「銀座のどら猫」 [映画]

〔1960年/日本〕
銀座の裏道を根城にしているズベ公3人、
由美(弓恵子)、
万里(仁木多鶴子)、
洋子(宮川和子)。
ある日、3人がたむろしているバーに、
大阪から来たというヤクザ・英次(藤巻潤)が
入ってくる。
東京に知り合いのいない英次を
由美は何くれとなく、助けてやるようになる。
実は英次は、大阪で、
恋人・淳子を奪おうとした組長を刺して、
逃げてきており、
東京でも命を狙われるようになる。
由美は、英次を助けているうちに、
彼を愛するようになる。
そんな、ある日、
英次のところに、
淳子からの別れの手紙が来て・・・。
弓恵子、仁木多鶴子、宮川和子のトリオ映画、
「お嬢さん三度笠」
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2022-11-10
「東海道ちゃっきり娘」
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-10-01
に次ぐ、第3弾。
とはいえ、
今回は、主役がハッキリと弓恵子さんのみで、
仁木多鶴子さんと宮川和子さんは、
あっけなく退場。
しかも、2人とも、
弓恵子さんと、大喧嘩した挙句の、
絶縁、という形で(笑)。
77分の短い映画だけど、
かなり切なく、
女心の琴線に触れる内容。
大阪から来たヤクザ・英次に惚れてしまう、
銀座のズベ公・由美。
英次は、大阪に置いてきた恋人・淳子を、
毎日、東京駅で待つのだけれど、
淳子からの手紙で振られ、
自分を愛してくれている由美と結ばれる。
由美は、銀座の一等地に、親が残してくれた、
花屋を一軒持っているのだけれど、
それを売る。
英次と2人、北海道で、
心機一転、やり直すのだ。
感激する英次。
ところが、だ。
いざ、出発しよう、という時、
なんと、淳子がやって来る。
その瞬間、
劇場では、年配の男性が、
「あっ!」とも「おっ!」ともつかない声を上げられていた(笑)。
気持ちは分かる。
私も、
「えぇ!? ど、どうなるの?」と思ったし。
2人の女を前にして、
苦悩のする英次。
一人は、店を売ってまで自分に尽くしてくれる女、
一人は、妊娠しているらしい。
選べない、選べやしない。
オチは、それなりに、
上手くまとめられていたけれど、
スクリーンの向こうに続きがあるなら、
3人はどうなっていくのだろうと、
めちゃめちゃ気になる。
評価 ★★★★☆