◆ゆりあ先生の赤い糸◆ [本]
先日、
「第27回 手塚治虫文化賞」授賞式を
観覧させていただきましたが、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-06-09
大賞を受賞されたのが、
この、
入江喜和さんの、
「ゆりあ先生の赤い糸」(全11巻)です。
前回も書いたのですが、
この漫画は、
全巻持っているくらい大好きで、
何度も読んでいます。
主人公の伊沢ゆりあさんは、
大柄で、殆どお化粧もしない、
どちらかといえば、男っぽい印象の女性。
それでも手先がとても器用で、
現在は、自宅で刺繍の先生をしている。
ある日、彼女の夫が、
くも膜下出血で意識不明となってしまうのだが、
それがきっかけとなり、
夫の不倫が発覚。
その相手というのが、
えー--!? という人で、
ゆりあさんも、そして読者も、目を白黒(笑)。
さらに、2人目の愛人?らしき人まで現れて、
またまたショック。
短期間の間に、
ゆりあさんの人生は、大きく変わってゆく。
こんな風に書くと、
ゆりあさんの夫は、
とんでもなくチャラけた男のイメージだけど、
そうではなく、
飄々として、
細かい事に捉われない、
とってもいい人で、怒る気にもなれず(笑)。
すごいのは、
ゆりあさんが、
全てを引き受け、
気が付くと、
彼女の周囲には人がいっぱいになっている事。
すごく頑張ってるんだけど、
でも、がむしゃらというわけではなく、
自然で、
パワフルで、
そんなゆりあさんは、
私にとって、憧れであり、
理想の女性。
架空の人物とはいえ、
とても呼び捨てになんかできないくらい、素敵。
ゆりあさん自身にも、
色々な出来事が勃発し、
その事で、喜んだり悩んだり。
強そうに見えても、
一人になると泣いちゃったり、
弱い部分もちゃんと持ってて、
意外と色っぽい面もあるし(笑)。
時にシリアス、時にコメディ。
そんな内容が面白くて、
電車の中で読んでいて、
吹き出しそうになって、
下を向いて堪えた事もありました(笑)。
ラストは涙です。
人の心は、
善悪だけでは決められない。
白と黒にきっちり分けられるわけでもない。
こんな人生があってもいいと思う、
気持ちのいい、終わりです。