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「上海帰りのリル」 [映画]

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〔1952年/日本〕


第二次世界大戦中、
上海のキャバレー「クリフサイド・クラブ」のバンドマン、
山本(水島道太郎)と岡村(森繫久彌)は、
美しく、清らかなダンサー・リル(香川京子)を、
暴力団の田代から救ってやった事から親しくなり、
常に3人で行動するようになる。


しかし、終戦直後、
リルは田代にさらわれ、
行方不明となり、
山本と岡本は、
泣く泣く日本に引き揚げてくる。


日本に帰った岡本は、
人が変わったように、
金儲けに奔走するようになる。


金持ちになった岡村は、
上海の景色に似た横浜の丘に、
「クリフサイド・クラブ」そっくりのキャバレーを
建てようと思い付く。


リルを忘れられず苦悩する岡村は、
いつかリルが、
店にやって来ると信じて・・・。





1951年に記録的にヒットしたという歌謡曲、
「上海帰りのリル」の映画化。


古い歌だし、
全部は歌えないけれど、
何となくは知っている。
昭和の歌が好きだし、
昭和のドラマ「俺たちの旅」で、
この歌をテーマにした回があった。
ドラマは、父と娘の物語だったけど。


で、映画。


戦争中の上海で、
親しくなった2人の男と、1人の女。


この3人の友情が実にいい。
お食事の風景もいいし、
女を真ん中にして、
3人で手を繋いで、海辺を歩くシーンなど、
最高に可愛い。


そして、いつの間にか、
男の1人と、女が、
恋に落ちる。


男の片方が森繫さんなので、
森繁さんが、恋に落ちる方かと思われそうだけど、
最初にナレーションが入るので、
観客は、それが彼ではないと知っている。
役を入れ替えても、
成り立つ話だとは思うけど。


しっかし、
上海にいても、
日本に引き揚げてからも、
彼らを苦しめるのは、
いつも、暴力団。
観ていて、
ほとほと嫌になる。


映画の中で、
「なぜ、戦争中だというのに、
 同じ日本人から、こんな嫌がらせを受けなければならないんだ」
みたいなセリフがあった。


本当にそう。
一番助け合わなければならない時に。


悪い奴ってのは、
どんな状況においても、
自分の事しか考えないって事なのね。


評価 ★★★☆☆

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