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「リトル・ジョー」 [映画]

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〔2019年/オーストリア〕


バイオ企業で植物の研究をするアリス(エミリー・ビーチャム)は、
ある、美しい花の開発に成功する。
それは、3つの条件の下で、
その花を育てると、
育てた者に幸福をもたらす、というものだ。


その条件とは、
1.必ず、暖かい場所で育てること
2.毎日、欠かさず水を与えること
3.何よりも、愛すること


会社の規則に反し、
アリスは、その花を一鉢自宅に持ち帰る。
シングルマザーのアリスは、
息子のジョーに花を与え、
ジョーは花を育て始める。


ところが、
その花の花粉を吸いこんだ者たちが、
少しずつおかしくなってゆく。
何がどう、というわけではないが、
今までと、何かが違う・・・。





先日、神戸を旅行した際、
アーケードにあるミニシアター、
「元町映画館」に行った事を書いたけれど、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2020-09-17
その時観たのがこの、「リトル・ジョー」。


怖い。
ポスターにもあるように、
ゾッとする。
植物の花粉が、
人間を変えてしまうとは、
想像するだけで恐ろしい。


今、おそらく多くの方が、
「感染」という言葉に敏感になっていると思うのだけれど、
この映画にも、
度々「感染」という単語が出ている。
今の、新コロ騒動は、
コウモリだ、センザンコウだ、と、
いくつかの動物が、その原因だとして
名前を挙げられているけれど、
もしも、何らかの植物にも、
人間に多大な影響を及ぼす「何か」があったら、と考えると
なんだかシャレにならない気がする。


とても怖い映画だけれど、
映像が美しく、
見入ってしまう。


「リトル・ジョー」と名付けられた、
その花は、
毒々しいまでに赤く、
さらに、人を幸せな気持ちにさせる効果があるという。


もし、現実にそんな花があったら、
きっと私は「欲しい」と思ってしまうだろうし、
現に、開発者のアリスだって、
会社に内緒で、
家に持ち帰っている。


人を変えてしまう「リトル・ジョー」。
ただ、その変化とは、
いきなりモンスターやゾンビになるわけでなく、
ほんの微妙な変化。
普段から身近にいて、
その人の事を、よく知っている人でないと、
気付かないくらい、小さな。


音楽もすごく変わっている。
日本の雅楽というか、
尺八とか鼓がBGMに使われていて、
それが、
毒々しい花や、
清潔すぎる研究所や、
感染してゆく人に、
ミスマッチのようでいて、
不思議に融合しているような気もするし。


ちょっと今までにないような、
不思議な映画で面白かった。


評価 ★★★★☆

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