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「エゴイスト」 [映画]

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〔2023年/日本〕


斉藤浩輔(鈴木亮平)は、
大手出版社で働き、
夜は、ゲイ仲間と酒を飲むという、
気ままな生活を送っている。


自分の体形が気になりだした浩輔は、
仲間から、
パーソナルトレーナー・龍太(宮沢氷魚)を紹介してもらい、
個人指導を受けるようになる。


浩輔と龍太は、
互いに惹かれ合い、
恋人同士に。


龍太は、体の弱い母(阿川佐和子)を養っていて、
それを知った浩輔は、
ある提案をするのだが・・・。





愛はエゴ。
エゴは愛。


少し前に、
この映画の原作の感想を書いた。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-01-30


その時、私は、
「浩輔のした事は、エゴなのか」
と書いた。
本を読んだ時は、
「エゴじゃない。無償の愛だ」と思った。


でも、映像化されたものを観てみたら、
ちょっと感想が変わった。
もしかしたら、
エゴなのかもしれない。
もちろん、深い愛には間違いはないけれど、
エゴの要素もあるのかもしれない、って。


そんな風に思ったのは、
主演の2人の演技があまりにリアルで、
原作では掴み切れなかった、
現実のようなものを感じ取ったからなのだろう。


特に鈴木亮平くん。
凄い。
彼は。


ゲイの演技をするのに、
女言葉を使えば、とか、
小指を立てれば、とかすれば、
それなりに演じる事は、
俳優さんなら、きっとできるだろう。


でも、彼はそうではなく、
なんというか、
言葉で表現できない、
細かな部分で、
なり切っている。
あ、分かる、
この感じ、
どこがどうとは言えないけど、
ゲイのかたに有りがちな言葉遣い、仕草。
驚きしかなかった。


そして、
龍太の母と初めて会った時の、
ゲイだけど、ゲイを隠し、
悟られてはいけないと演技する演技が、
またリアルで。
鈴木亮平、恐るべし。


本の感想でも書いた、
浩輔が故郷に帰り、
彼をいじめていた同級生に、
偶然、遭遇する場面が
始まった時は、
胸がドキっとして、
結果は知っているのに、
もっともっともっと見せつけてやれ、と思った。
あれも、鈴木亮平くんだからこそ、
より生きた場面だと思う。
「(高級ブランドの)服は鎧」。
本当にそう。
ブランド物には、時に、そういった側面がある。


一つ、
ニコニコしちゃったのは、
私が、
今、日本で一番華があって、
一番活躍なさっていると感じている、
ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさんが、
鈴木亮平くんの友達役で出演している場面。
彼が出演している事は知っていたので、
登場した時は嬉しかった。


評価 ★★★★☆

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