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「赦し」 [映画]

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〔2022年/日本〕


7年前、女子高生だった夏奈(松浦りょう)は、
同級生の恵未を河原でメッタ刺しにして
殺害し、
懲役20年の判決を受けていた。


しかし、再審の機会が与えられ、
恵未の両親(尚玄・MEGUMI)が、
法廷で証言する事に。


両親は既に離婚し、
母親は再婚相手(藤森慎吾)と
静かな生活を送っていたが、
父親は事件を忘れられず、
酒浸りの日々を送っている。


裁判が始まった。
すると、7年前には明らかにされなかった、
恵未殺害の動機が、
夏奈の口から語られ、
裁判所にいた全員が驚き・・・。





7年前に、最愛の娘を殺された両親が、
犯人の再審を機に再会し、
生活や、気持ちがかき乱される。


父親は、犯人への怒りと憎しみを隠そうともせず、
絶対に許さないという姿勢で証言台に立つが、
母親は、既に再婚し、
父親とは微妙な温度差がある。


その辺りの、
人の心の機微を感じる映画で、
映像も綺麗なのだけれど、


どうしても、納得いかない点が。


この映画の監督は、
アンシュル・チョウハンさんというインド出身のかたで、
脚本も、ランド・コルターさんという、
おそらく外国の方だと思われ、
そのせいか、
「え!? 日本の裁判で、そんな事ってある?」
という疑問が多数。


それに、主人公の夏奈が、
なぜ、恵未を殺害した理由を、
最初の裁判で言わなかったのかが、
よく分からないし、
その説明もなかった。


その理由を明らかにしていれば、
懲役20年なんて事にならなかっただろうし、
父親が、あれほど夏奈に対して、
憎しみを募らせる事もなかったように思われる。


インテリアなども日本っぽくないし、
日本語を話す異世界の物語だと思って観た方が、
楽しめるかもしれない。




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上映後、
チョウハン監督、
尚玄さん、
松浦りょうさん、
藤森慎吾さんによる、
初日舞台挨拶があったのですが、


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舞台に上がられた、
松浦りょうさんを見て驚きました。


映画やポスターでは、
ちょっと目のきつい無表情なかただと思っていたけれど、
生で見るご本人は、
笑顔の可愛い、
実に魅力的で、チャーミングな方で。


映画の内容が内容なので、
随分と役作りをされたようで、
劇中、笑顔のシーンが一度もないせいもあると思うのですが、
そのギャップにビックリでした。


なんだか、すっかりファンになってしまった。
これから、松浦さんに注目していきたいと思います。


評価 ★★★☆☆

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「ひみつのなっちゃん。」 [映画]

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〔2022年/日本〕


ドラァグクイーンのなっちゃんが死んだ。


なっちゃんは、
自分がゲイであることも、
女装して店を経営している事も、
故郷の家族には内緒にしていたらしい。


なっちゃんの友達、
バージン(滝藤賢一)、
モリリン(渡部秀)、
ズブ子(前野朋哉)の3人が、
なっちゃんのアパートに行き、
証拠隠滅のため、ドタバタしていると、
そこへ、
故郷からなっちゃんの母親(松原智恵子)がやって来て、
鉢合わせしてしまう。


なんとかその場を取り繕った3人に、
母親は、息子の為にも、
ぜひ葬儀に参列してほしいと言う。
かくしてバージンたちの、
岐阜への旅が始まる・・・。





3人のドラァグクイーンたちが、
亡くなった仲間の葬儀に出席するために、
東京から岐阜まで旅する、
ロードムービー。


奇しくも、
先日、感想を書いたゲイをテーマにした映画、
「エゴイスト」と、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-03-06
公開日も近く、
その違いを楽しんだけれど、
「エゴイスト」がシリアスだったのに対して、
こちらはコメディ。


滝藤賢一さんにとって、
本作は映画初主演なのだそうだ。
冒頭、自室で女装する
滝藤さんのお姿を見られる。


ポスターでも分かるように、
そのお姿は、中々に美しく、
ずっと見ていたい気持ちになる。


ただ、残念な事に、
彼の女装はそのシーンだけ。
もっと煌びやかなステージの場面を
期待していたので、
ちょっと肩すかし。


その分、ロードムービーを楽しむ。
途中、様々な事があり、
笑わせられる。


なっちゃん役を演じるのは、
カンニング竹山さん。
演じると言っても、
遺体と遺影の場面のみで、
セリフはない。
不謹慎な言い方だけど、
遺体の場面では、
あぁ、今、竹山さんは、
必死で動かない演技をしているのだなぁと思って、
こちらまで息が止まりそうになった(笑)。


ところで、
以前、何かで読んだのだけれど、
この映画のように、
ドラァグクイーンとしてお仕事されている方の中には、
急に何かあった時、
連絡先が分からなくて、
困る場合があるそうだ。


本名も、
現住所も、
緊急連絡先も、
分からないのは、
やっぱりマズい、という事で、


ミッツ・マングローブさんが、
ゲイ仲間の皆さまの、
上記のようなデータを一覧にする事にしたのだとか。


人の事情は、
本当に人それぞれ。
そして、
明日には何があるか分からない。
もちろん、それでもプライバシーを明かしたくない人は、
それでいいのだろうけれど、
そうしてもらえると安心という人も、
おられるのではないかと思われる。


評価 ★★★☆☆

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WORLD BASEBALL CLASSIC 2023へ。 [スポーツ観戦]

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3月15日。


東京ドームで行われた、
ワールド・ベースボール・クラシック準々決勝の試合を
友人と観戦してきました。


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といっても、
日本戦ではないのですが。
ポスターが詐欺ですみません(笑)。


なにせ、チケットを買ったのが1月7日と、
出遅れてしまったため、
日本戦は既に完売。


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3月15日に、日本は確実に出ないと分かっていた上に、
さらに、出場国は、
予選の結果如何なので、
直前まで、どんな組み合わせになるのかも分かりません。


それでも、とにかくWBCの雰囲気だけでも
味わいたかったのです。


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大会が始まって、試合が進み、
15日の対戦は、
キューバとオーストラリアに決まりました。
そのような組み合わせの野球は、
おそらく生涯2度と観戦する事はないだろうと思われ、
とても嬉しかったです。





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試合前のグラウンド。
オーストラリア、
キューバ、
そして日本の国歌が斉唱されたり、
選手の紹介がされたり、
試合前のセレモニーを見ていると、
「自分は今、WBCの会場にいるんだ」と、
ワクワクが止まりません。


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キューバとオーストラリア、
私はどちらの国の選手も、
知っているかたはいないのですが、
実力は互角のように感じられました。
(細かな解説ができなくてすみません(笑))。




それから、どちらの国も、
応援団の皆さまの力が入っていて感動しました。


確かに、
もし、私が外国に住んでいて、
その国で、日本のスポーツチームがプレーする、
なんて事になったら、
きっと観に行くでしょうし、
必死に応援すると思います。
なんか、気持ち分かるなぁって。


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途中で、クレープ食べちゃいました(笑)。




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試合は、4:3でキューバが勝ちました。


初めてのWBC体験、
めちゃめちゃ楽しかったです。
今日、日本はイタリアと対戦ですね。
きっと勝つと信じています。


そして、次回の大会は、
チケット購入に出遅れないように、
頑張りたいと思います(笑)。

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23区内全駅制覇・荒川区役所前駅 [23区内全駅制覇]

【23区内全駅制覇・各駅編】


第106回目の掲載は、
 ・都電荒川線
「荒川区役所前駅」です。


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ちょうど、スカイツリーが
線路から見えていい感じ。


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都電荒川線といえば、
線路沿いの薔薇ですね。


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駅名通り、近くの荒川区役所前があります。
立派な庁舎。


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他にも、駅周辺は、
荒川警察や、


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荒川郵便局など、
公的な機関が集まっています。


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警察署と郵便局の間にいる、
お地蔵様。


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区役所の前の「荒川公園」。
この公園は、
規模はそう大きくはないのですが、
なぜか、石像がいっぱいあって、
すごく居心地がいいです。


この2体は、
韓国から贈られたようです。


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噴水や、


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池もあります。


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駅周辺を歩いてみました。
古家は見つけられなかったけど、


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連続して猫ちゃんに遭遇。
どちらからも、
めっちゃ見つめられました(笑)。


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ヒマラヤンカレーの
「ニルヴァーナ」さんでお食事。


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マトンカレーと、
野菜カレーをいただきました。





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※今まで行った駅のリンク集です。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2010-09-22-13

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※以下に、このカテゴリーの1回目に書いた文章を
 貼り付けておきます。


2018年の4月から12月まで、
「23区内全駅制覇」というカテゴリーで、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2010-09-22-12
路線ごとに、駅名表示板を並べて、
掲載していたのですが、
次は「2周目」という事で、
今度は各駅の周辺を、もう少しゆっくり歩いてみたいと思います。


条件は特にないのですが、
駅周辺の雰囲気や建物を見たり、
それから、お食事かお茶ができればいいな、
と思っています。

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「破れ傘長庵」 [映画]

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〔1963年/日本〕


江戸時代。
町医者・良伯のもとで、
見習いをしている長蔵(勝新太郎)は、
悪事に関しては、
妙な小賢しさと、嗅覚を持っていた。


彼は、良伯の養女・お加代(万里昌代)を
手籠めにし、
破門を命じられるが、
逆に、多額の口止め料を強請り、
姿を消す。


数年後。
浅草で、村井長庵なる人物が医者をしていた。
この長庵こそが、長蔵であった。
彼は医師免許を持たなかったが、
界隈では、そこそこ成功している。


長庵は懇意にしている芸者が、唐木屋の主人に身請けされると知るや、
主人を殺そうと考える。
また、通りを歩いていた若夫婦の妻・りよ(藤村志保)に
一目惚れし、
彼女を自分のものにするべく、近付く。


長庵は、
りよの夫を、
唐木屋主人の殺害犯に仕立て上げることに成功。
夫は打ち首に。
やったぜ! 邪魔者を2人同時に追い払った。
この世の女は全部俺のもの・・・





これは面白かった。


勝新太郎さんの当たり役、
「座頭市」の前作品である、
「不知火検校」と似たテイスト。
「不知火検校」がお好きな方なら、
きっと楽しめると思う。


勝さんの、
悪役っぷりが最高。


彼の悪事は、
その場の衝動的なものではなく、
将棋で言えば、
三手も四手も先を読んでの行動。


かといって、
難しい事をするわけではなく、
観ているこちらは、
彼は大体何を企んでいるのか分かるので、
きたぞ、きたぞ、きたぞ、きたー!
って感じで答え合わせができて、
スッキリする(笑)。


本当なら憎いはずの長庵を、
そこまで憎めないのは、
勝さんの愛嬌のあるキャラクターのおかげかと思う。


これを、
同じ大映の田宮二郎さんが演じていたらどうだろう。
もっと、とても冷たい印象になっていたのではないかしら。
やはり「座頭市」にしても、
この映画にしても、
勝さんで良かった。
逆に、田宮さんの「白い巨塔」の財前を、
勝さんが演じていたら、
全く違う作品になっていただろうと思うし。


ラストは、勧善懲悪。
彼は、
気に入った女を、
全部手に入れてきた気になっているけれど、
女が、そういつも言いなりになると思ったら大間違いよ。
万里昌代さんも、藤村志保さんも、
カッコ良かった。


評価 ★★★★☆

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