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「にせ刑事」 [映画]

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〔1967年/日本〕


千田寅松(勝新太郎)は、
その正義感の強い性格から、
夢だった刑事となるが、
ちょっとした不注意から拳銃を盗まれ、
クビになってしまう。


魚屋を経営する父は、
むしろ、跡取りが戻ってきたと喜んだが、
寅松は、刑事への強い思いから、
家業に身が入るはずもない。


そんなある日、
電車の中で、チンピラに絡まれている
若い女性・山口美恵子(姿美千子)を助けた寅松だが、
チンピラと揉み合っている際、
はずみで、美恵子に怪我をさせてしまう。


そんなこんなで、
美恵子と親しくなった寅松は、
ある日、美恵子が保母をする幼稚園で、
園児が誘拐された事を知る。


寅松は、
元刑事の勘を生かし、
警察とは別に、
犯人捜査に乗り出すのだが・・・。





勝新太郎さんの魅力満載。


とにかく、とってもチャーミング。
実生活で色々あったらしい勝さんだけど、
結局、この映画の寅松みたいに、
誰も彼のことを、本気で憎めずにいたんじゃないかと
そんな気がする。


タイトルを見た時は、
刑事を騙った勝さんが、
何か悪さをする、
シリアスな内容なのかと思っていたけれど、
とんでもない。


警察をクビになったのに、
刑事への夢を捨てきれず、
勝手に刑事を名乗って、
街の悪を見ると、
見過ごせない男の役を、
ちょっとコミカルに演じている。


この映画メインは、
誘拐された子供と、
子供の父親である銀行員の不正を
勝さんが暴く事なんだろうけど、


それより何より、
私は、
もっと身近な問題である、
電車の中での、
チンピラの女性への嫌がらせに、
ゾッとするような嫌悪感を覚えた。


1人では何もできないチンピラが、
3人揃えば気が大きくなって、
弱い女性に絡んで、
下手したら、
次の駅でそのまま降りて、
拉致されそうな勢いで。


他の乗客は見て見ぬふりというけれど、
そもそも、チンピラがそのような事をしなければ、
女性も、
乗客たちも、
不快な思いをせずにいられただけの話じゃないか。


ああいった場面で、
助けたいと思わない人などいないだろう。
怖くて、
どうする事もできないのが現実なだけで。


今は、
ケータイがあるから、
そういった場合
110番通報していいんだろうか。


ケータイはなにも、
電車の中でネットをしたり、
ゲームをするだけの道具じゃない。
緊急時に使用してこそ、
本当の意味で役に立つってもんだと
よく思うんだけど
・・・って、
映画とは話が逸れちゃったけど。


評価 ★★★☆☆

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