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「ミナリ」 [映画]

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〔2020年/アメリカ〕


1980年代のアメリカ。
韓国系の移民・ジェイコブは、
農業での成功を夢見て、
カリフォルニア州からアーカンソー州に引っ越してきた。


しかし、トレーラーハウスに住むと知った
妻・モニカは、
夫から聞いていた話と違う事に、
違和感を覚え、
ここでの生活に不安を感じる。


けれど、長女のアンと、
心臓に病を持つ長男のデヴィッドは、
子供らしく、
その環境に馴染んでゆく。


ほどなくして、
モニカの母を呼び寄せ、
同居する事になった家族だが、
ジェイコブが思うほど、
農業は上手くいかず・・・。





試写会で観た。


この映画を撮った、
リー・アイザック・チョン監督は、
アメリカで育った、
韓国系移民だそうで、
自らの体験が元になっているのだそうだ。


いつの時代も、
どこの国でも、
移民が生きていくのは、
大変な事なのだろうと
思わされるストーリー。


日本人も、明治時代、
ブラジルに、
多数の人が移民したという話を聞くけれど、
本当にご苦労されたのだろうなぁと想像する。


ただ、この映画は、
そこまで重くはない。
コミカルな場面が沢山あるし、
特に、
途中から参加した祖母の、
すっとぼけた様子は、
笑いを誘う。


差別というのも、特にはないし、
子供同士のいじめもない。
ジェイコブ家族のご近所さんたちは、
概ね、
好意的に彼らを受けれてくれる。


そういう意味では、
一番揉めているのは、
主人公夫婦かも(笑)。


夫の理想と、
妻の理想が合っていないし、
将来的なヴィジョンを違う。


ただ、韓国映画にありがちな、
喧嘩してるのに、なんか笑える、という特徴は、
しっかり踏襲しているので、
不快ではない。
暴力はないし。


そういえば、この文章書いているうちに、
思い出したことがある。


ニューヨークを旅行した時、
韓国系のかたが経営している、
アイスクリーム屋さんに入ったら、
「日本人ですか?」と聞かれ、
「日本語で、”グッドイブニング”は、何と言うのですか?」などと
聞かれたりして、
めちゃくちゃ親切で優しく、
フレンドリーに対応してくださった。


何となくだけど、
そこには、
日本vs韓国
という図式はなく、
私たちを、「アジアの同胞」と見ているように感じた。


たった一度の体験で、
全てを決めるのは間違っているのだろうけど、
たった一度の体験が、
旅を強く印象付ける事もある。


アメリカで暮らす彼らにとって、
日韓の問題など些細な事で、
それより、日々、
もっと別の差別と戦っているのだろうと、
そんな気がした出来事だった。


評価 ★★★☆☆

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