SSブログ

「特急にっぽん」 [映画]

tokkyunippon.jpg
〔1961年/日本〕


12時半きっちりに東京駅を出発した、
特急こだまは、夕方7時に新大阪に着く予定。


食堂車ガールのサヨ子(団令子)と、
食堂車のシェフ・喜一(フランキー堺)は恋仲だが、
サヨ子が、喜一と大阪で弁当屋を開く事を夢見ているのに対し、
喜一は、東京の一流ホテルで働きたいという夢を持っている。


サヨ子は、
客室乗務員の有女子(白川由美)が、
喜一に接近している事に気付き、
嫉妬に燃える。
実は有女子は、
今度自分が赤坂で開店するレストランのシェフに
喜一を採用したいと考えているのだ。


そのレストランに出資してもいいという、
中年男・岸和田(小沢栄太郎)も
列車に乗っていたが、
彼は途中で乗ってきた、
チャイナドレスの女・ヤエ子の色香に参ってしまう。


そんな中、
列車に時限爆弾が仕掛けられているとの
噂が流れ・・・。





全編、ほぼ、
列車の中だけで物語が進行するのであるが、
これがめっちゃ面白い。


人間関係が入り乱れて、
でも、それがちっとも不自然じゃなくて、
お話がどんどん進んでゆく。


まぁ、どんどん進まないと駄目なのは当然。
だって、東京・大阪間という、
限られた時間と距離でのお話だから。
全てがその中でオチが付かないと、
作り手側も、見る側も、困るわけで(笑)。


小ネタも沢山ある。
特に小沢栄太郎さん関連。
小沢さんの部下が、
小沢さんの悪口言ってるのが、
車内放送で流れちゃったり、
小沢さんのお財布を開くと、
わざとらしく、札束が飛び出すように
入れてあるなど。


前にも書いたけど、
小沢さんは、
素で喋ると本当に素敵な紳士なのに、
どうしてこうも、嫌みな役が上手いのか。
凄い人です。


コメディなので気楽に楽しめばいいのだけれど、
一箇所だけ、
この小沢さん絡みで、
気まずいだろうなぁと思った場面がある。
それは小沢さんと、白川由美さんの関係。


小沢さんは、白川さんのレストラン開店に、
出資してもいいと言っているが、
2人の間に、男女としての結びつきはない。


そんな中、色気で小沢さんに迫る女・ヤエ子が現れ、
こちらも、店の出資者を探していると言う。
小沢さんは、
お堅い白川さんより、ヤエ子に出資したいと考えるようになる。


例えば、小沢さんと白川さんとが、
愛人関係であったとしたら、
白川さんは、泣いて彼を責める事もできるだろうが、
それもできず、
なんとも、説明しがたい空気が二人の間に流れる。
そもそも、
小沢さんの役のような、色と欲だけの男に、
金だけ出させて、
あとは何も無し、というのが無理なんだろう。


様々なドタバタした場面を、
列車の外側から、
セリフ無しで映す場面など、秀逸。


評価 ★★★★☆

nice!(61)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ミッション:8ミニッツ」 [映画]

mission8minutes.jpg
〔2011年/アメリカ〕


ジェイク・ギレンホールが列車の中で目を覚ますと、
見知らぬ女性・ミシェル・モナハンが親しげに自分に話しかけてくる。
彼女の話から、
自分と彼女は旧知の仲という気がするが、
自分は彼女の事を知らず、混乱する。
そうこうするうちに、列車はシカゴに近付くが、突然大爆発を起こす。


ショックで目を覚ますと、
そこは軍の研究所。
ギレンホールは、
列車爆発事件の犠牲者の意識に入り込み、
爆発までの8分間の間に、
犯人を捜すという命令を受けていたのだ。


もう一度、列車の中に戻ったギレンホール。
状況は前回とまるで同じだ。
爆発物を探す。
あった。
仕掛けたのは、
今、この列車に乗っている誰かだ。
次の駅で降りるはずだ。


また軍の研究所で目が覚める。
犯人を見つけられないまま、
8分が過ぎてしまった。
また列車の中へ意識を戻す。


何度も繰り返すうち、要領を飲み込み、
犯人に近付くギレンホール。
さらにモナハンに対して、
特別な感情を抱くようになり・・・。





以前、素晴らしいと思った映画、「月に囚われた男」を撮った、
ダンカン・ジョーンズ監督の2作目の映画。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2014-06-14


これもとても面白かった。
すごいな、ジョーンズ監督。
3作目の映画が今年公開されるらしい。
楽しみだ。


列車爆発事件の犯人を捜すため、
何度も、列車と軍と研究所を意識の往復をする、
ジェイク・ギレンホール。


映画の中のセリフにもあるけど、
それはタイムトラベルではなく、
意識の中で、
状況を変えてゆき、
犯人を捕まえるという。


それだけでも、もちろん面白いけれど、
観ているうちに、
色々疑問が湧いてくる。
「これだけで終わるわけがない、絶対なにかある」と。


で、「そうきたか」という展開が待っている。
私がギレンホールだったら、
ラストはやっぱり彼と同じ選択をしただろうと思う。


大爆発して、乗客全員が即死する列車の場面が、
今、いつどこでテロが起こってもおかしくないという
世界情勢では、
シャレにならない気がした。


細かい事は詳しく書けないけど、面白く、良い映画だった。


(※このレビューは、一年以上下書きに入っていたものを出しました。
  情報が多少古くて申し訳ありません。
  ジョーンズ監督は既に4作目の映画を発表しているようです)


評価 ★★★★☆

nice!(61)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」 [映画]

monroi.jpg
〔2015年/フランス〕


女性弁護士のトニー(エマニュエル・ベルコ)は、
あるクラブで、
学生時代、憧れだったジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)と再会し、
激しい恋に落ちる。


深く愛し合う2人は、
結婚し、子供にも恵まれるが、
ジョルジオは、トニーが思っていたほど、
誠実でない事が分かってくる。


何かある度に、
嫉妬し、苦しむトニーだが、
ジョルジオは、
そんな彼女の気持ちを知りながらも、
過去に付き合っていた女と関わる事を、
やめはしない。


息子が誕生し、
安定したかに思えた2人の関係だが、
ジョルジオがそう簡単に変われるはずもなく、
ついにトニーは、離婚を宣言する・・・。





面白い。
スクリーンを見つめながら、
ああ、分かるなぁと思いながら観ていた。
こういう男女っている。


色々書きたいのだけれど、
おそらくこのブログを読んでくださっている
知人たちの中にも、
この映画のようなカップルがいそうで、
なんだか当てこすりみたいな文章になりそうで、
本音が書きにくいのだけれど(笑)。


男と女って、
分かり合っているようで、
もう全然、
理解できない部分もあるし、
女の方が男らしくて、
男の方が女々しいって事が
往々にしてあるわけで。


・・・駄目だ。
何度も書き直してはみたけど、
やっぱり、
色々差し障りがありそうで、
書けない(笑)。
とにかく、
男女は行き着く所まで行くしかなくて、
それで駄目なら、
別れも一つの選択かな、と。


評価 ★★★★☆

nice!(78)  コメント(20)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ポエトリーエンジェル」 [映画]

poetryangel.jpg
〔2017年/日本〕


玉置勤(岡山天音)は、高校卒業後、
家業の梅農園で働いているが、
地味な仕事に満足できず、
妄想ばかりの毎日。


そんなある日、
彼はひょんな事から、
「詩のボクシング」のサークルの一員となる。


「詩のボクシング」とは、
5人1チームで、
相手チームと交互に1人ずつ詩を読んでゆき、
審査員に、どちらの詩が優れていたかを
判定してもら競技だ。


一方、女子高生の杏(武田玲奈)は、
吃音のせいで、
積極的になれず、
悩んでいたが・・・。





試写会で観た。


とにかく内容盛り沢山の試写会で、
全てのイベントが終わったのが、
22時40分頃。


まず、この映画は、
和歌山県田辺市が毎年行っている「弁慶映画祭」の
第10回記念作品という事で、
上映前に、
田辺市の市長・真砂充敏さんが登壇し、ご挨拶。


「まさか新宿の劇場で、弁慶映画祭の作品がかかるとは思っておらず、
 東京に来られて嬉しいです」
みたいな発言に、
会場からは笑い声が聞こえ、
私も笑った。
やはり、本物の市長さんともなると、
試写会で挨拶するだけでも、
公費で出張ができるのね(笑)。


そして、映画の上映のあと、
人力舎の芸人さん3人と、
女優さんら3人のチームによる、
「詩のボクシング」大会の実演。


ステージ上に、
ボクシングのリングを模したセットが設えられ、
そこで対戦。
なんというか、
全員が、詩の朗読というよりは、
ピン芸人のコントみたいな体になっていて、
笑える。


これが終わって、
最後は、
監督の飯塚俊光さん、
主演の岡山天音さん、武田玲奈さん、
主題歌を担当したグループ・Mrs.GREEN APPLEの
トークショー。


今まで見た事のある、
どのトークショーより、
登壇者の皆様同士の距離感が近い感じで、
お友達同士の会話を聞いているような安心感があり、
楽しかった。


肝心の映画は、といえば、
これも町おこし映画といっていいのでしょうね。
主人公の家業が梅農園という事で、
田辺市の名産・梅干しが何度も映り、
梅なら何でも大好きな私は、
その度に、じっと見てしまう(笑)。


地味な稼業に甘んじている事に不満を感じる主人公だけど、
「詩のボクシング」を知った事で、
成長してゆく様子が、
笑いあり、涙ありで、描かれている。


和歌山県には、
昨年、オフ会で行ったばかりなので、
なんだかもう、知らない土地とも思えず、
懐かしいような気持ちで観させていただきました。
集合から解散まで4時間。
ポエムチックなひとときでした(笑)。


評価 ★★★☆☆





※追記
お土産にいただいた、
中田食品さんの梅干しです。
umeboshi.jpg
1個入りの個別包装です。
美味しかったです。

nice!(68)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

L'Arc〜en〜Ciel 25th L’Anniversary LIVE [音楽]

L'Arc〜en〜Ciellive.jpg

4月9日、東京ドームで行われた、
L'Arc〜en〜Cielの、
25周年記念ライブに行ってきました。


90年代から2000年にかけてのラルクは、
飛ぶ鳥を落とす勢いな人気で、
友人はもう、hyde命の女(笑)。
私も一緒に、何度かライブに行ったものです。


さすがに最近は、
ラルクの話も殆どしなくなりましたが、
それでも、その友人はファンクラブの更新を
し続けていたようで、
今回、久し振りのライブに誘われたのです。


今のラルクなら、
チケットは簡単に取れるだろうと話していたのですが、
これがとんでもない間違いで。


まず、友人が応募したファンクラブ枠が落選。
この時点で、
私も協力するからと、
一般で応募したのですが、
こちらも2人とも落選。


友人は、最後の一般に賭け、
これがやっと当選したというわけなのです。


正直、もうメンバー全員が50歳近い、
オッサンになったグループに、
それほどの集客力があるとは、ビックリで。
人気はまだまだ衰えていないのだなぁという思いを
強くしました。





で、ライブなのですが、
それはもう大変な盛り上がりで、
めちゃくちゃ楽しかったです。


演奏されたのは、
25周年という、記念ライブのせいか、
シングルヒットが中心で、
誰にでもノリやすく、
楽しめる内容になっていました。



L’Arc~en~Ciel.jpg
※サンケイスポーツさんより


また、トークも爆笑。
メンバー4人中3人が関西出身なので、
関西弁を隠す事なく、
面白話を連発。


hydeの、
「俺たちを待ってたんだろ」
「可愛がってやるからな」のお言葉には、
きゃー☆って感じで ←馬鹿~(笑)。

hyde.jpg
※サンケイスポーツさんより


hydeは、観客に何度かウェイブを要求し、
観客は、ウェイブが最後にHydeに戻るようにすると、
まるでウェイブのせいかのように、hydeに向かって風が吹くという、
面白い構成になっておりました(笑)。


私たちは2階席で、
メンバーは豆粒ほどでしたが、
チケット争奪戦の中、
行けただけでもありがたく、
大きな二つのモニターで見るメンバーのお姿を堪能しました。


hydeも、kenも、tetsuyaも、yukihiroも、
ルックスは、若い頃と殆ど変わらず、
カッコいいオッサンになっていました。


記録として、
セットリストを記しておきます。


1.虹
2.Caress of Venus
3.the Fourth Avenue Cafe
4.Vivid Colors
5.Lies and Truth
6.真実と幻想と
7.forbidden lover
8.Shout at the Devil
9.REVELATION
10.風の行方
11.X X X
12.花葬
13.浸食 ~lose control~
14.HONEY
15.MY HEART DRAWS A DREAM
16.NEO UNIVERSE
17.STAY AWAY
18.Driver's High
19.READY STEADY GO

-----アンコール
20.Don’t be Afraid
21.Blurry Eyes
22.Link
23.瞳の住人

nice!(77)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画