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「ムーンライト」 [映画]

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〔2016/アメリカ〕


マイアミで暮らす黒人少年・シャロン(アレックス・ヒバーグ)は、
学校でいじめに遭う、辛い日々。
ある日、いじめっ子たちに追われたシャロンは、
麻薬の売人・ファン(マハーシャラ・アリ)に助けられ、
以来、親切なフアンを父のように慕うようになる。


高校生になったシャロン(ジャハール・ジェローム)。
フアンは既に死んでいたが、
フアンの恋人・テレサとの交流は続いていた。
学校では相変わらず孤独だったが、
唯一の友達・ケヴィンには心を開いている。


しかし、ある日、ある事件が起こる。
シャロンは、今までの鬱積した気持ちをぶつけるように、
ある行動に出て、
逮捕される。


大人になったシャロン(トレヴァンテ・ローズ)は、
子供のころとは別人のように
体を鍛え上げ、
逞しい男に成長していた。
麻薬の売人をする彼のところへ、
ケヴィンから突然の電話が入り・・・。





今年のアカデミー賞作品賞受賞作。


有力と言われた、
エンターテイメント性ばっちりの
「ラ・ラ・ランド」と比べて、
とても地味な作品。
まさに、「月の光」のような。


けれど、だからと言って、
退屈するわけではない。
一人の黒人男性の、
幼少期から青年期までの出来事が、
じっくりと描かれる。
まるで自伝のように。


私の記憶違いでなければ、
ほぼほぼ、出てくるのは黒人だけ。
学校も、街も。
「もしも世界が黒人だけだったら」という
仮定の映画を観ているみたいだ。
(白人がはっきり映るのは、ケヴィンのレストランの数人の客だけだったと思う)
 


なので、
そこに人種間の争いや軋轢は皆無で、
全ては、
黒人vs黒人で話が進行する。


同じ肌の色だからって、
全員が互いに連帯意識や、同胞意識を持っているわけじゃない。
どんな世界にもいじめがある。


そうした設定には、
もちろん何か理由があるのだろうけど、
何が言いたいのだろう。


黒人は、黒人社会の枠の中だけでも、
別に生きられない事はないんだぜ、視野は狭いけどよ、
って事だろうか。


もちろん、日本に住んでる私だって、
日本人の知り合いしかいないのだから、
同じじゃないかと言われればそれまでだけど、
でも、やっぱりそれとは違うよね。


3点か4点かで迷ったけど、
シャロンとケヴィンの再会の場面が好きなので、4点。


詳しくは書けないけど、
シャロンがケヴィンに対する思いを表すセリフがあって、
すごいな、
見た目からは想像できないな、と。


国も、人種も、性別も、生活も、
私とは全く違う世界で生きている主人公だけど、
人を思う気持ちは万国共通、同じだ、と思ったり。


評価 ★★★★☆

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