「夜汽車」 [映画]
〔1987年/日本〕
13歳の少女・露子は、
ヤクザな父親に、料亭に売り飛ばされ、
乳飲み子の妹・里子は、
赤の他人にもらわれてゆく。
16年後、
里子(秋吉久美子)の養育費を稼ぐため、
芸妓をしながら、各地を転々とした露子(十朱幸代)が、
故郷に帰ってくる。
美しく成長した里子との再会に、
露子は喜び、
そのまま故郷に落ち着き、
田村征彦(萩原健一)という男と愛し合うようになる。
しかし、幸せも束の間、
里子が結核を患い、
露子は治療費を稼ぐため、
また芸妓となり、各地を転々とすることに。
3年後、
完治した里子と会った露子は、
里子と田村が、
夫婦同然で暮らしている事を知り・・・。
先日の、「離婚しない女」
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2022-07-14
に引き続き、
萩原健一の、姉妹丼シリーズ第二弾。
(って、下品すぎ(笑))
(そんなシリーズはない)
「離婚しない女」では、
【実の姉妹だけど、劇中では他人】
この映画では、
【劇中では姉妹だけど、現実では他人】
という、
パターンは違う姉妹から
惚れられるという役を、
萩原さんが演じておった。
とはいえ、
この映画のテーマは、
あくまでも、女の生き方であり、
主役は女。
妹に男を取られてしまった姉だけど、
決して恨み言も言わず、
それどころか、
そんな妹に、
ますます尽くす姉、という役を、
十朱幸代さんが熱演。
凄いのは、
十朱さんが、指を詰めるシーン。
何の躊躇いもなく、
彼女はそれをやってのける。
それも、里子のため。
今までの人生を、
ほぼ、妹のために費やしてきた姉に引き換え、
妹が姉のために何かした、ってシーンはない。
よく世間では、
姉的性格、妹的性格、というけれど、
先に生まれると、
どうしても、
責任感のようなものに
縛られるパターンが多いのかもしれない。
それはもう、運命としかいいようがない。
評価 ★★★☆☆