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「美女剣光録」 [映画]

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〔1953年/日本〕


西南戦争の中、
熊本の人々は、
家を無くし、難民となり、
年寄や、女子供は、
ある寺に逃げ込んで、
集団生活をする事になった。


律(水谷八重子)と、
律の弟の嫁・おたか(月丘夢路)も、
その中にいた。


31歳の独身で、
気の強い律は、
刀や槍を持ち、
いずれ押し入ってくるであろう
敵を倒すため、
皆を鼓舞していたが、
気の弱いおたかは、
泣いてばかり。


「そんな事でどうする」と、
おたかを叱咤する律であったが、
ある日、叱られて寺を飛び出したおたかと、
彼女を追いかけた律が、
敵に捕まってしまい・・・。





これは、面白い。
ラスト、
拍手したいくらい、
気持ちが上がったけど、
さすがに、そのようなお客さんはいなかったので、
心で手を叩くだけに留めた(笑)。


女ながら、
強く、真っ直ぐな律は、
寺で生活する人々のリーダー格となり、
皆を纏めている。


それに引きかえ、
弟嫁のおたかは、
ずっとメソメソメソメソして、
「自分は弱い、他人とは違うんだ」と言わんばかりに、
逆の意味で、別格感を出していて、
観ているこちらをイライラさせる。


それが、ある事件をきっかけに、変わる。
あれだけ弱かった女が、
急に、それほど強くなるというのも、
変な気がするくらい、変わる。


そして、その後がいい。


律は、たかに、
自分の秘めた恋の話をする。


「自分には、将来を言い交した男がいたが、
 彼は船乗りとなり、
 帰ってこなかった。
 あれから13年。
 私は31歳になってしまったわ」


と、ちょっと自嘲気味に話す。


あれほど男勝りの律に、
そんな過去があったのかと、
律のいじらしい気持ちに泣ける。


そして、ラストは、
その彼と再会・・・。
あぁ、なんて素敵。


この映画、
京マチ子さんが律役、
中村玉緒さんがおたか役で、
リメイクされているけれど、
私はまだ観た事がない。


過去に名画座にかかった事があるというし、
いつか、きっと観てみたい。


評価 ★★★★☆

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