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「パラレル・マザーズ」 [映画]

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〔2021年/スペイン〕


カメラマンのジャニス(ペネロペ・クルス)は、
恋人の子を宿し、
出産が近づいたため、入院する。


同部屋の17歳の少女・アナ(ミレナ・スミット)も
出産を控えており、
親しく口をきくようになる。
その後、2人は、
同じ日に、共に女の子を産む。


退院したジャニスは、
恋人に、娘・セシリアを会わせるが、
「自分に全く似ていない。本当に僕の子なのか」と言われ、
ショックを受ける。


ジャニスは、DNA検査キットを取り寄せ、
自分とセシリアの唾液を採取、
検査機関に送るが、
驚くべき結果が返ってくる。
「ジャニスとセシリアの間に、親子関係はない」と・・・。





さすが、ペドロ・アルモドバル監督。
見応え十分。


DNA検査の結果、
自分と娘の間に、
「親子関係は100%認められない」と出てしまったショック。


そんな主人公・ジャニスの役を
ペネロペ・クルスが熱演。
悩み、苦しみ、葛藤、迷い。
産んだ子が実子でないって、どういう事なのか。


原因は、病院で取り違えられたとしか考えられない。
ジャニスは、同部屋だったアナに電話をしようと、
すぐにスマホを手に取るのだけれど、
途中でやめてしまう。
たった数ヶ月ではあるけれど、
赤ちゃんは可愛い顔で笑うようになり、
当然、自分の子供だと疑いもせず、
可愛がり、世話をしてきた。
それを今更。


赤ちゃん取り違え事件は、
日本でも、昔あったと聞く。
簡単に間違えたと言ったって、
当事者にしてみたら、
「あぁ、そうですか。じゃあ交換しましょう」で済まされるわけがない。
それは人生をも左右される、
重すぎる出来事。


しかも、この映画、
問題はそれだけでは終わらない。
その後、アナと偶然再会したジャニスは、
信じられない事実を突き付けられる。


アルモドバル監督は、
そんな重い話に、
スペインの内戦による、
遺骨発掘の話を絡めてくる。


脈々と繋がる命、
母性、
などなど、
考えさせられる事、いっぱい。


それから、一つ、面白く思った事。


DNA検査って、あんなに簡単にできて、
結果もすぐに知る事ができるのね。


私がこの先、
DNAに関する検査をする事はないと思うけど(笑)、
すごく興味深い場面だった。


赤ちゃんの取り違え、
托卵、
などなど、
血縁者だと思っている相手が、
実は赤の他人、なんて事は、
人が思っているより意外と多い、
というデータがあるとも聞く。
下手にDNA検査などしない方がいいと言ったのは、
今、人気の著名人だったっけ(笑)。


評価 ★★★★☆

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