「ゴッドファーザー PART2」 [映画]

〔1974年/アメリカ〕
1901年。
シチリア島のコルレオーネ村で、
アントリーニ家の父親、母親、長男が、
地元のマフィア・チッチオに殺害される。
9歳の次男のヴィトーだけが、辛くも島を逃げ出し、
船でアメリカに辿り着いた。
英語が話せないヴィトーが、
入国管理局で、
「ヴィトー・アントリーニ。コルレオーネ村出身」と
書いた札を見せると、
係官は名簿に、「ヴィトー・コルレオーネ」を記載した。
大人になったヴィトー(ロバート・デ・ニーロ)は、
結婚し、子供をもうけた。
その頃、ニューヨークでは、
イタリア系のマフィアのドン・ファヌッチが幅を利かせ、
皆、苦しんでいた。
同じイタリア人が、なぜイタリア人を苦しめるのか。
理解できないヴィトーは、ファヌッチを殺害する・・・。
1958年。
ヴィトー亡きあと、
ファミリーのドンとなった三男のマイケル(アル・パチーノ)は、
完全な権力を手にしていたが、
その生活は必ずしも、
穏やかなものではなかった。
常に誰かに裏切られ、
命を狙われ、
そして、妻のケイ(ダイアン・キートン)は、
第三子を無断で中絶し、
「あなたとはやっていけない」と離婚を申し出る・・・。
昨日書いた、「ゴッドファーザー」の続編。
本作は、一代でファミリーを築いた、
ヴィトー・コルレオーネが、
アメリカにやって来た経緯と、
どのようにして、
アメリカでのし上がったのか、
そして、彼の跡目を継いだ、
三男のマイケルの苦悩が、
交互に描かれる。
こうして観てみると、
ヴィトーがいかに凄い人物だったかが分かる。
確かに彼は怖い人間に違いないけれど、
「許す」という心を持っているように思える。
数々の悪事をしてきただろうし、
憎しみを持った相手には容赦がない。
でも、それでも、どこか寛大な心があり、
人々から慕われた。
最初の妻と、
別れる事もなく、
生涯、添い遂げた。
そういえば、
ヴィトーが若かりし頃、
子供が一人ずつ増えてゆき、
その度に、
「ソニー」「フレド」「マイケル」と名を呼ぶ、
その様子に、
あぁ、この赤ちゃんが、
将来ああなるのか、と思うと、
めちゃくちゃ感慨深いものがあった。
ヴィトーは、死に方も、
一般の人でも、「羨ましい」と思われる最期だったと思う。
転じて、マイケル。
彼も、彼なりに一生懸命だけど、
どこかいっぱいいっぱいで、
余裕がなく、
父のようにはなれない。
そして、「1」で、
「兄弟の性格の違いが面白い」と書いたように、
本作では、兄弟の本音が顕著になる。
血を分けた兄弟でも、
その能力や、運命には差があり、
それが嫉妬や憎しみに変わる事もあるだろう。
ただ、もしも、コルレオーネ家が、
マフィアでなく、一般の家だったら、
そこまでの確執にはならなかったようにも思えるし。
ところで、
コルレオーネという名前なのだけれど、
私には絶妙に素晴らしく思えるのだけれど、
どうでしょう。
イタリア語なんて、
1ミリも分からないけど、
コルレオーネファミリーと聞くと、
お!なんか凄そう、と思ってしまう。
ヴィトーの本当の苗字、
アントリーニより、
コルレオーネの方が断然いい・・・
・・・というのは、先入観のせいか?(笑)
評価 ★★★★★