◆死 宮崎学写真集◆ [本]
生きとし生けるもの、
全てに、死は必ずやってくる。
この本は、
森の中で死んだ3頭の動物たち、
ニホンカモシカ
ニホンジカ
タヌキ
が、死んだあと、
土に還るまで、
どのような経過を辿るのかを
時間を追って撮影した写真集です。
初めてこの本を見たのは、
20年ほど前。
そして、今でも時々、見ています。
怖くも、気持ち悪くもありません。
むしろ、崇高で美しささえ感じます。
子供さんに見せても、
勉強になると思います。
動物が一頭死ぬと、
すぐに蠅が卵を産み付け、
そして、様々な動物が、
その死骸を食べにやってきます。
特に、タヌキの食欲と好奇心が可愛く、
数日をかけて、
ご馳走を堪能した体は、
明らかに毛並みが良くなっているのが分かります。
「これで元気に冬越しができるだろう」と
書かれています。
テンやネズミ、カラスも死骸を食べ、
モモンガや小鳥は、
巣作りのため、
体毛を持ち帰ります。
1~2カ月後には、
そこに死骸があった事など嘘のように、
また静けさがやってくるのです。
「宴のあと」
という言葉が、
見る度に、
頭に浮かびます。