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「ラストナイト・イン・ソーホー」 [映画]

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〔2021年/イギリス〕


イギリスの田舎町から、
ロンドンのデザイン学校に入学したエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)だが、
寮生活に馴染めず、
アパート暮らしをする事に。


新居のベッドで眠りについた最初の夜、
エロイーズは、
夢の中で、60年代のソーホーにいて、
歌手を夢見るサンディ(アニャ・テイラー・ジョイ)と
出会う。


魅力的なサンディを追いかけるようになった
エロイーズは、
感覚までサンディとシンクロし、
眠ると、必ず、
サンディのいる世界に行くようになる。


ところが、或る夜、
サンディが殺されるところを見てしまい、
エロイーズの精神は混乱してゆく・・・。





想像以上の面白さ。


なんとか上手く、
粗筋を書きたいのだけれど、
ちょっと、どう説明していいのか分からない、
不思議な映画。


それはつまり、
映像でしか表現できない内容であるということで、
映画の魔法に酔った2時間でもある。


観る前に、
軽く読んだ解説では、
ファンタジーか、
青春ものか、
はたまた、SFか、
と思っていたけれど、


この3つの要素もありつつ、
プラス、
サスペンスでもあり、
ホラーでもあり、
それほどの要素が詰まっていながらも、
散漫にはならず、
大変に上手く話を纏めてあって、
目が離せない。


夢の中で、
60年代にタイムスリップするエロイーズが、
サンディという、
同年代の女の子と出会って、
彼女の運命が、
まるで、自分の身に起こった事のような
錯覚に陥り、
そして事件が起こる。


サンディが、また、
大変に魅力的な女の子なんだけど、
ロンドンという、
大都会の罠に落ち、
転落していく様子に、
悲しい気持ちと同時に、
ある意味、
興味深い気持ちもないと言ったら嘘になる。
そのような事は、
日本の歓楽街、
歌舞伎町や六本木でも、
今でも普通にありそうだ。
人の夢と欲望は、
永遠に変わりはしない。


60年代って、いいな。
私は古い邦画を観る事を、
楽しみにしている人間だけど、
やっぱり60年代の作品が一番好き。


この映画の、
ロンドンのソーホーも、
風景や、ファッションが素敵。
ちなみに、
映画館では、
1965年の映画、
「007 サンダーボール作戦」が
かかっていた。


そして、エロイーズのアパートの老女主人を演じるのは、
1969年の映画、
「女王陛下の007」でボンドガールを務めた、
ダイアナ・リグ。


ただ、とても残念な事ですが、
ダイアナさんは、
この映画の公開前に、
亡くなられたそうです。


評価 ★★★★☆

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