SSブログ

「メグレと若い女の死」 [映画]

maigrettowakaionnanoshi.jpg
〔2022年/フランス〕


1953年。
モンマルトルの広場で、
美しいドレスを着た、若い女が、
メッタ刺しにされた遺体が見つかる。


事件を担当する事になった
メグレ警視(ジェラール・ドパルデュー)は、
ほとんど手がかりが無い中、
それでも、
少しずつ、
捜査を進めてゆく。


殺された女は、
ある金持ちのカップルと関わっていた事が
分かってくるが・・・。





ベルギーの作家・ジョルジュ・シムノンが書いた、
パリ警察のメグレ警視のシリーズ物の一編の映画化。


1950年代の物語という事で、
科学捜査もなければ、
コンピュータもない。
とにかく、
聞き込みと勘だけで、
殺人事件の犯人を探す、
メグレ警視。


時には、彼の一存で、
囮捜査までしちゃって、
だ、大丈夫?
と思ったりするけど、
あの時代、
何とかして証拠を掴むためには、
ああするしかないんだろうな、と許せてしまう。


まるで、縺れた糸がほぐれるように、
少しずつ、
事件の核心に迫ってゆくメグレ警視だけど、
そこに浮かび上がってくるのは、
パリという大都会で生きる、
孤独な女の哀しみ。


若い女たちは、
夢と希望と、そして、
富を求めて地方からやって来るけれど、
誰にでもラッキーチャンスがあるわけはなく、
多くは都会の沼にはまってゆく。


クラシカルな内容だけど、
昨今のニュースを見ていると、
時代は変わっても、
人間は、そうは変わらないのだなぁと思ったり。


オチも他愛ないし、
それほどの捻りはないけど、
雰囲気を楽しめるいい映画だった。


評価 ★★★★☆

nice!(133)  コメント(18) 
共通テーマ:映画