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「雄獅少年 少年とそらに舞う獅子」 [映画]

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〔2021年/中国〕


中国の田舎町に住むチュンは、
体が弱く、
両親が出稼ぎしてくれている事を
申し訳なく思っている、18歳の男子。


ある日、チュンは、
獅子舞の大会で、
見知らぬ少女から、
獅子頭を貰い受け、
獅子舞の演者を目指すようになる。


友人のマオとゴウとの3人で、
昔、村一番の獅子舞演者だった師匠を訪ね、
特訓を受け、
地元の大会で優勝し、
全国大会参加の権利を得る。


ところが、
父親が出稼ぎ先で怪我をし、
意識不明になってしまう。
これからは、自分が家族を支える番だ。
チュンは、獅子舞演者の道を諦め、
都会に働きに行くが・・・。





試写会で観た。


体が弱く、貧相で、
いつも、町の同世代の青年たちから、
やられっぱなしだった、
主人公・チュンが、
獅子舞演者を目指した事で、
どんどんたくましく成長してゆく、
中国の3DCGアニメ。


ありきたりといえば、そうなんだけど、
全国大会でのクライマックスは感動する。
とても良かった。


獅子舞の演者?
と思われそうだけど、
中国の獅子舞は、
日本の獅子舞とは、
ちょっとイメージが違っていて、
中国のは、
獅子頭が大きくて、
日本のより豪華。


そして、大会というのは、
舞の美しさを競うだけでなく、
獅子舞同士が、
ぶつかり合ったする、
大変に見応えのあるもの。


それも、
獅子に入っているのが一人ならともかく、
前後二人で、
高い杭のようなものの上を渡って進むなど、
技術だけでなく、
息が合っていなければ、
大変に難しい。


ラストの大会で、
とてつもなく高い杭があり、
それは、
「人間には超えられない奇跡がある」という
意味なのだという。


その考え方が、
すごくいいな、と思って観ていた。
「人間は神様じゃない。
 万能な人間などいないのだから、
 自惚れることなく、
 身のほどを弁え、謙虚に生きよ」
という、中国流の戒めなのかなぁと、
勝手に解釈。


中国には、
思うところは沢山あるけど、
国の在り方はともかくとして、
個人個人は悪い人ばかりではないと思う。


以前、中国を旅行中、
バスの中で具合が悪くなった友人に、
席を譲ってくださった中国人女性がいた事は、
忘れられない。


アニメといえば日本だけど、
中国でも、今、相当力を入れていると聞く。
日本、うかうかしていられない(笑)。


評価 ★★★★☆

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