「ノートルダム 炎の大聖堂」 [映画]
〔2022年/フランス〕
2019年4月15日。
フランスのノートルダム大聖堂に、
新しい警備員がやって来た。
仕事の説明を受けた彼が、
控室にいると、火災警報器が鳴りだした。
慌ててインカムで知らせるも、
職員たちは、
「いつもの誤作動だ」と本気にせず、
警報機のスイッチを切るように指示。
警備員は、それに従った。
しかし、屋根裏から出た火は、
大聖堂の中を燃え広がり、
外から見ても、
噴煙がハッキリと分かるまでになってしまう。
通報を受けた消防車が、
現場に向かうも、
道路工事や、野次馬で、
中々前に進めない。
そんなこんなのうちにも、
大聖堂は炎上してゆき・・・。
最近の、歴史的建造物の火災といえば、
「ノートルダム大聖堂」と、
それから、
沖縄の「首里城」が、
すぐ頭に浮かぶのだが、
どちらも、
大変にショックな出来事だった。
この映画は、
「ノートルダム大聖堂」の、
出火から鎮火までを、
巨匠・ジャン・ジャック・アノー監督が描いた、
緊迫の作品。
どんな災害でもそうだけれど、
第一報が入った時は、
誰も信じない。
「いつもの誤作動だ」
「そんな事があるわけない」と、
みんながのんきで、本気にせず、
しかし、その間にも、
被害はどんどん広がってゆく。
それから、
ノートルダム大聖堂のような、
歴史的建造物ともなると、
建物内には、
貴重な文化財が所蔵されていて、
それを持ち出すのも、
重要な任務。
しかし、その文化財が貴重であればあるほど、
その管理は厳重で、
それが仇となり、
中々現物まで辿り着けない。
辿り着いても、
今度は、
職員が、パニックとなり、
鍵の開け方を忘れてしまう。
あぁ、分かるなぁ。
焦ってはいけないと思えば思うほど、
大切な事をど忘れしてしまう、あの感じ。
消防士の皆さまの、
活躍も凄い。
誰がヒーローというのではなく、
皆が一丸となって、
火災に立ち向かう。
幸いにも、
この事件で、
一人の死傷者も出なかったそうだ。
出火原因について、
フランス政府は、「不明」と結論付けているそうで、
映画でも、
明確には描かれていなかった。
ただ、
煙草の火の不始末と、
漏電を思わせる場面がある。
評価 ★★★★☆