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「ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン」 [映画]

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〔2019年/アメリカ・フランス〕


試写会で観た。


フランスのファッションデザイナー、
ピエール・カルダンの生涯を描いた、
ドキュメンタリー。


存命の人物にスポットを当てて、
その人の人生を描くのだから、
そりゃあ、どちらかと言えば、
「いい面」が強調されるのは当然だけど、
それを差し引いても、
ピエール・カルダンさんの、
その魅力には圧倒される思い。


若い頃から、
服飾のデザインでは、
卓越した才能を発揮していたカルダンさんのモットーは、
一般の人が喜ぶ服。


一流デザイナーが作った高価な服を買える女性は、
ほんの一部。
自分の服は、そういう金持ちがターゲットでなく、
マダムと使用人が同じ服を着ていたら、
面白いじゃないか、という遊び心がなんともいい。


それから、彼が出てくる前の女性の服は、
コルセットで体を締め付けたり、
体のラインを強調する服が主流だったけれど、
「自由に動ける服」を作りたいという事で、
既成の概念を壊したデザインが斬新。
特にAラインのワンピース、可愛すぎ。


映画のタイトル通り、
色使いもカラフルでポップ。


さらに、多様性を求めるという意味から、
有色人種のモデルを起用、
「日本」という言葉が何度も出てくる。
松本弘子さんというモデルさんが
お気に入りだったそうだ。


とにかく、当時のファッション界において、
誰もしなかった事を、
数々やってのけたカルダンさん、
男性の服をデザインしたのも彼が初めてなら、
男性のモデルを使ったのも初めてだという。


写真でよく見るけど、
ビートルズがよく着ている襟なしスーツ、
あれもカルダンさんのデザインだと知ってビックリ。


それから、服だけでなく、
メガネのデザインなどを、
ファッションデザイナーが手懸けるのも、
初めての事だったとか。


やっぱり、凄い人というのは、
自分でどんどん新しい事をやってのける。
決して他人の真似なんかしない。
どんな事でも、
自分が最初の人なんだなぁと実感。


カルダンさんは現在98歳。
今でも現役でお仕事をされている。
そのお仕事ぶりも見られるけれど、
全く頑固でなく、
物事を柔軟に捉えているようにお見受けする。
とてもチャーミング。
できる人は、年を重ねても、できる人なのね。


評価 ★★★☆☆

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