「aftersun アフターサン」 [映画]
〔2022年/アメリカ〕
11歳の少女・ソフィは、
父と2人で、
トルコの避暑地で、
ひと夏を過ごしている。
両親は離婚しており、
父とは離れて暮らしているので、
ソフィにとってそれは、
とても楽しみにしていたバカンスだ。
プールで泳いだり、
ビリヤードをしたり、
レースゲームをしたり、
ソフィは、休暇を満喫する。
幼いソフィは、
その時、
父が何を考えているのか、
気付くはずもなく・・・。
私は、ソフィと同じくらいの年の頃、
人は大人になると、
感情、
特に負の感情は、
無くなるのだと、
なぜか、本気で思い込んでいた。
子供の私から見た大人は、
何事にも動じず、
時に無神経で、
悩みなんて、一つもないように見えた。
早く大人になりたかった。
負の感情に振り回される事のない、
立派な大人に。
そして、今、
念願だった大人になったわけだけど、
立派とは程遠い場所で生きている(笑)。
何か事があれば、すぐオタオタし、
つまらない事でクヨクヨし、
好きな事、したい事は、当時とそう変わっていないし、
緊張すると、言わなくていい事を口走ったりする。
この映画は、
そんな11歳の少女と父を描いた物語で、
特に起承転結はなく、
「お察しください」みたいな場面に終始する。
少女は、夏休みを楽しみ、
父も、自分と同じくらい楽しんでいると
思い込んでいるけれど、
実は父は苦しんでいる。
そういえば、
私の友人も言っていたっけ。
外で、とても辛い事があって、
それでも笑顔でやり過ごしていたけど、
家に帰って、
玄関のドアを後ろ手で閉めた瞬間、
声を上げて号泣したと。
大人になるって、
負の感情が無くなるのではなく、
隠すのが、少し上手くなるだけ。
私も、できるだけ、
負の感情は露にしないようにと、
気を付けてはいるけれど、
ちゃんとできているかどうかは、
未だに分からない。
評価 ★★★☆☆