「マチネの終わりに」 [映画]
〔2019年/日本〕
世界的クラシックギタリスト・蒔野聡史(福山雅治)は、
ジャーナリストの小峰洋子(石田ゆり子)と出会い、
強く心惹かれる。
洋子には婚約者・リチャード新藤(伊勢谷友介)がいたが、
聡史は、自分の気持ちを抑えることができず、
愛の告白を。
洋子も、聡史を愛し始めている自分に気付き、
リチャードと別れ、
聡史と人生を歩む事を決めるが、
思わぬすれ違いにより、
歯車が狂ってゆく・・・。
古い映画を観ていると、
「この時代にケータイがあったら、
こんなすれ違いは起こらなかったな」と
思う事がしょっちゅうあるし、
このブログでも、
何度か書いた記憶がある。
でも、この物語は、
逆に、ケータイの存在が、
すれ違いの原因になる。
どんな便利な道具でも、
悪用しようと思えば、
どうにでも使えるって事なのね。
確かに、人は、
ケータイから送られてきたメールを打っているのは、
そのケータイの持ち主であると、
疑ったりはしない。
これが自筆の手紙だったら、筆跡が違うとか、
電話だったら、声や、喋り方の癖や、内容で、
別人だと気付くだろうに。
それから、
昔のように、
相手の電話番号を記憶しなくなったというのも、
この物語の大きな肝。
私自身も、誰かに電話をするときは、
登録してある番号にかけるだけで、
自分でボタンを押す事など、
ほぼ無いし、
誰の電話番号も記憶していない。
この映画の主役は、
聡史と洋子だけど、
裏の主役と言っていいのが、
某人物(仮にXとする)。
Xに関しては、
原作小説が出た時から、
「ぜってー許せねーーー!」という
声が多数上がったという。
また、その反面、
Xにシンパシーを感じる人も、
少数派ながらいたようだ。
確かに、
人の心は、綺麗なだけじゃない。
どんな人にだって闇はあるし、
憎しみ、嫉み、妬み、など、
黒い感情に支配されてしまう事もある。
そもそも、聡史だって鈍くさい(笑)。
何でタクシーの中で連絡しなかったのかと思うわ。
(観られている方なら、分かりますよね)
まぁ、私もかなり鈍くさい人間だから、
人の事は言えないけど。
私の最終的な感想は、
Xには、秘密を墓場まで持っていってほしかった、
それだけ。
でも、どんなに誰かが策を弄しても、
本当に縁のある2人だったら、
最後は結ばれるものだと思うけど。
評価 ★★★★☆