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「HUMAN LOST 人間失格」 [映画]

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〔2019年/日本〕


昭和111年。
医学の発達により、
人は病気にならず、
怪我をしても治療の必要のない生活を送っていた。


それは、
体内の「ナノマシン」と、
それを管理する「SHELL」体制のおかげであり、
無病長寿が約束されている。


しかし、
経済格差が広がり、
環境汚染が進み、
社会は、退廃的ムードに包まれ・・・。





試写会で観た。


太宰治の「人間失格」を、
近未来に、
そしてSFにして、
描いたという事だけど、
太宰の風味はあまり感じられなかった。


太宰を感じさせたのは、
冒頭の、
「恥の多い生涯を送ってきました」の
セリフくらい。


それにしても、
映画の設定、
「昭和111年」って、
随分先の未来だな、と一瞬思ったけど、
それは大きな間違いだとすぐ気づいた。


昭和元年が1926年だから、
今、まだ昭和が続いていたとすると、
今年は昭和93年。
あとたった18年で、
この映画のような未来がやって来る事になる。


正直、こんな未来は、嫌だ。


映画の最初、
高田馬場駅周辺で、
仕事帰りのサラリーマンやOLが
歩く姿が描かれるのだけれど、
人々は全員、
酸素マスクを被っている。


空気は薄汚れ、
マスク無しでは歩けないようで、
もうそれが当たり前のように、
誰も疑問に思わない。
もちろん、街そのものも汚い。


そんな環境なのに、
寿命は120歳まで延び、
年金がどうのこうのって、


夢も希望もない、
そんな未来、
私は生きていたくないな。


未来を描く作品って、
どうして、こうなってしまうのだろう。


評価 ★★★☆☆

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