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「ひみつのなっちゃん。」 [映画]

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〔2022年/日本〕


ドラァグクイーンのなっちゃんが死んだ。


なっちゃんは、
自分がゲイであることも、
女装して店を経営している事も、
故郷の家族には内緒にしていたらしい。


なっちゃんの友達、
バージン(滝藤賢一)、
モリリン(渡部秀)、
ズブ子(前野朋哉)の3人が、
なっちゃんのアパートに行き、
証拠隠滅のため、ドタバタしていると、
そこへ、
故郷からなっちゃんの母親(松原智恵子)がやって来て、
鉢合わせしてしまう。


なんとかその場を取り繕った3人に、
母親は、息子の為にも、
ぜひ葬儀に参列してほしいと言う。
かくしてバージンたちの、
岐阜への旅が始まる・・・。





3人のドラァグクイーンたちが、
亡くなった仲間の葬儀に出席するために、
東京から岐阜まで旅する、
ロードムービー。


奇しくも、
先日、感想を書いたゲイをテーマにした映画、
「エゴイスト」と、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-03-06
公開日も近く、
その違いを楽しんだけれど、
「エゴイスト」がシリアスだったのに対して、
こちらはコメディ。


滝藤賢一さんにとって、
本作は映画初主演なのだそうだ。
冒頭、自室で女装する
滝藤さんのお姿を見られる。


ポスターでも分かるように、
そのお姿は、中々に美しく、
ずっと見ていたい気持ちになる。


ただ、残念な事に、
彼の女装はそのシーンだけ。
もっと煌びやかなステージの場面を
期待していたので、
ちょっと肩すかし。


その分、ロードムービーを楽しむ。
途中、様々な事があり、
笑わせられる。


なっちゃん役を演じるのは、
カンニング竹山さん。
演じると言っても、
遺体と遺影の場面のみで、
セリフはない。
不謹慎な言い方だけど、
遺体の場面では、
あぁ、今、竹山さんは、
必死で動かない演技をしているのだなぁと思って、
こちらまで息が止まりそうになった(笑)。


ところで、
以前、何かで読んだのだけれど、
この映画のように、
ドラァグクイーンとしてお仕事されている方の中には、
急に何かあった時、
連絡先が分からなくて、
困る場合があるそうだ。


本名も、
現住所も、
緊急連絡先も、
分からないのは、
やっぱりマズい、という事で、


ミッツ・マングローブさんが、
ゲイ仲間の皆さまの、
上記のようなデータを一覧にする事にしたのだとか。


人の事情は、
本当に人それぞれ。
そして、
明日には何があるか分からない。
もちろん、それでもプライバシーを明かしたくない人は、
それでいいのだろうけれど、
そうしてもらえると安心という人も、
おられるのではないかと思われる。


評価 ★★★☆☆

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