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「藁にもすがる獣たち」 [映画]

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〔2020年/韓国〕


事業に失敗し、
サウナでアルバイトするジュンマンは、
ある日、客がロッカーに入れっぱなしにしていた
バッグの中身を見て驚く。
そこには、札束がぎっしり詰まっていたのだ。


空港の出入国審査官を務めるテヨンは、
借金を残して消えた恋人のせいで、
ヤクザから肩代わりの返済を迫られている。


株式投資に失敗した主婦・ミランは、
キャバ嬢をして借金を返しているが、
夫から酷いDVを受けている。


暗い過去とおさらばして、
日本で出直したいと思っているヨンヒは、
どうしても金が必要・・・。





面白くて、
映画を観た!という満足感でいっぱい。
さすが、韓国、
と思っていたら、


え!
原作は日本人作家・曽根圭介さんだと知ってビックリ。
何で日本の小説が海外で映画化されるかな。
まぁ、それはそれで嬉しい事だけど、
日本人が、
このお話の面白さに気付かなかったのが、
ちょっと残念。


出だしから、ワクワクする。
ヴィトンのバッグいっぱいに詰められている
札束。
サウナの客がロッカーに入れたまま、
何日も戻ってこない。


この金を巡って、
壮絶な人間関係が交差する。


誰も彼も、
喉から手が出るほど、
金を欲している奴らばかり。


時間軸をずらした描き方をしているので、
あぁ、ここでこのエピソードが繋がるのか、と、
観るのに夢中。
いつもの私なら、
映画の中で札束を見ると、
使い道を妄想する別の自分がいるのだけれど、
今回は、そのような自分が出てくる幕はなかった(笑)。


その代わり、
というわけではないけれど、
ある人物が、
金の入ったバッグを移動させるときの
ユルさにイライラ。


あんな派手なヴィトンのバッグを
そのまま持ち歩いたら、
目立つに決まってんじゃん。
しかも、バッグはそのまま、自宅に保管しちゃってるし。


私なら、
別のバッグを用意して、
そこにヴィトンを入れて持ち帰るな。
そして、帰ったら、
金だけ隠して、
ヴィトンは切り刻んで、どこかに捨てる・・・
・・・と、
頭の中は、
どうやって金をモノにするかでいっぱい(笑)。


主要の登場人物の他に、
嫁を虐めるひねくれた姑や、
不法滞在の若い男や、
しつこい刑事など、
脇役まで、
一癖も二癖もある人間ばかりで、
目が離せない。


評価 ★★★★☆

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