「アイネクライネナハトムジーク」 [映画]
〔2019年/日本〕
仙台在住の佐藤(三浦春馬)は、
恋人募集中のサラリーマン。
ある日、彼は、上司の指示で、
駅前アンケートを実施。
そこで、偶然通りかかった就活中の女性・紗季(多部未華子)に
声を掛ける。
美容師の美奈子(貫地谷しほり)は、
親しくしている常連客・香澄(MEGUMI)から、
香澄の弟と付き合ってみないかと言われ、
まずは電話での会話で、交流を深める。
佐藤の大学時代の友人・織田(矢本悠馬)は、
学生時代、みんなのマドンナだった梨佳の妊娠をきっかけに、
大学を辞め、
居酒屋勤めをしながら、家族を養っている。
それから、10年の時が経ち、
彼らの人生も、
10年分の出来事が積まれ・・・。
試写会で観た。
伊坂幸太郎さんの原作らしく、
仙台が舞台で、
そして、様々な人々が少しずつ関わり合い、
「なるほど、そう繋がるのね」と、
理解を深めていく過程も楽しい映画。
上映後、
今泉力哉監督と、
作家の燃え殻さんのトークショーがあったのだけれど、
撮影の裏話や、
監督のお考えなどが聞けて、
とても楽しかった。
観られると分かると思うのだけれど、
とても重要な、あるシーンでの、
印象に残るセリフは、
実は、多部未華子さんのアドリブだそうで、
あまりの出来の良さに、
その後のシーンは不要かと思うくらいだったというエピソードや、
あるシーンで、
三浦春馬さんが、満面の笑みを浮かべていたので、
監督が、
「そこの笑みは抑え気味の方がいいのでは」と
三浦さんと話し合ったのだけれど、
三浦さんが、
「佐藤は馬鹿だから、ここで笑ってしまう奴ですよ」と言い、
それを採用したら、
とてもいい場面になったとか。
(「あるシーン」ばかりで、すみません)
登場人物の一人で、
高校生の男の子が、
レストランで家族と食事をする時、
父に運ばれてきた食べ物が、
注文と違っていたのに、
「あ、いいですよ、これで」と言った父に対して、
「俺は絶対、父のような男にはならない」と言っていたのだけれど、
別の日に、同じレストランで、見知らぬ中年男が、
注文と違った品が運ばれてきたことに
腹を立て、
ウエイトレスの女の子に、執拗に怒鳴り散らす様子を見た時、
「あんな男より、寛大な父の方が、余程男らしい」と
気付けたのが、とても嬉しかった。
そのお父さんは、
本当はとても機転の利く、頭のいい人で、
こういう最低男を撃退する方法も、
息子に伝授している。
あの方法は、私も使ってみたい(笑)。
評価 ★★★★☆