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「忘れじの面影」 [映画]

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〔1948年/アメリカ〕


かつて天才ピアニストと言われたステファン(ルイ・ジュールダン)は、
ある夜、見知らぬ女からの手紙を受け取った・・・。


ウィーンで母親と暮らす少女・リザ(ジョーン・フォンテーン)は、
同じアパートに引っ越してきたピアニスト・ステファンに恋をしてしまい、
聞こえてくる演奏を楽しみにするようになる。


母親の再婚で、一度は引越しするも、
18歳になり、再びウィーンに戻ったリザは、
ステファンと再会する。
ステファンは、少女だったリザを覚えてはいなかったが、
2人はデートし、一夜を共にする。


翌日、ステファンは、
「二週間の予定」と言い、ミラノに旅立つが、
戻ってこなかった。
その後、リザは妊娠に気付き、男の子を生む。


9年後。
再び、ステファンと会ったリザだが、
彼は、リザの事を全く覚えておらず・・・。





人間関係に「温度差」が付きものなのは
否めない事だけど、
この映画の「温度差」は、凄い。


女は、自分の少女時代からの初恋を、
いつまでも大切にし、
彼に再会できた時の喜びの気持ちったら、
それはもう、天にも昇るようで、
最高のデートをして、一夜を共にして。


けれど、男にとっては、
そんな事は日常茶飯事で、
「二週間後にまた会おう」という言葉も、
ただの社交辞令でしかない。


まぁ、それだけなら、
よくある、一夜の恋物語なんだけど、
女は彼の子供を生む。
たった一度の出来事だったけど、
彼の心には、
いつまでも自分がいると信じてる。


それなのに、何という事。
再び会った彼は、
まるで自分を初めて見るように接して、
でも、
「どこかで会った気がする」って、あんた。
観ているこちらにしたら、
ちょっと、思い出してよ、って感じで。


男と女の、一番大きな違いは、
子供を生めるか生めないか、ってところなんだろうけど、
私は時々、
世の男性は、
「この世界のどこかに、自分の子供がいる可能性」
について、考える事はないのかな、と思う事がある。


そんな事を、
男性に直接聞いた事はないけれども(笑)。


評価 ★★★☆☆

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