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「エセルとアーネスト ふたりの物語」 [映画]

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〔2016年/イギリス〕


1928年、ロンドン。
牛乳配達のアーネストと、
メイドのエセルが出会い、
恋に落ち、
結婚する。


ウィンブルドンに家を買った2人の間に、
息子・レイモンドが生まれ、
幸せな家庭生活だったが、
第二次世界大戦が勃発。


レイモンドだけが疎開し、
激しい戦火の中でも、
笑いを忘れない2人。


戦争が終わり、
レイモンドも成長し、
エセルとアーネストにも、
老いが忍び寄り・・・。





試写会で観た。


イギリスのイラストレーター、
レイモンド・ブリッグズが、
自分の両親の一生を描いたアニメ。


特別な事は、何も起こらない。
平凡という言葉が、
これほどしっくりくる夫婦はいない、というくらい、
普通で、
でも、平凡で、平穏に暮らせることが、
どれほど幸せな事か、と教えてくれる。


でも、平凡な中にも、
もちろん、家族だけの
小さなドラマがある。


レイモンドが生まれる時、
とても難産で、
高齢出産のエセルは、
2人目の子供は無理だと医者に言われたり、


レイモンドが一人で疎開する時、
エセルが泣き崩れたり、


せっかく入れた、レベルの高い学校を、
レイモンドが中退し、
美術学校に入ってしまい、
ガッカリしたり・・・


・・・って、殆どのエピソードが、
レイモンド絡みね。
子供が家庭の中心になって、
喜びや希望、時に失望をもたらしてくれるのは、
どこの国も同じなようだ。


どこの国も同じ、といえば、
エセルと、隣の家の主婦が、
子供の事で、何かと張り合うのも、
人間はどこも同じだなぁと思う。


エセルが、レイモンドが優秀な事を
自慢げに話したり、
その後、レイモンドが悪さして、
警察車両で帰ってきた時、
隣の主婦が探りを入れてきたり(笑)。


それから、
エセルが、
レイモンドのお嫁さんを
ちょっと気に入らなかったり、
2人の子供について口にしたり、
レイモンドたちが買った家に文句を付けたりなど、
面倒くさいなー、と思う部分もあった(笑)。


いや、それは仕方ない。
レイモンド・ブリッグズさん自身が、
現在85歳。
つまりエセルは、
1890年頃、生まれたという事で、
今とはモラルも感覚も、
全然違っていたのでしょうね。


評価 ★★★☆☆

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