年、ここの別荘で過ごすのが通例になっている。


今年は、アメリカから、
父の教え子で24歳の大学院生・オリヴァー(アーミー・ハマー)が
やって来て、
6週間エリオの隣の部屋に滞在をする予定だ。


やって来たオリヴァーは、
ハンサムで、
自信に溢れ、
そんな彼に、憧憬の念を抱いたエリオ。
2人は、
ふざけ合ったり、時に反目したりしながら、
夏の日々を過ごしてゆく。


そんなある日、
互いの気持ちを確認した2人は、
激しい恋に落ち・・・。





試写会で観た。


ずっと以前に、
ルキノ・ヴィスコンティ監督の大傑作、
「ベニスに死す」を観た時、


人が恋に落ちるのに、
その相手が異性であろうと同性であろうと、
そんな事は大した問題ではなく、
自然に湧き上がる感情を止める事はできないと、
強く思った記憶があるけれど、


この映画も、
その思いをさらに強くさせられる、
珠玉の物語。


誰かに恋して、
けれど、
相手の気持ちに確信が持てず、
その気持ちを打ち明けようか、
それとも永遠にしまっておこうかと迷い、


結局、打ち明けた時、
相手も同じ気持ちでいてくれていると分かった時の、
あのバラ色の幸福感。


男も女もない、
恋した事のある者だけが知っている、
無上の喜び。


そんな恋が、
イタリアの田舎町を舞台に、
繰り広げられ、
観ている者は、
その美しさに圧倒される。


それはもちろん、
演じている2人のルックスによるところも大きいのだろうけど。


ティモシー・シャラメも可愛いし、
アーミー・ハマーが素晴らしい。


初めて彼の存在を知ったのは、
「ソーシャル・ネットワーク」を観た時だったと、
はっきり覚えている。


アメリカの上流階級の双子の大学生役が
あまりにピッタリで、
顔やスタイルを超えた、
骨格そのものからしてパーフェクトなんじゃないかと、
そんな気持ちがしたものだ。


エリオの両親の、
息子への対応も凄いものがある。


父も母も、
2人が恋に落ちた事を知っても、
それを自然の事として受け止め、
決して、怒ったり、パニックになったりはしない。


息子が、本気で人を愛する気持ちを知った事に、
安心しているようにも見える。
羨ましいような親子の関係。


ラストは、
どう表現したらいいのか。
もう、じっとスクリーンを見つめるしかなかった。


評価 ★★★★☆

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