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「トイレット」 [映画]

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〔2010年/日本〕


引きこもりの、長男・モーリー。
研究室で働く、次男・レイ。
大学生の、長女・リサ。


三きょうだいの母が亡くなり、
母の母、通称「ばーちゃん」が残された。
ばーちゃんは、母が亡くなる少し前に、
日本からやって来たので、
英語も話せない。


ばーちゃんは、
朝のトイレがとても長く、
そして、出てくる度に、
深いため息をつく。
それが何故なのか、
3人には分からない。


レイは、
ばーちゃんが本当に自分たちの祖母なのか
疑問に思うようになり、
ばーちゃんと、自分の髪を、
DNAの検査機関に送り・・・。





あぁ、やっぱりいいな、
荻上直子監督。
なんだか観ていて安心する。


物語は、
母の葬儀から始まる。
母を亡くした悲しみは大きいけど、
家にいる、「ばーちゃん」をどうしよう、
そんな感じで。


もたいまさこさん演じるばーちゃんは、
確かに謎だ。
母が死んでからは、
部屋に籠ったきりで、
食事も取らない。
感情を露わにすることもない。


でも、もし、自分がばーちゃんの立場だったら、
無表情なその顔の下で、
本当はめっちゃ不安なのかも、と思う。
娘を頼ってカナダに行った途端、
娘に死なれ、
もしかして、日本に帰る家もないとしたら、
一体どうすればいいのか、途方に暮れているのかもしれないし。


でも、ばーちゃんは、
少しずつ、
孫たちと心の交流をしてゆく。
ばーちゃんは無言で無表情だけど、
それでもちゃんと通じるものがある。


もたいさんのセリフは、
たった2つ。
それだけ十分。


もたいさんのような女優さんは、
日本では他に思い浮かばないな。
素敵。


評価 ★★★★☆

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