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「歌ふ狸御殿」 [映画]

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〔1942年/日本〕


心優しいタヌキのお黒(高山広子)は、
父の死後、
継母・おたぬと、
腹違いの姉・きぬたにいつもいじめられていました。


ある日、おたぬに、
無理な命令をされたお黒は、
家に帰れず、
父の墓前で一晩を過ごすと、
そこに白木蓮の精が現れ、
お黒を美しい娘狸「さぎり姫」になるよう、
魔法をかけました。


「さぎり姫」になったお黒は、
お城で行われる狸祭りに出掛けました。
けれど、白木蓮の精から、
「鐘が7つなると、魔王が解ける」と
言い聞かされます。


お黒がお城に行くと、
若君が、お黒を一目で気に入り、
二人はいい雰囲気に。
けれど、その時、
ゴーーーーーーンと、
鐘がなり・・・。





完全なるシンデレラの物語。
けれど、舞台は日本。
そして、登場人物たちはタヌキ(笑)。
しかも、ミュージカル仕立て。


いや、中々面白い。
むしろ、シンデレラを日本で作ったら、
こうなるのか、と興味深い。


この映画、
昭和17年(1942年)の作品だ。
1942年といえば、戦時中?
そんな時に、
このような能天気な映画が作られていたのが、
とっても意外。


戦時中って、
外国語も禁止だったと聞いているけど、
このような、
シンデレラの日本版のような話を作って、
叱られなかったんだろうか。


そもそも、
シンデレラの物語って、
当時、どれくらい、
日本人の間に浸透していたんだろう。


・・・と、ここまで書いて、
Wikipediaで調べてみたら、
1886年には、
日本に入って来ていたらしい。
1900年には、
教科書にも載ったんだとか。
(タイトルは、「おしん物語」だそうです。
 シンデレラだから「おしん」?
 なんか可愛くて、笑える)


この映画、
とても不思議に思ったのは、
なぜか、若君の役を、
宮城千賀子さんという女性が演じている所。


登場人物が全員女性とかの、
宝塚っぽい映画というなら、分かるけど、
そのような事はなく、
他の役では普通に男性が出ている。
なぜ若君を女性にしたんだろう。
古い映画なので、誰に聞く事もできないし。


評価 ★★★☆☆

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