「孤狼の血」 [映画]
〔2017年/日本〕
1988年。
広島・呉原市。
街は、古くからある暴力団・尾谷組と、
新興組織・加古村組とが、
一触即発の状態だった。
そんな中、
呉原東署に、
広島大学を卒業した、
エリート新米刑事・日岡(松坂桃李)が赴任、
ベテラン刑事・大上(役所広司)と組むことになる。
大上は、
暴力団との癒着や、
強引な捜査など、
黒い噂が絶えない男で、
日岡は、早速、彼のペースに巻き込まれてゆく。
そんなある日、
加古村組の系列企業の経理担当が失踪。
大上は日岡を引き連れ、捜査を開始するが・・・。
出だしから、
激しい暴力シーンで、
目を背けてしまう。
豚小屋での、
あんな事や、そんな事。
ゲロ吐きそうなシーンの連続。
人って、拷問しようと思えば、
どんな場所でも、
どんなものでも使えるって事なのね。
役所広司演じる刑事が、
正義の味方なのか、
悪徳警官なのかが分からなくて、
その演技に圧倒されながら、観る。
現実に彼のような刑事がいるかどうかは分からないけど、
世の中の、
想像を絶するような
悪人と対峙するには、
悪人より、さらに上をいく迫力を持ってしか
立ち向かえないだろうから、
あれくらいの刑事はいるのかなぁ、とも思う。
実際、刑事の集団と、
ヤクザの集団って、
見分けがつかないとも聞くし。
それにしても、
この原作を書いたのが、
女性というのが、
何より凄い。
この発言が、性差別になるとしたら、
申し訳ないのですが、
女性があんな激しいバイオレンスを描くとは、
私の中に、無いイメージだったから。
続編も準備中という事で、
楽しみだ。
特に、エリートの松坂桃李君が、
どんな刑事になってゆくのかが、
ものすごく気になる。
本作の彼は、
役所広司の暴れん坊っぷりに唖然とし、
それを止めるという役だったけど、
今後、どういう人間に成長してゆくんだろう。
エリートを貫くのか、
役所さんのやり方を踏襲するようになるのか。
評価 ★★★★☆
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