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「孤独の人」 [映画]

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〔1957年/日本〕


学習院高等科の、
ある学年は、
初等科の時から特殊な環境にいた。
同学年に、皇太子(現・上皇)が在籍しているのだ。


皇太子のクライメイトの千谷吉彦(津川雅彦)は、
守られてすぎて、青春を謳歌できない皇太子を
取り巻く環境に腹を立て、
また吉彦の友人・岩瀬(小林旭)もまた、
同じような考えを持っていた。


また、吉彦は、
血の繋がりのない叔母(月丘夢路)と交際し、
岩瀬にも、隠れた恋人・淳子(芦川いずみ)があった。


岩瀬はついに、
皇太子を銀座に連れ出す事に成功するが・・・。





ここのところ、
連日のように、
あらゆる媒体を騒がせている、
ジャニーズ事務所。
(来月初めに社名が変わるようですが、
 ここではこう書きます)


2回行われた記者会見についても、
色々言われているようだけれど、


その会見の中で、
私がとても気になったのが、
井ノ原快彦氏が読み上げた、
元社長・ジュリー藤島氏が書いた、
自身の成育歴です。


ジュリー氏が書かれた事が全て事実だという前提で書くなら、
彼女は、
生活には困らない裕福な暮らしはしていただろうけれど、
母親・メリー喜多川氏から、母親らしい柔らかい愛情を
一身に受けて育った子供ではなかった、
というのが分かります。


「母はライオンで、私はシマウマ。
 私が少しでも、母と違う意見を言うと、
 狂ったように怒り、
 叩き潰した。
 私はパニック障害を患い、それは今も続いている」と。


そんな母娘の関係を公にしたわけだけれど、
そこに、父親は出てこない。
もちろん、あの会見は、
藤島家の内情を暴露する場ではないのだから、
別に、それはいいのだけれど、


私は、
メリー氏と、ジュリー氏が、
そんな状態である時、
同じ家の中にいる、父親・藤島泰輔氏はどうしていたのかと、
それが気になって仕方なかったです。


この映画は、
その藤島泰輔氏が書かれた小説を、
映画化したものです。


藤島泰輔氏が、
メリー氏の夫というのは、
以前から知っていましたが、
ミーハーの端くれとして、
この機会に、
藤島氏の映画を観てみようと思ったのです。


ウィキペディアによると、
藤島泰輔氏とメリー氏は、
おしどり夫婦として知られていたと書かれています。


夫婦仲がいいのであれば、
父親は、娘にも愛情を持っていたのではないか、
気にかけていたのではないか、
と、勝手にイメージするのだけれど、
メリー氏に押さえつけられているジュリー氏を、
藤島泰輔氏は、どういう気持ちで見ていたのだろう。
庇ったり、
メリー氏を諫めたりはしてくれなかったのだろうか。


藤島氏が、強い女が好みで、
メリー氏の気性の激しい部分を愛していたのか、
それとも、何か言えば火に油を注ぐ事になるので、
面倒になって、放っておいたのか、
それとも、おしどり夫婦と言われているのは、
外面だけで、
案外、仮面夫婦だったのかもしれないし・・・
と、色々想像しています。


「普通」というのは、人によって違うと思うし、
どこの家にも、
必ずなにか問題はあるんだろうけど、
一般人には計り知れない、
喜多川家、藤島家が、
一体どんな家族だったのか、
どのような家庭環境が、
あのようなモンスター姉弟を生み出したのか、
私は、それがとても気になるのです。


評価 ★★★☆☆

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「シック・オブ・マイセルフ」 [映画]

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〔2022年/ノルウェー〕


オスロで、恋人・トーマスと同棲しているシグネは、
最近、トーマスがアーティストとして脚光を浴び始めたことに
強い焦燥感を覚える。


自分も注目されたい、
チヤホヤされたい、
そう思ったシグネは、
ネットを見ているうちに、ある事を思い付く。
それは、ロシア製の抗不安薬「リデクソル」を飲むと、
副作用で重篤な皮膚炎の症状が現れるというニュース。
このリデクソルを飲み、
荒れた肌をSNSに晒せば、
皆が私を見てくれる、と。


薬物の売人に頼み、
早速、リデクソルを手に入れたシグネは、
それを大量に飲み、
酷い肌荒れに。


入院するが、原因不明で、
トーマスや友人たちは心配してくれて、
ネットニュースにもなった。
でも、こんなものじゃ足りない。
私はもっともっともっともっと注目されたいの!・・・





注目されたいと願う、主人公・シグネが、
その行動をエスカレートさせてゆく、
ノルウェーのホラー・・・
・・・そう、これってホラーだ。
悪魔も出てこないし、
監禁もされないし、
殺人も起こらないけど、
モンスターが出てくる。
承認欲求という名のモンスターが。


有名になりたいの一心で、
副作用があると知っている薬物を、
大量に飲み下す、
シグネの恐ろしさ。
病気でも、予防のためでもなく、
何の意味もなく、
ケミカルなものを体内に取り込む気持ちが、
理解不能だし、
そこまでして有名になりたいという気持ちも分からない。


多くの人が健康でありたいと願っているところに、
わざわざ自分を病気にするという心理には、
何か病名が付きそうな気がする。
専門家でないので、詳しくは分からないけど。


シグネの願い通り、
飲んだ薬の副作用は凄まじく、
肌は、おそらくもう修復不可能だと思われるくらい、
酷い状態になってしまう。


さらに、髪が抜け、
血を吐くまでになるけれど、
それでもシグネは自分のおかしさに、
気付かない。


こんな話だけど、
映画はポップで、コメディっぽく進行。
面白かった。


評価 ★★★★☆

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23区内全駅制覇・亀戸駅 [23区内全駅制覇]

【23区内全駅制覇・各駅編】


第139回目の掲載は、
 ・JR総武線
 ・東武亀戸線
「亀戸駅」です。


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まずは腹ごしらえ、という事で、
「タミルナードゥキッチン」さんへ。


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ほうれん草のチキンカレーと、
野菜カレーをいただきました。
ナンが丸いってちょっと珍しいですね。


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亀戸といえば、亀戸天神。


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可愛い赤い橋を渡ります。


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橋のてっぺんで見る
スカイツリー。


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暑い日でした。
亀さんたち、
干上がらないのかしら、
とちょっと心配に。


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2つ目の橋を渡ると、


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本殿です。


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亀戸天神を出たあと、
ブラブラ歩いていましたら、
「普門院」というお寺がありました。


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門の手前、左側に、
「伊藤左千夫の墓」とあるのですが、
これは、あの「野菊の墓」の著者である
伊藤左千夫さんなのでしょうか。
そのような著名な方のお墓にしては、
扱いがぞんざいな気がします。


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境内も荒れた感じ。
本殿にも近寄れないように、
柵がしてあります。


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樹々の間から仏像が見えます。
ちょっとカンボジアみたい。


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「亀戸香取神社」へ。


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境内の「亀戸大根之碑」にビックリ。
大根の碑といえば、
「練馬大根の碑」だけだと思っていたのです(笑)。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2020-10-19


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この石に触れると、
幸運が授けられるとか。
普段、信心の心など全くないのに、
こういう場面では必ず触ります(笑)。


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大国神さまと、恵比寿神さま。


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香取神社は、
スポーツの神様だそうですね。


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「亀戸梅屋敷」。
様々なイベントが行われる会場だそうです。


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茅の輪がありました。


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ほぼ全体を蔦で覆われた
古家。


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こちらは中が見えないくらい、
木に覆われた古家です。


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葛餅の「船橋屋」さんで、
お買い物。


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珈琲あんみつを買い、
翌日、会社の皆さまといただきました。
胡桃、レーズン、プルーンなどが入った、
贅沢な季節限定商品です。
とても美味しくて、喜ばれました。





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※今まで行った駅のリンク集です。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2010-09-22-13

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※以下に、このカテゴリーの1回目に書いた文章を
 貼り付けておきます。


2018年の4月から12月まで、
「23区内全駅制覇」というカテゴリーで、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2010-09-22-12
路線ごとに、駅名表示板を並べて、
掲載していたのですが、
次は「2周目」という事で、
今度は各駅の周辺を、もう少しゆっくり歩いてみたいと思います。


条件は特にないのですが、
駅周辺の雰囲気や建物を見たり、
それから、お食事かお茶ができればいいな、
と思っています。

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「モリタク B宝館」へ。 [できごと]

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10月7日。
新所沢に行ってきました。
所沢市に来るのは初めてなので、
とても嬉しい。


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駅前のマンホールが綺麗だったので、
撮ってみました。
何か、所沢にちなんだものかと思いましたら、
宣伝のようでした。


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まずは、腹ごしらえ。
「オオグシ加哩堂」さんでお食事します。


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友人は、ドライカレー&チキンカレー。
私は、ドライカレー&あみチャーハン。


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所沢にやって来た目的は、
「モリタクB宝館」の見学です。


こちらは、
経済アナリストの森永卓郎さんが蒐集されたという、
あらゆる品が展示されているという事で、
一度見てみたかったのです。


中に入ると、
ひゃー--!
と声を上げたくなるくらい、
蒐集した物の種類と数は、
大袈裟でなく、想像を絶し、
見学するだけで疲れてしまうくらい、
圧倒されます。


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あれだけの物を蒐集されるって、
ものすごいパワーと、
経済力が必要だろうと、
驚きと感心で、言葉が出てきません。


しかも、全ての品が、
とても美しく、清潔な状態で保存されているのです。
集めれば、あとはほったらかし、というのとは、
全然違います。
これは本物だなぁと。


モリタクさんの凄さの
足元にも及びませんが、
私も多少、コレクター気質な所があり、
お気持ちは、ちょっと分かります。
ただ、私の場合、
物ではなく、
映画のシリーズものは全部観たい、などの、
脳内コレクションで、
「23区内全駅制覇」シリーズなども、
それに当たるように思います。



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 ↑
公式サイトから、お写真をお借りしました。
お時間があるかたは、サイトの方も見てほしいです。
http://www.ab.cyberhome.ne.jp/~morinaga/
 ↓
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しかし、公式サイトに載っているお写真でも、
ほんのほんの一部なのです。
あの凄さを上手く表現できない、
自分がもどかしい。


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「モリタクB宝館」を見学したあと、
「航空公園駅」まで歩き、
「航空公園」の中を少し散策しました。


ただ、
園内の写真も、
航空公園駅の外観も、
駅名標も、
写真に撮る事を忘れてました。
「モリタクB宝館」に圧倒されすぎたからかも
しれません(笑)。


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所沢市、いい所ですね。
また行きたいです。

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「上海帰りのリル」 [映画]

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〔1952年/日本〕


第二次世界大戦中、
上海のキャバレー「クリフサイド・クラブ」のバンドマン、
山本(水島道太郎)と岡村(森繫久彌)は、
美しく、清らかなダンサー・リル(香川京子)を、
暴力団の田代から救ってやった事から親しくなり、
常に3人で行動するようになる。


しかし、終戦直後、
リルは田代にさらわれ、
行方不明となり、
山本と岡本は、
泣く泣く日本に引き揚げてくる。


日本に帰った岡本は、
人が変わったように、
金儲けに奔走するようになる。


金持ちになった岡村は、
上海の景色に似た横浜の丘に、
「クリフサイド・クラブ」そっくりのキャバレーを
建てようと思い付く。


リルを忘れられず苦悩する岡村は、
いつかリルが、
店にやって来ると信じて・・・。





1951年に記録的にヒットしたという歌謡曲、
「上海帰りのリル」の映画化。


古い歌だし、
全部は歌えないけれど、
何となくは知っている。
昭和の歌が好きだし、
昭和のドラマ「俺たちの旅」で、
この歌をテーマにした回があった。
ドラマは、父と娘の物語だったけど。


で、映画。


戦争中の上海で、
親しくなった2人の男と、1人の女。


この3人の友情が実にいい。
お食事の風景もいいし、
女を真ん中にして、
3人で手を繋いで、海辺を歩くシーンなど、
最高に可愛い。


そして、いつの間にか、
男の1人と、女が、
恋に落ちる。


男の片方が森繫さんなので、
森繁さんが、恋に落ちる方かと思われそうだけど、
最初にナレーションが入るので、
観客は、それが彼ではないと知っている。
役を入れ替えても、
成り立つ話だとは思うけど。


しっかし、
上海にいても、
日本に引き揚げてからも、
彼らを苦しめるのは、
いつも、暴力団。
観ていて、
ほとほと嫌になる。


映画の中で、
「なぜ、戦争中だというのに、
 同じ日本人から、こんな嫌がらせを受けなければならないんだ」
みたいなセリフがあった。


本当にそう。
一番助け合わなければならない時に。


悪い奴ってのは、
どんな状況においても、
自分の事しか考えないって事なのね。


評価 ★★★☆☆

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